Shopify×GA4の「購入のサーバー送信」を日本のストアで確かめた:参照元はどうなる?

Google & YouTube アプリに順に入っている「購入のサーバー送信」の仕様と、当社が支援する国内ストアでの検証結果、自分のGA4での確かめ方、取れる対処をまとめました。
2026年、ShopifyのGoogle & YouTube アプリに、購入をShopifyのサーバーからGA4へ送る機能が入りました。ブラウザのタグで取りこぼしていた購入がGA4に入るようになる、計測をしている人にとっては大きな変更です。では、サーバーから入った購入には、どの広告や検索から来たかという参照元がちゃんと付くのか。当社が支援しているストアで調べました。
この記事は、Shopifyでストアを運営していて、GA4で広告や流入の成果を見ている人に向けたものです。この仕組みの仕様、当社が支援する国内ストアで確かめた結果、自分のGA4での確かめ方、取れる対処をまとめます。仕様は2026年10月時点のGoogleの公式ヘルプに沿っています。検証は2026年10月に行ったもので、件数がまだ少ないため、件数や金額は載せていません。
先に結論を書くと、購入はGA4に入るようになりましたが、参照元の無い Unassigned として入っていました。Unassigned の意味や、ほかに Unassigned が増える原因は、GA4のUnassignedの記事にまとめています。
Google & YouTube アプリの「購入のサーバー送信」とは
Shopifyでは2026年7月から、Google & YouTube アプリでGA4を入れているストアに、購入をShopifyのサーバーからGA4へ送る仕組みが入っています。開始時期は、Googleが2026年6月にGA4の利用者へ送ったメールで告知されたと報じられています(Googleのヘルプには開始日の記載はありません)。当社が確かめたストアで有効になったのは10月中旬でした。Googleは順番や時期を公表していませんが、ストアやプロパティごとに順に有効になっているとみられます。Googleのヘルプで公開されている仕様は、次のとおりです。
| 項目 | Googleのヘルプの説明 |
|---|---|
| 対象のストア | Google & YouTube アプリでGA4のタグの設定を済ませているストア。自動で有効になる |
| 送られるイベント | Shopifyの「Checkout complete」だけ。GA4では purchase として入る |
| 送り方 | ブラウザを通さず、Shopifyのサーバーから送る |
| ブラウザのタグとの関係 | ブラウザとShopifyのサーバーの両方から届いた購入は、重複しないように扱われる |
| 止め方 | アプリの設定でGA4のプロパティの接続を外す。外すと、タグとサーバーの両方で購入の計測が止まる。Googleは外すことをおすすめしないとしている |
広告ブロッカーや、外部の決済画面から戻らないお客様の購入は、ブラウザのタグでは記録されません。サーバーから送れば、こうした購入もGA4に入ります。購入の件数と売上がShopifyの注文に近づくのは、この仕組みの良いところです。
ヘルプは、この仕組みでアトリビューション(どの流入に成果を割り振るか)も改善するとしています。ただ、サーバーから送った購入がどの訪問に結びつくのか、参照元をどう扱うのかは書かれていません。そこで、当社が支援しているストアで確かめました。
当社のストアで確かめたこと
検証したのは、当社が広告と計測を支援しているShopifyのストア1つです。GA4はGoogle & YouTube アプリで入れていて、もともとGA4に入らない購入があったため、当社の仕組みでサーバーから補っていました。分かったことは4つです。
1. 注釈の日から、サーバーからの購入が入り始めた
ある日から、GA4のレポートのグラフに「新しい Shopify 統合」という注釈が付き、画面の上に「アカウントで新しい Shopify 統合が有効になったため、プロパティにさらに多くのイベントが取り込まれるようになりました。」と出るようになりました。
その日を境に、当社の補完の仕組みが送る注文が無くなりました。この仕組みは、GA4の処理が終わるのを待つため、注文から26時間たってもGA4に無い注文だけを送るものです。送るものが無くなったのは、それまでGA4に入らなかった購入が、Shopifyのサーバーから入るようになったためと見ています。当社の仕組みは元の訪問のIDを付けて送っていて、注釈の日以降は1件も送っていないので、このあと書く Unassigned の購入は当社が送ったものではありません。
2. その購入は、どれも Unassigned に入っていた
注釈の日以降、チャネル別の売上では Unassigned の割合がはっきり増えました。その中身をランディング ページのレポートで見ると、ランディング ページが (not set) の行の収益は、すべて Unassigned に付いていました。
3. 購入のイベントだけがあり、ほかに何も無い
その Unassigned のセッションには、ページの閲覧が無く(ランディング ページが (not set))、エンゲージメント時間(ページを見ていた時間)の平均は0秒で、参照元も付いていませんでした。お客様がどのページから入り、どの広告や検索から来たのかは、何も残っていません。届いているのは、purchase のイベントが起きたという事実だけです。
4. 外部の決済サービスの注文で、注文側には広告の情報が残っていた
Unassigned になった購入をShopifyの注文と突き合わせると、どれもコンビニ決済、PayPay、PayPalのように、外部の決済画面で支払う方法の注文でした。お客様が支払いのあとストアに戻らず、ブラウザのタグが動かなかった購入です。クレジットカードなどでストアの中で支払いが終わった注文は、これまでどおり広告や検索のチャネルが付いていました。
注文の側を見ると、Unassigned になった注文の中には、Meta広告のUTMやクリックID(fbclid)付きで来ていたものや、Googleの検索から来ていたものがありました。広告から来た購入が、GA4では広告の成果として見えていないことになります。
なお、GA4での購入の時刻は、どれも注文の時刻と同じ時間帯でした。Shopifyは、注文の時刻をイベントの時刻として送っていると見ています。
ここまでが確かめた事実です。サーバーから送られた購入が、ブラウザで記録された元の訪問と結びついていない、というのが当社の見立てです。Googleのヘルプにも、サーバーから送られた購入を見分ける印の説明は無いので、この見分け方は当社の経験からのものです。まだ1つのストアで、注釈から10日ほどの結果なので、件数が増えたら改めて確かめます。
売上の合計は合うようになったが、内訳は分からない
これまでGA4に入らなかった購入が入るようになったこと自体は、改善です。変わったのは、チャネル別の見え方です。サーバーから入った購入で、GA4の売上の合計はShopifyに近づきます。ただ、GA4で見たいのは多くの場合、合計ではなく「どの広告や流入が売上につながったか」です。参照元の無い購入が増えると、次のことが起きます。
- チャネル別、参照元 / メディア別の表で、Unassigned の売上だけが膨らむ
- 広告の行の売上はそのぶん増えないので、広告の成果は小さく見えたまま残る
- 連携が入った日を境に、Unassigned の売上とコンバージョン率だけが急に上がる。それまで自前で購入を補っていたストアでは、逆に広告などの行の売上が減ったように見える
- purchase だけのセッションが増えるので、Unassigned のセッション数やユーザー数も増える
売上の合計が合っても、その内訳が分からなければ、予算の配分や広告の判断には使いにくくなります。チャネル別の判断には、Unassigned を除いて読む必要があります。連携が入る前は「GA4に購入が入らない」問題だったものが、「入るが、どこから来たか分からない」問題に変わった、と言えます。
自分のGA4で確かめる手順
同じことが自分のストアで起きているかは、GA4の標準のレポートで確かめられます。
- 「レポート」の「トラフィック獲得」を開き、期間を2026年7月1日から今日までにします。グラフの下に出るアイコンを押すと注釈の名前が出るので、「新しい Shopify 統合」があるかを見て、日付を控えます
- 期間を注釈の日の前と後で同じ日数ずつに分け、表の「セッションのメインのチャネル グループ(デフォルト チャネル グループ)」で、Unassigned の「合計収益」を全体の合計収益で割った割合を比べます
- 「ランディング ページ」のレポートを開きます(左のメニューの「エンゲージメント」の下か、「見込み顧客の発掘」の下にあります)。画面上の「比較を追加」から、ディメンションに「セッションのメインのチャネル グループ(デフォルト チャネル グループ)」、マッチタイプに「完全一致」、値に Unassigned を選んで適用します
- 表の検索に not set と入れ、(not set) の行の収益が Unassigned の側に付いているか、エンゲージメント時間が0秒に近いかを見ます
(not set) の行に収益があり、それが Unassigned に付いていれば、ページの閲覧の無い購入が Unassigned に入っています。注釈の日を境に増えていれば、サーバーからの購入の可能性が高いです。ただし、30分以上操作が無くセッションが切れたあとの購入や、外部の決済画面から戻ったあとの購入でも、ページの閲覧の無いセッションはできます。注釈より前から同じ形の行があった場合は、GA4の(not set)の記事の探索の手順で、イベント名を並べて原因を見分けてください。
取れる対処
取れる対処は、分析で何を見たいかで変わります。迷ったら、まずは1つ目の「そのまま受け入れ、参照元は注文側で見る」から始めてください。2つ目は、GA4のチャネル別の数字で広告の予算を決めていて、タグの入れ替えを任せられる人がいる場合の選択肢です。
| 対処 | 向いている場合 | 気をつけること |
|---|---|---|
| そのまま受け入れ、参照元は注文側で見る | GA4では売上の合計が合えばよい。流入の分析は別の画面でもよい | GA4のチャネル別の売上は、Unassigned を除いて読む |
| Google & YouTube アプリのGA4の接続を外し、タグを別の方法で入れ直したうえで、抜けた購入を参照元つきで補う | GA4のチャネル別・参照元別の売上で、広告の判断をしたい | 接続を外すと、アプリのタグとサーバーの両方で購入の計測が止まる。先にタグを入れ直す |
| 何もしない | GA4を売上の確認に使っていない。売上はShopifyでしか見ない | 連携が入った日をまたいで、GA4の数字を比べない |
そのまま受け入れ、参照元は注文側で見る
Shopifyの管理画面で注文を開くと、注文の詳細に「コンバージョンサマリー」があり、注文ごとに最初のセッションの発生元が見られます。GA4で Unassigned になった購入も、注文の側では参照元が分かることがあります。ただし、Shopifyのヘルプによると、Cookieがブロックされた注文や下書き注文ではサマリーが空になり、表示されるまで最大48時間かかることがあります。表示されるのは最初のセッションの発生元なので、GA4の購入のセッションの参照元とは基準が違う点にも気をつけてください。手間はかかりますが、高額の注文や広告からの注文だけでも突き合わせると、Unassigned の中身の見当がつきます。注文ごとに参照元を見る手順は、GA4のAI Assistantの記事の「注文ごとに見る」で説明しています。
タグを別の方法に移し、参照元つきで補う
GA4のチャネル別の売上で広告を判断したいなら、購入が元の訪問と結びついた形で入っている必要があります。Google & YouTube アプリの接続が有効なままだと、参照元の無い購入がサーバーから先に入ります。GA4は同じ取引IDの購入を重複として除くので、あとから同じ注文を参照元つきで送っても、先に入った購入は置き換わりません。取引IDの付け方やユーザーが違って重複と判定されなければ、二重に数えることになります。二重計上の確かめ方はGA4の購入の重複の記事にまとめています。
そのため、この方法はアプリのGA4の接続を外すことが前提です。手順は次の順番になります。
- GoogleタグマネージャーやカスタムピクセルでGA4のタグを入れ、購入までのイベントが届くことを確かめる
- Google & YouTube アプリの設定で、GA4のプロパティの接続を外す
- ブラウザのタグで記録されなかった購入を、元の訪問のクライアントIDとセッションID(GA4が訪問者と訪問を見分ける番号)を付けてサーバーから補う
3の方法は、Measurement Protocolの記事で説明しています。カスタムピクセルでのGA4の入れ方はカスタムピクセルの記事にまとめています。
当社のShopifyアプリ「GapFill」は、3を行うアプリです。当社の製品なので、その前提で読んでください。GapFillは、チェックアウトのときにピクセルで控えたクライアントIDとセッションIDを付けて、GA4に無い購入だけを送ります。そのため、送った購入は原則として元の訪問と同じセッションに入り、参照元とメディアが付きます。Google & YouTube アプリの接続が有効なストアでは、サーバーから入った購入はGA4に「ある」と判定されるので、GapFillは送りません。
ULTROのShopifyアプリGapFill|GA4で漏れた購入データを、サーバーサイドで補完既存のタグ設定はそのまま。計測漏れレポートは無料です。GapFillを見る →まとめ
- GA4の Unassigned は、チャネルのどのルールにも当てはまらなかったセッションの入り先。参照元の届いていないセッションが入る
- 2026年7月から、Google & YouTube アプリでGA4を入れたShopifyのストアに、購入をサーバーからGA4へ送る仕組みが順に入っている
- 当社が支援するストアでは、「新しい Shopify 統合」の注釈の日から、ページの閲覧も参照元も無い purchase だけのセッションに購入が入り、Unassigned になっていた
- 売上の合計はShopifyに近づくが、どの広告や流入から来た購入かは分からない
- 対処は、注文側で参照元を見るか、タグを別の方法に移して参照元つきで補うか。GA4で何を判断したいかで選ぶ。Googleは接続を外すことをおすすめしていないので、外すならタグを入れ直してから
参考にした情報
- Google & YouTube App on Shopify in Google Analytics(Google Analytics Help)
- [GA4] Default channel group(Google Analytics Help)
- レポートに表示される「(not set)」という値の意味(アナリティクス ヘルプ)
- トラフィック ソース ディメンションのスコープ(アナリティクス ヘルプ)
- [GA4] Measure ecommerce(Google Analytics Help)
- コンバージョンサマリー(Shopify ヘルプセンター)
- Google silently routes Shopify purchases into GA4 - attribution gaps remain(PPC Land)
- Shopify GA4 tracking gains 4 events August 17, only purchase is server-side(PPC Land)
よくある質問
GA4でUnassignedが急に増えた原因は?
ShopifyでGoogle & YouTube アプリを使っているなら、2026年に始まった購入のサーバー送信が原因の候補です。レポートのグラフに「新しい Shopify 統合」の注釈があり、その日からUnassignedの売上が増えていれば当てはまります。ほかに、utm_medium に独自の値を付けたリンクを使い始めた場合や、サーバーから参照元の無いイベントを送り始めた場合にも増えます。
GA4のUnassignedとは何ですか?
デフォルト チャネル グループのどのルールにも当てはまらなかったセッションの入り先です。セッションの参照元 / メディアが届いていない((not set) の)セッションや、utm_medium に独自の値を入れたセッションが入ります。値が届いていないことを表す (not set) とは別のもので、Unassigned はチャネルの判定の結果です。
ShopifyからGA4に購入がサーバーで送られるのは、どのストアですか?
Googleのヘルプでは、Google & YouTube アプリでGA4のタグの設定を済ませているストアで、自動で有効になると書かれています。送られるのはShopifyの「Checkout complete」(チェックアウトの完了)で、GA4では purchase として入ります。ブラウザのタグから入った購入とは重複しないように扱われます。2026年8月にアプリが追加した view_cart などのイベントはブラウザから送られ、サーバーから送られるのは購入だけです。
自分のGA4にこの連携が入ったかは、どこで分かりますか?
レポートのグラフに「新しい Shopify 統合」という注釈が付き、画面の上に「アカウントで新しい Shopify 統合が有効になったため、プロパティにさらに多くのイベントが取り込まれるようになりました。」と出ます。注釈の日付が、サーバーからの送信が始まった日の目安です。
Unassignedに入った購入の参照元は、あとから分かりますか?
GA4の中では分かりません。ページの閲覧や参照元の情報が無いまま購入だけが届いているためです。Shopifyの注文の詳細にある「コンバージョンサマリー」では、注文ごとに最初のセッションの発生元を確かめられます。ただし、Cookieがブロックされた注文では空になることがあり、表示されるのは最初のセッションの発生元なので、GA4の購入のセッションの参照元とは基準が違います。
Google & YouTube アプリのGA4の接続を外せば、Unassignedは減りますか?
サーバーからの購入の送信は止まります。ただし、Googleのヘルプによると、接続を外すとアプリのタグとサーバーの両方で購入の計測が止まります。外す前に、GoogleタグマネージャーやカスタムピクセルなどでGA4のタグを入れ直しておかないと、購入がGA4に入らなくなります。Googleは、接続を外すことをおすすめしないとしています。
Unassignedの売上は、除外して見てもいいですか?
チャネル別の比較をするときは、除外して読むほうが判断を誤りにくいです。ただし、除外すると売上の合計はShopifyより少なくなります。合計を見るときは含め、内訳を見るときは除く、と使い分けます。連携が入った日をまたいで比べるときは、Unassigned を除いた数字どうしで比べます。
- 2026年7月から、Google & YouTube アプリでGA4を入れたShopifyのストアに、購入をサーバーからGA4へ送る仕組みが入っている。送られるのは購入(Checkout complete)だけ
- 当社が支援するストアでは、「新しい Shopify 統合」の注釈の日から、ページの閲覧も参照元も無い purchase だけのセッションに購入が入り、Unassigned に分類されていた
- Unassigned になったのは外部の決済サービスで払われた注文で、注文側には広告のUTMが残っているものもあった。GA4での時刻は注文の時刻と同じ時間帯だった
- 確かめ方:注釈の日付の前後でUnassignedの売上を比べ、ランディング ページのレポートで (not set) の行の収益がUnassignedに付いているかを見る
- 対処は3つ。そのまま受け入れて注文側で参照元を見る、タグを別の方法に移して参照元つきで補う、Shopifyでしか売上を見ないなら何もしない。GA4で何を判断したいかで選ぶ
この記事を書いた人永田 龍史
株式会社ULTRO 代表取締役Shopify Partner。Shopifyストアの構築・保守・広告運用・CRMを一気通貫で担当。個人として運用した広告費は累計40億円超。計測設計から逆算して、利益が伸びる仕組みを作っています。Google 広告の認定資格(検索・ディスプレイ・動画・ショッピング・アプリ・P-MAX・測定)と Google アナリティクス認定資格を保有。
経歴と執筆記事112本を見る → Xでフォローする @Ryushi_ULTRO →GA4の購入、どれだけ計測漏れしていますか?
Shopifyの注文とGA4の購入を照合して、漏れた購入データをサーバーサイドで補完するアプリ「GapFill」を作りました。既存のタグ設定はそのままで、計測漏れレポートは無料です。原因と確かめ方はこちらの記事にまとめています。
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