GA4のスコープとは|ユーザー・セッション・イベント・アイテムの違いと、数字がずれる組み合わせ

4つのスコープの違いと名前での見分け方、流入元が3種類ある理由、ECで数字がずれる組み合わせ、(not set)、カスタム ディメンションのスコープまで。
GA4で探索レポートを作っていて、「アイテム名と購入による収益を並べたいのに、指標が選べない」「ランディング ページとページ タイトルを並べたら、セッションの合計が増えた」ということがあります。どちらも、GA4のスコープが原因です。
この記事では、GA4のスコープとは何か、4つのスコープの違いと名前での見分け方、ECサイトで数字がずれやすい組み合わせ、(not set)が出るとき、カスタム ディメンションのスコープまでをまとめます。画面は2026年10月時点のものです。指標の一覧はGA4の指標一覧に、探索レポートの作り方はGA4の探索レポートの記事にまとめています。
GA4のスコープとは
スコープは、データを、どの単位に結びつけて数えるかの区分です。GA4のデータは、1人のユーザーの中に複数のセッション(訪問)があり、1つのセッションの中に複数のイベント(ページの表示、カートへの追加、購入など)があり、1つのイベントの中に複数のアイテム(商品)がある、という入れ子になっています。先に図で示します。
表にすると、次のとおりです。
| スコープ | 数える単位 | ディメンションの例 | 指標の例 |
|---|---|---|---|
| ユーザー | 1人 | ユーザーの最初のデフォルト チャネル グループ | 総ユーザー数、新規ユーザー数 |
| セッション | 1回の訪問 | セッションの参照元 / メディア、ランディング ページ | セッション、エンゲージメント率 |
| イベント | 1回の操作 | イベント名、ページ タイトル、参照元 / メディア | イベント数、キーイベント、購入による収益、e コマース購入数 |
| アイテム | 1つの商品 | アイテム名、アイテムのカテゴリ | アイテムの購入数、アイテムの収益、閲覧されたアイテム数 |
公式ヘルプでは、流入元のディメンションの説明でユーザー・セッション・イベントの3つが、e コマースの説明でイベント・アイテムの2つが出てきます。この記事では、まとめて4つとして扱います。
同じ「購入」でも、スコープによって数え方が変わります。1回の注文で商品を3つ買った場合、イベント スコープのe コマース購入数は1、アイテム スコープのアイテムの購入数は3です。
名前でスコープを見分ける
流入元は、名前の頭で分かる
流入元のディメンションは、名前の頭を見るとスコープが分かります。
| 名前の頭 | スコープ | 値の入り方 | 出てくるレポート |
|---|---|---|---|
| ユーザーの最初の〜 | ユーザー | 最初に来たときの値。何度来ても変わらない | ユーザー獲得 |
| セッションの〜 | セッション | 訪問ごとに、その訪問の値が入る | トラフィック獲得 |
| 何も付かない | イベント | キーイベントの貢献を、アトリビューション モデルで割り当てる | 広告のアトリビューション |
チャネル グループで比べると、次のとおりです。
| ディメンション | 何のチャネルか | アトリビューション モデル |
|---|---|---|
| ユーザーの最初のデフォルト チャネル グループ | 最初に来たときのチャネル | ラストクリック(有料・オーガニック) |
| セッションのデフォルト チャネル グループ | その訪問を始めたときのチャネル | ラストクリック(有料・オーガニック) |
| デフォルト チャネル グループ | キーイベントが起きたときに、貢献を割り当てたチャネル | プロパティの設定(初期設定はデータドリブン) |
イベント スコープの参照元やメディアには、キーイベントにしか値が入りません。ほかのイベントでは「(未設定)」になります。広告の成果を毎週見るならトラフィック獲得(セッション)、新しいお客様をどこが連れてきたかを見るならユーザー獲得(ユーザー)、と使い分けます。アトリビューション モデルの違いはアトリビューションの記事にまとめています。
e コマースは、ヘルプの一覧に印がある
e コマースのディメンションと指標は、公式ヘルプの一覧(アナリティクスのディメンションと指標)で、カテゴリに「[アイテム スコープ]」「[イベント スコープ]」の印が付いています。迷ったときは、そこで確かめます。
ECで数字がずれる組み合わせ
アイテム名と、イベント スコープの指標は組み合わせられない
探索の自由形式で、行にアイテム名を入れてから指標を追加しようとすると、e コマース購入数、購入、購入による収益など、イベント スコープの指標がグレーになって選べません。アイテムの購入数、アイテムの収益など、アイテム スコープの指標は選べます。
公式ヘルプでは、ほかのディメンションや指標と組み合わせられない項目はグレーで表示される、と書かれています。データを取り出すAPIでも、2022年12月から、アイテム スコープのディメンションとイベント スコープの指標は組み合わせられなくなりました(アイテムは2023年に適用)。
商品ごとの数字は、アイテム スコープの指標で見ます。
| 知りたいこと | 使う指標(アイテム スコープ) |
|---|---|
| 商品ごとの売上 | アイテムの収益 |
| 商品ごとの購入の数 | アイテムの購入数 |
| 商品ページで見られた数 | 閲覧されたアイテム数 |
| カートに入った数 | カートに追加されたアイテム数 |
なお、私たちが試した範囲では、アイテム名とセッション、アイテム名とアクティブ ユーザーは組み合わせられました。ただ、その数字が何を数えたものなのか、公式ヘルプでは説明が見つからなかったので、私たちは商品ごとの分析には使っていません。
購入による収益と、アイテムの収益は合わない
購入による収益と、アイテムの収益は、計算に使う値が違います。先に図で示します。
1つずつ見ると、次のとおりです。
| 購入による収益(イベント スコープ) | アイテムの収益(アイテム スコープ) | |
|---|---|---|
| 計算に使う値 | 購入イベントの value | 商品ごとの価格 × 数量 |
| 払い戻し | 引く | 引く |
| 税と送料 | value に入っていれば含む | 含まない |
| 件数の指標 | e コマース購入数(注文の数) | アイテムの購入数(商品の数) |
税や送料を value に入れているかは、ストアの計測のしかたで変わります。2つの差が税と送料の分より大きいときは、value と商品の価格 × 数量のどちらかが正しく送られていない可能性があります。購入イベントが二重に入っていないかは、GA4の購入が二重に入るときの記事で確かめられます。
ランディング ページとページ タイトルを並べると、セッションが増える
ランディング ページはセッション スコープで、1回の訪問に1つです。ページ タイトルはイベント スコープで、ページが表示されるたびに付きます。2つを並べると、そのランディング ページから始まった訪問の中で見られたページが、1行ずつ並びます。
1回の訪問で3ページ見られると、3行に分かれて、それぞれの行にその訪問が数えられます。行のセッションを足すと、実際の訪問の数より多くなります。入口のページごとの数字を見たいときは、ランディング ページだけで集計します。
(not set) が出るとき
スコープが関係する (not set) の主な理由は、次のとおりです。
| ディメンション | (not set) になるとき |
|---|---|
| セッションの参照元 / メディア | session_start が記録されていないセッション。チャネルは「Unassigned」(未割り当て)になる |
| ランディング ページ | そのセッションで page_view が記録されていない |
| コンテンツ グループ | session_start や first_visit と組み合わせたとき(これらのイベントは content_group を受け付けない) |
| カスタム ディメンション | 登録してから24時間以内。session_start や first_visit で、最初のイベントに値がないとき |
| 参照元 / メディア(イベント スコープ) | キーイベント以外のイベント(「(未設定)」と表示される) |
値が送られていないときは (not set)、空の値が送られたときは空欄で表示されます。Shopifyで (not set) が多いときは、タグを二重に入れていないか、テーマに入れたタグとGoogle & YouTubeアプリの両方が動いていないかを先に確かめます。
カスタム ディメンションのスコープ
自分で送ったパラメータをレポートで使うには、「管理」の「データの表示」にある「カスタム定義」で、カスタム ディメンションとして登録します。登録するときに、スコープ(画面では「範囲」)を選びます。
| スコープ | 使う場面の例 | 作れる数(標準 / アナリティクス 360) |
|---|---|---|
| イベント | クーポンコード、ボタンの位置 | 50 / 125 |
| ユーザー | 会員ランク、初回購入の月 | 25 / 100 |
| アイテム | 商品の色、サイズ | 10 / 25 |
気をつけることは3つです。
- スコープは保存すると変えられない。間違えたら作り直す
- アイテム スコープのカスタム ディメンションは、標準のレポートには追加できず、探索でだけ使える
- 2026年10月時点の公式ヘルプでは、セッションのスコープは選べない
削除してから48時間は、空いた枠に新しく登録できません。上限に近いかは、カスタム定義の画面の右上にある「割り当て情報」で確かめられます。
参考にした公式情報
- トラフィック ソース ディメンションのスコープ(アナリティクス ヘルプ)
- e コマースのスコープ(アナリティクス ヘルプ)
- e コマース指標について(アナリティクス ヘルプ)
- アナリティクスのディメンションと指標(アナリティクス ヘルプ)
- ディメンションと指標の概要(アナリティクス ヘルプ)
- デフォルト チャネル グループ(アナリティクス ヘルプ)
- レポートに表示される「(not set)」という値の意味(アナリティクス ヘルプ)
- 欠落した収益データを修正する(アナリティクス ヘルプ)
- カスタム ディメンションとカスタム指標について(アナリティクス ヘルプ)
- アイテム スコープのカスタム ディメンションを作成する(アナリティクス ヘルプ)
- スキーマの互換性の変更に関するお知らせ(Google for Developers)
よくある質問
GA4のスコープとは何ですか?
データを、どの単位に結びつけて数えるかの区分です。ユーザー(人)、セッション(訪問)、イベント(操作)、アイテム(商品)の4つがあります。ディメンションと指標はそれぞれどれかのスコープに属していて、組み合わせによっては数字の意味が変わったり、組み合わせられなかったりします。
ディメンションのスコープは、どう見分けますか?
流入元のディメンションは、名前で見分けられます。「ユーザーの最初の」で始まればユーザー、「セッションの」で始まればセッション、頭に何も付かなければイベントのスコープです。e コマースのディメンションと指標は、ヘルプの一覧に「アイテム スコープ」「イベント スコープ」の印が付いています。
探索で、アイテム名と購入による収益を並べられません。
アイテム名はアイテム スコープ、購入による収益はイベント スコープなので、組み合わせられません。アイテム名を行に入れると、指標の選択画面で購入による収益やe コマース購入数がグレーになります。商品ごとの売上は、アイテムの収益とアイテムの購入数で見ます。
購入による収益と、アイテムの収益が合わないのはなぜですか?
計算に使う値が違うためです。購入による収益は購入イベントの value から、アイテムの収益は商品ごとの価格と数量から計算されます。アイテムの収益は税と送料を含まないので、購入による収益より小さくなるのがふつうです。
セッション スコープのカスタム ディメンションは作れますか?
2026年10月時点の公式ヘルプでは、カスタム ディメンションで選べるスコープは、イベント、ユーザー、アイテムの3つです。セッションは選べません。
- スコープは、データを人・訪問・操作・商品のどの単位で数えるかの区分。ユーザー、セッション、イベント、アイテムの4つ
- 流入元のディメンションは、「ユーザーの最初の」ならユーザー、「セッションの」ならセッション、何も付かなければイベント
- アイテム名とイベント スコープの指標(購入による収益、e コマース購入数)は、探索で組み合わせられない
- アイテムの収益は税と送料を含まないので、購入による収益とは合わない
- カスタム ディメンションのスコープは、イベント・ユーザー・アイテムの3つ。保存すると変えられない
この記事を書いた人永田 龍史
株式会社ULTRO 代表取締役Shopify Partner。Shopifyストアの構築・保守・広告運用・CRMを一気通貫で担当。個人として運用した広告費は累計40億円超。計測設計から逆算して、利益が伸びる仕組みを作っています。Google 広告の認定資格(検索・ディスプレイ・動画・ショッピング・アプリ・P-MAX・測定)と Google アナリティクス認定資格を保有。
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