Claudeのスキル(Skills)とは?EC業務の手順と確認事項をAIに覚えさせる書き方

スキルの仕組み、毎回のプロンプトやmdファイルとの違いとメリット、プロジェクトの指示との使い分け、ULTROが業務で使っているスキルの型、失敗から書き足して育てる方法まで。
Claudeに業務を手伝ってもらっていると、同じ説明を何度も書くことになります。記事の書き方、公開前に確かめること、タスクを登録するときの決まりごと。毎回プロンプトに書くのは手間ですし、書き忘れると、前と違うやり方で進んでしまいます。
Claudeのスキル(Skills)は、こうした「いつものやり方」を残しておく仕組みです。この記事では、スキルの仕組みと準備を説明したうえで、ULTROが実際に業務で使っているスキルの書き方と育て方をまとめます。Claudeのヘルプと画面の名前は、2026年10月時点のものです。
Claudeのスキル(Skills)とは
スキルは、作業の手順や決まりごと、使うスクリプトや参考資料をまとめたフォルダです。Claudeのヘルプでは、特定の作業でClaudeの性能を高めるために、必要に応じて読み込まれるものと説明されています。
スキルの読み込まれ方には、順番があります。先に図で示します。
順番は、次のとおりです。
- Claudeは、まず使えるスキルの名前と説明だけを見る
- いまの作業に関係があると判断したスキルだけ、本文を読み込む
- 本文から参照されている別のファイル(参考資料やスクリプト)は、必要になったときに読む
最初から全部を読み込まないので、スキルをたくさん入れても、会話が重くなりにくい仕組みです。裏を返すと、説明(description)が曖昧だと、そもそも呼び出されません。 これは、書き方のところでもう一度触れます。
スキルには、Anthropicが用意しているもの(Excel、Word、PowerPointのファイルを作るものなど)、自分で作るもの、組織で配布されるもの、パートナー企業が作ったものがあります。
毎回のプロンプトやmdファイルと、何が違うのか
同じ手順をClaudeに伝える方法は、スキルのほかにもあります。毎回プロンプトに書く方法と、手順書をmdファイル(Markdownのテキストファイル)にまとめておいて、使うときに渡す方法です。とくに分かりにくい、mdファイルとスキルの違いを先に図で示します。
3つを並べると、次のとおりです。
| 毎回プロンプトに書く | 手順書のmdファイルを渡す | スキル | |
|---|---|---|---|
| 渡し方 | 依頼のたびに書く | 依頼のたびに添付する、貼り付ける | 一度入れておけば、渡さなくてよい |
| Claudeが存在を知っているか | 書いたときだけ | 渡したときだけ | いつも名前と説明を知っている |
| 読み込まれるとき | 毎回すべて | 渡したときにすべて | 関係する作業のときだけ、必要な部分を |
| 渡し忘れ | 起きる | 起きる | 起きにくい(Claudeが自分で選ぶ) |
| スクリプト | 使えない | 中身を読むだけ | 同じフォルダに入れて、実行させられる |
| 共有 | 人ごとにばらばら | ファイルを配る | 組織に配布でき、直すと共有先にも反映される |
中身だけを見れば、スキルの本文もMarkdownで書いた手順書です。違いは、Claudeが自分で見つけて、自分で読みに行ける形になっているかです。
ただのmdファイルは、渡さない限りClaudeは存在を知りません。依頼する人が「この作業ならこのファイル」と覚えておいて、毎回渡す必要があります。スキルは、名前と説明(description)をClaudeが最初から知っているので、「記事書いて」と頼むだけで、記事制作のスキルを自分で選んで読み込みます。
また、スキルのフォルダには、手順書と一緒にスクリプトや参考資料を入れておけます。手順の中で「このスクリプトでサムネイルを作る」と書いておけば、Claudeはそれを実行して作業を進めます。
スキルにしておくメリット
ここからは、ULTROがスキルを使ってきた中で感じているメリットです。
1. 作業の質がそろう。 毎回プロンプトで指示していると、書く人や日によって、伝える内容が変わります。確認の手順を1つ書き忘れただけで、その回だけ確認が抜けます。スキルにしておけば、毎回同じ手順と同じ確認で進みます。
2. 指示を書く時間がなくなる。 ULTROの記事制作のスキルは、手順と確認事項を合わせると、長い手順書になっています。これを毎回プロンプトに書くのは現実的ではありません。スキルにしてからは、「次の記事」と一言頼むだけで済んでいます。
3. 改善が積み上がる。 作業で失敗したり、指摘を受けたりしたら、スキルに書き足します。次からは、誰が頼んでも、その改善が効きます。プロンプトで毎回伝えるやり方では、同じ指摘を何度もすることになります。
4. 人に頼らなくなる。 手順が担当者の頭の中にしかないと、その人がいないときに作業が止まります。スキルは、そのまま人が読める手順書でもあるので、引き継ぎの資料にもなります。
5. 会話が重くならない。 スキルは、関係する作業のときだけ読み込まれます。たくさんの手順書を毎回まとめて渡すと、Claudeが読む量が増えて、肝心の依頼の内容が埋もれやすくなります。スキルなら、使う分だけを読ませられます。
プロジェクトの指示との違い
Claudeには、プロジェクトごとに前提を書いておく「指示」もあります。スキルとの違いは次のとおりです。
| プロジェクトの指示 | スキル | |
|---|---|---|
| 読み込まれるとき | そのプロジェクトの会話で、毎回 | 作業に関係があるとClaudeが判断したときだけ |
| 使える範囲 | そのプロジェクトの中 | プロジェクトをまたいで使える |
| 向いている内容 | 会社のこと、言葉づかい、いつも守ること | 特定の作業の手順、確認の仕方、使うスクリプト |
| スクリプト | 入れられない | 入れられる |
ULTROでは、言葉づかいのルール(顧客に出す文章ではAIっぽい言い回しを使わない、など)のように、どの作業にも共通することはプロジェクトの指示や個人の設定に書き、記事制作やサイトの公開のような特定の作業の手順はスキルに書いています。
使えるプランと準備
Claudeのヘルプによると、スキルはFree、Pro、Max、Team、Enterpriseのプランで使えます。使うには、コード実行の機能をオンにしておく必要があります。
個人のプランでは、次の2か所を設定します。
- [設定]の[Capabilities]で、[Code execution and file creation]をオンにする
- [Customize]→[Skills]で、使いたいスキルをオンにする
TeamとEnterpriseのプランでは、組織の設定でコード実行とスキルが有効になっている必要があります。Teamでは最初から有効、Enterpriseではオーナーが有効にします。
スキルは、Claudeのアプリのほか、Claude Codeでも使えます。APIでは、コード実行ツールと組み合わせたベータ版として提供されています。
ULTROがスキルにしている業務
ULTROでは、繰り返し発生して、手順や確認事項が決まっている業務をスキルにしています。いくつか例を挙げます。
| スキル | 中身 |
|---|---|
| 記事の制作 | キーワードの調査、検索結果の確認、構成、執筆、サムネイル、プレビュー、確認依頼、公開までの手順 |
| 記事の図の作成 | 図の型の選び方、置き場所、文字の大きさ、作ったあとに確かめること |
| サイトの公開 | ブランチの作り方、プレビューの確認、公開してよいかの確認、公開後の確認 |
| タスクの登録 | どのプロジェクトに入れるか、タイトルの付け方、担当者の決め方 |
| 広告の週次レポート | どの数字を、どの期間で、どの順に並べるか |
どれも、最初から完成していたわけではありません。作業のたびに失敗したことや、指摘を受けたことを書き足してきた結果、いまの形になっています。
書き方の型
ULTROのスキルは、だいたい次の4つの部分でできています。
1. いつ使うか(説明)
スキルの先頭のdescriptionに、どんな依頼のときに使うかを書きます。Claudeが最初に見るのはここなので、いちばん大事な部分です。
「記事を書くときのスキル」のような抽象的な書き方より、「記事書いて」「次の記事」「記事公開」のように、実際に依頼するときの言葉を入れておくと、呼び出されやすくなります。Claudeのヘルプでも、どの場面に当てはまるかを具体的に書くよう案内されています。descriptionは200文字以内という制限があります。
2. 絶対ルール
何があっても守ってほしいことを、最初にまとめて書きます。ULTROの記事制作のスキルなら、次のようなものです。
- 調べずに書き始めない
- 事実と推測を分ける。手順や画面の名前は、公式のヘルプか実際の画面で確かめたものだけを書く
- 顧客の社名や数字は出さない
- 公開は、確認を受けてから
手順の途中に書くと、読み飛ばされたり、別の手順と矛盾したりします。先にまとめておくと、迷ったときの判断の基準になります。
3. 手順
作業を、上から順に番号付きで書きます。各手順には、何をするかに加えて、どうなっていれば終わりかを書きます。「プレビューを確認する」だけでなく、「プレビューのURLが開けて、画像が表示され、横にはみ出していないこと」まで書くと、確認が甘くなりません。
長くなる部分(図の作り方の細かい決まりなど)は、別のファイルやスキルに分けて、本文からは参照するだけにします。
4. よくある詰まりどころ
実際にうまくいかなかったことと、その対処を書きます。ULTROのスキルで、いちばん育っているのがこの部分です。
- 画面の名前をヘルプのとおりに書いたら、実際の画面と違っていた → ヘルプと画面が違うときは画面を優先する
- 図を本文の説明のあとに置いたら、読みにくいと指摘された → 図は、前提の1〜2文のすぐあとに置く
- 公開日を仮の日付のまま公開しかけた → 公開の前に日付を直す手順を足した
同じ失敗を2度しないための記録です。人に引き継ぐときの手順書としても、そのまま使えます。
スキルを育てる
失敗したら、その場で書き足す。 スキルは、一度書いて終わりではありません。作業の中で指摘を受けたら、その内容を「よくある詰まりどころ」か「絶対ルール」に足します。次からは、同じことを言わなくて済みます。
1つのスキルに、1つの仕事。 記事の制作と、図の作成と、サイトの公開を1つのスキルに詰め込むと、長くなり、どこを直せばいいのか分からなくなります。Claudeのヘルプでも、1つのスキルには1つの作業を担当させ、小さなスキルを組み合わせるほうがよいとされています。ULTROでも、記事の制作のスキルから、図の作成とサイトの公開のスキルを参照する形にしています。
秘密の情報は書かない。 パスワードやAPIキーなどの認証情報は、スキルに直接書きません。Claudeのヘルプでも、そう案内されています。スキルは共有したり、ファイルとして持ち出したりすることがあります。
作り方とアップロード
スキルは、skill.mdというファイルを含むフォルダです。skill.mdの先頭に、名前(name)と説明(description)を書き、その下に本文を書きます。
- スキルの名前と同じ名前のフォルダを作り、skill.mdを入れる
- 参考資料やスクリプトがあれば、同じフォルダに入れる
- フォルダをZIPにする
- Claudeの[Customize]→[Skills]で[+]を押し、[Create skill]→[Upload a skill]からアップロードする
一から書かなくても、Claudeとの会話の中で、いつものやり方を説明して、スキルの下書きを作ってもらうこともできます。ULTROのスキルの多くも、実際の作業のあとに、その作業の流れをまとめてもらうところから始めています。
組織で共有する
TeamとEnterpriseのプランでは、作ったスキルを同僚と共有できます。共有されたスキルは、受け取った人は使えますが、編集はできません。元のスキルを直すと、共有先にも反映されます。
オーナーは、スキルを組織全体に配布することもできます。配布されたスキルは、メンバーのスキル一覧に表示されます。
他の人が作ったスキルを使うときは、有効にする前に中身を確かめます。Claudeのヘルプでも、信頼できる提供元のスキルだけを入れること、同僚から受け取ったものも含めて、含まれるコードや外部への通信の指示を確かめることが案内されています。
よくある勘違い
「スキルを入れれば、勝手に業務を覚えてくれる」。 スキルに書いてあることしか、Claudeは知りません。いつものやり方を言葉にして書き、失敗したら書き足す作業が要ります。
「長く詳しく書くほど、よく動く」。 長すぎると、大事なルールが埋もれます。絶対に守ることは先頭にまとめ、細かい部分は別のファイルに分けます。
「説明(description)は、あとで適当に書けばいい」。 Claudeが最初に見るのは説明だけです。ここが曖昧だと、本文がどれだけよくても呼び出されません。
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参考にした情報
よくある質問
毎回プロンプトで指示するのと、スキルを作るのは何が違いますか?
毎回プロンプトで指示すると、書く人や日によって伝える内容が変わり、確認の手順を書き忘れることもあります。スキルにしておけば、Claudeが関係する作業のときに自分で読み込むので、毎回同じ手順と確認で進みます。失敗したときにスキルに書き足せば、次からはその改善が効きます。
手順書をmdファイルにして渡すのと、スキルは何が違いますか?
中身はどちらもMarkdownの手順書ですが、mdファイルは渡さない限りClaudeは存在を知りません。スキルは、名前と説明をClaudeが最初から知っているので、依頼の内容から自分で選んで読み込みます。スキルのフォルダにはスクリプトも入れておけて、手順の中で実行させられます。
Claudeのスキル(Skills)とは何ですか?
作業の手順や決まりごと、必要なスクリプトをまとめたフォルダです。Claudeは、いまの作業に関係するスキルだけを読み込み、その指示に従って作業します。同じ作業を、毎回同じやり方で進めさせたいときに使います。
スキルは、どのプランで使えますか?
Claudeのヘルプによると、Free、Pro、Max、Team、Enterpriseのプランで使えます。コード実行の機能を有効にしておく必要があります。Claude Codeでも使え、APIではコード実行ツールと組み合わせたベータ版として提供されています。
プロジェクトの指示と、スキルは何が違いますか?
プロジェクトの指示は、そのプロジェクトの中の会話に毎回かかる前提です。スキルは、作業に関係があるとClaudeが判断したときだけ読み込まれ、プロジェクトをまたいで使えます。いつも前提にしておきたいことはプロジェクトの指示に、特定の作業の手順はスキルに書く、という分け方が扱いやすいです。
スキルはどうやって作りますか?
skill.mdというファイルを含むフォルダを作り、先頭にnameとdescriptionを書いて、本文に手順を書きます。フォルダをZIPにして、Claudeの[Customize]→[Skills]から[Create skill]の[Upload a skill]でアップロードします。Claudeとの会話の中で、作業のやり方を説明して、スキルの下書きを作ってもらうこともできます。
スキルが使われないときは、どうすればいいですか?
説明(description)を見直します。Claudeは、まずスキルの名前と説明だけを見て、使うかどうかを決めます。説明が曖昧だと呼び出されにくいので、どんな依頼のときに使うのかを、依頼の言葉に近い形で具体的に書きます。
スキルにパスワードやAPIキーを書いてもいいですか?
書きません。Claudeのヘルプでも、認証情報などの機密情報をスキルに直接書き込まないよう案内されています。スキルは共有したり、ファイルとして持ち出されたりすることがあるので、認証は別の安全な仕組みで行います。
- スキル=作業の手順や決まりごと、スクリプトをまとめたフォルダ。関係する作業のときだけ読み込まれる
- Claudeはまず名前と説明だけを見て、使うかを決める。説明が曖昧だと呼び出されない
- mdファイルの手順書は渡さないと使われない。スキルはClaudeが自分で見つけて読み込み、スクリプトも実行できる
- スキルにしておくと、作業の質がそろい、指示を書く時間が減り、改善が積み上がる
- FreeからEnterpriseまでのプランで使える。コード実行の機能をオンにする
- いつも前提にすることはプロジェクトの指示に、特定の作業の手順はスキルに
- ULTROの型は、説明・絶対ルール・手順・よくある詰まりどころの4つ。失敗するたびに書き足して育てる
- パスワードやAPIキーは書かない。他人のスキルは、中身を確かめてから有効にする
この記事を書いた人永田 龍史
株式会社ULTRO 代表取締役Shopify Partner。Shopifyストアの構築・保守・広告運用・CRMを一気通貫で担当。個人として運用した広告費は累計40億円超。計測設計から逆算して、利益が伸びる仕組みを作っています。Google 広告の認定資格(検索・ディスプレイ・動画・ショッピング・アプリ・P-MAX・測定)と Google アナリティクス認定資格を保有。
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