計測・分析 公開 更新

GA4の(not set)とは?原因と直し方、Unassigned・directとの違い

GA4の(not set)の意味、Unassigned・directとの違い、ディメンション別の原因、Shopifyで出やすい5つのケース、直し方と探索での確かめ方まで。

この記事で分かることGA4の(not set)は、そのディメンションの値がGA4に届いていないことを表す表示です。原因はディメンションごとに決まっていて、セッションの参照元 / メディアならそのセッションに session_start が無いとき、ランディング ページなら page_view が無いとき、イベント スコープの参照元ならキーイベント以外のイベント、Google 広告のディメンションならリンクや自動タグ設定の不備です。タグの順番や同意モードの設定が原因なら直せますが、サーバーから送った訪問の無い購入のように、仕組み上 (not set) になるものもあります。直せないものは、見る画面を使い分けて扱います。

GA4のトラフィック獲得(レポートの左のメニューの「見込み顧客の発掘」>「トラフィック獲得」。プロパティによっては「ライフサイクル」>「集客」の下)を開くと、セッションの参照元 / メディアの上位に (not set) の行がある。ランディング ページのレポートにも (not set) が出ていて、しかもそこに購入による収益が付いている。Shopifyのストアの計測を見ていると、よくある状態です。

(not set) は、どれも同じ理由で出るわけではありません。タグを直せば消えるもの、仕様なので消えないもの、サーバーから購入を送ったことで生まれるものが混ざっています。先に、何をすればよいかをまとめます。

  • (not set) の割合が小さく、増えてもいないなら、急いで直す必要はありません
  • ある日から急に増えたなら、その日のテーマ、アプリ、タグ、同意バナーの変更を疑います
  • どのディメンションで出ているかで原因が違うので、下の表で当てはまる行を探します

内容は2026年10月時点のGoogleのヘルプに沿っています。

GA4の(not set)とは

GA4の (not set) は、そのディメンション(レポートの行の見出しになる項目。参照元、ページ、国など)の値がGA4に届いていないときに表示される仮の値で、原因はディメンションごとに違います。Googleのヘルプは、対処によって減らせる場合があると説明しています。ディメンションと指標の基本はGA4の使い方の記事で説明しています。

ULTRO NOTES|計測・分析GA4の使い方|ECで最初に見るレポートと、設定を直す順番GA4の使い方を、ECサイトで先に押さえる主要な指標8つ、最初に見るレポート4つと、最初に直しておく設定に絞ってまとめます。売上の概要、トラフィック獲得、e コマース購入数、ランディング ページの見方、ユーザー獲得との違い、データの保持・内部トラフィック・キーイベント・サービス間のリンクの設定、Shopifyとのつなぎ方まで。

似た表示がいくつかあり、意味がそれぞれ違います。

表示意味主な場面
(not set)ディメンションの値が届いていない参照元、ランディング ページ、キャンペーン、カスタム ディメンションなど
(data not available)そのデータが使えない状態(not set) とは別の値。Googleのヘルプは、(not set) と違って対処できないものとしている
(other)行の種類が多すぎて、まとめられた行値の種類が多いディメンション
(direct) / (none)参照元を伝える情報の無い訪問セッションや最初のユーザーの参照元 / メディア
Unassignedチャネルのどのルールにも当てはまらないデフォルト チャネル グループ

(not set)とUnassigned・directの違い

Unassigned はチャネルの判定の結果、(direct) / (none) は参照元の情報が無い訪問、(not set) は値そのものが届いていない状態で、それぞれ別のものです。

セッションの参照元 / メディアの値によって、デフォルト チャネル グループのどこに入るかを示した図。session_start が記録されず参照元 / メディアが (not set) のセッションは、どのチャネルのルールにも当てはまらず Unassigned に入る。utm_medium に newsletter のような独自の値を入れた場合も、値はあるのに Unassigned に入る。参照元が (direct) でメディアが (none) か (not set) の訪問(ブックマーク、URLの直接入力など)は Direct に入る。トラフィック獲得の Direct は過去の参照元も見つからなかった訪問で、前回広告から来て今回ブックマークから来た人のセッションは、前回の広告になる
参照元 / メディアの値と、チャネルの入り先の関係(2026年10月時点。Googleのアナリティクス ヘルプをもとに株式会社ULTROが作成。画像を押すと拡大できます)

表にすると、次のとおりです。

表示どこで出るか意味主な原因
(not set)参照元 / メディアなどのディメンション値が届いていないsession_start が無いセッション、キーイベント以外のイベント
Unassignedデフォルト チャネル グループどのチャネルのルールにも当てはまらない参照元が (not set) のセッション、utm_medium に独自の値を入れた
Directデフォルト チャネル グループ参照元が (direct) で、メディアが (none) か (not set)ブックマーク、URLの直接入力、参照元を伝えないリンク

Googleのヘルプでは、Direct は「保存したリンクやURLの入力で訪れたチャネル」で、参照元が (direct) かつメディアが (none) か (not set) のものと定義されています。Unassigned は「ほかのどのチャネルのルールにも当てはまらないときの値」です。参照元 / メディアが (not set) のセッションは、どのルールにも当てはまらないので Unassigned に入ります。utm_medium に newsletter のような独自の値を入れた場合は、値はあるのに Unassigned に入ります。値の決め方はUTMパラメータの記事で扱っています。トラフィック獲得の表は、左上のディメンションを「セッションの参照元 / メディア」に切り替えると、(not set) の行を確かめられます。(not set) の行には注意の三角マークが付きます。

ULTRO NOTES|計測・分析UTMパラメータの付け方|生成ツールとGA4での確認方法、命名ルール表UTMパラメータは utm_source・utm_medium・utm_campaign の3つを小文字で付けます。パラメータ付きURLの生成ツール、ECで使える命名ルール表、GA4で値を確認する方法、自動タグ設定との優先順位までまとめます。
GA4のトラフィック獲得レポートを、セッションの参照元 / メディアに切り替えた表。参照元はあるがメディアが (not set) の product_page / (not set) の行と、参照元 / メディアがまるごと (not set) の行がある。数値は塗りつぶしている
①参照元はあるがメディアが (not set) の行(utm_medium が付いていないリンクからの訪問) ②参照元 / メディアがまるごと (not set) の行。数字は伏せている(2026年10月時点の画面。画像を押すと拡大できます)

注意したいのは、トラフィック獲得の Direct が、そのユーザーに過去の参照元も見つからなかった訪問だという点です。GA4のヘルプは、直接の訪問で始まったセッションは、そのユーザーのUTMの値に関連付けられると説明しています(セッションとユーザーのスコープのディメンションには「有料・オーガニック チャネルのラストクリック」のモデルが使われます)。前回は広告から来て、今回はブックマークから来た人のセッションは、セッションの参照元 / メディアでは前回の広告になります。どの流入にどこまで成果を付けるかのルールは、アトリビューションの記事で説明しています。

ULTRO NOTES|計測・分析アトリビューションとは?GA4・広告・Shopifyで数字が合わない理由アトリビューションは、購入までに触れた広告やチャネルのうち、どれの成果とするかを決めるルールです。GA4・Google 広告・Meta広告・Shopifyで既定のルールがどう違うか、同じ購入が別々に数えられる仕組み、ECでどの数字を何に使うかをまとめます。

(not set)が出る原因をディメンション別に整理

(not set) は、セッションの参照元なら session_start(セッションの始まりを表す、GA4が自動で送るイベント)、ランディング ページなら page_view(ページの表示)というように、その値を運ぶイベントが欠けたときに出ます。どのイベントが値を運ぶかは、ディメンションのスコープ(ユーザー・セッション・イベントのどの単位に結びつく値か)で決まります。Googleのヘルプ「レポートに表示される「(not set)」という値の意味」に載っているものを中心に、まずよく見る4つを並べます。

ディメンションスコープ(not set) になるとき直せるか
セッションの参照元 / メディア、セッションのキャンペーンなどセッションそのセッションに session_start が記録されていない。チャネルは Unassigned になるタグの順番や同意モードが原因なら直せる
ランディング ページセッションそのセッションに page_view が記録されていないセッションのタイムアウトを延ばすと減る場合がある
Google 広告のディメンション(キャンペーン名など)セッションなどGoogle 広告とGA4がリンクされていない、自動タグ設定が無効、リンクしていない広告アカウントからの流入直せる
参照元 / メディア(頭に何も付かない、イベント スコープ)イベントキーイベント(購入など、成果として登録したイベント)以外のイベント仕様。直すものではない

次は、設定や使い方によっては出るものです。

ディメンション(not set) になるとき直せるか
セッションの参照元 / メディア(URLに srsltid が付いた訪問)Merchant Center の自動タグ設定で付く srsltid があり、参照元が google.com でないなど。こうしたセッションはオーガニックに分類されないGoogleのヘルプは、Google の自然検索の結果では正常な動きとしている
手動のキャンペーン名など(UTM由来)URLのパラメータが欠けている、間違っている直せる
コンテンツ グループsession_start などの自動で集めるイベントと組み合わせたとき、値が空のとき組み合わせを変える
カスタム ディメンション登録してから24時間以内。session_start や first_visit で、最初のイベントに値が無いとき時間をおく、送り方を直す
同意モードの影響default と update の使い分けを誤り、session_start が失われる直せる

Unassigned が多く、ランディング ページのURLに srsltid が付いているなら、Merchant Center の自動タグ設定による (not set) です。Googleのヘルプはこれを正常な動きとしているので、オーガニックが少なく見える分を差し引いて読みます。Merchant Center 側の設定はMerchant Centerの記事で扱っています。

ULTRO NOTES|広告運用Googleマーチャントセンターとは?登録方法とShopify連携Googleマーチャントセンターは、Google検索やショッピングタブに商品を無料で出せるツールです。できること、費用、登録方法、Google広告とのリンク、Shopifyとの連携手順、不承認・停止の直し方をまとめました。

ページ タイトルと国・地域は、Googleのヘルプの (not set) の一覧には載っていません。ページ タイトルはイベント スコープの値で、ページの表示から送られたイベントに付きます。サーバーから送ったイベントのように、ページと関係なく届いたイベントには付かないので、(not set) になると当社は見ています。国・地域について、Measurement Protocol のリファレンスは、地域の情報を付けずに送ったイベントは、同じIDのタグのイベントから地域を判定すると説明しています。タグのイベントが無いIDで送ると判定の材料が無いので、(not set) になりうると考えています。

GA4のデータの処理には24〜48時間かかることがあり、その間はレポートの値が変わるとGoogleは説明しています。当日や前日の (not set) は、処理が終わってから判断します。スコープの考え方と、ディメンション名の頭(「セッションの」「最初のユーザーの」)でスコープを見分ける方法は、GA4のスコープの記事で説明しています。

ULTRO NOTES|計測・分析GA4のスコープとは|ユーザー・セッション・イベント・アイテムの違いと、数字がずれる組み合わせGA4のスコープは、データを「人」「訪問」「操作」「商品」のどの単位に結びつけて数えるかの区分です。4つのスコープの違い、名前での見分け方、流入元のディメンションが3種類ある理由、ECで数字がずれる組み合わせ、(not set)が出るとき、カスタム ディメンションのスコープまで。

GA4でdirectが多いときの原因

GA4で direct が多いのは、参照元を伝える情報の無い訪問が多いか、過去の参照元を引き継げない訪問が多いかのどちらかです。

原因何が起きるか確かめ方・直し方
UTMを付けていないリンクメール、LINE、QRコード、PDF、アプリからのリンクは参照元が渡らないことが多い自社で配るリンクには必ずUTMを付ける
アプリ内のブラウザSNSやメッセージのアプリの中で開いたページは、参照元が渡らないことがあるSNSに載せるリンクにもUTMを付ける
リダイレクト、短縮URL途中でパラメータが落ちる広告のリンク先を実際に開き、最後のURLにUTMが残っているかを見る
Cookieが消える前回の参照元を引き継げず、新しいユーザーの Direct になるブラウザ別に Direct の割合を見る
端末やブラウザが変わるスマホで広告を見て、PCでURLを入れて買うと、別の人の Direct になるログインIDをGA4に送っていれば、つながる場合がある
外部決済からの戻りDirect ではなく、決済サービスの referral に成果が付くことが多い除外する参照のリストに決済サービスのドメインを入れる

Cookieが消える原因として、『ネット広告運用“打ち手”大全 第2版』は、SafariのITP(ブラウザの追跡防止機能)がスクリプトで設定したCookieを7日に制限することを挙げ、Safariの利用者が多い日本ではその影響が大きいとしています。ブラウザ別に見て、Safariで Direct の割合が目立って高いなら、この影響を疑います。ULTROとしては、この部分はタグの設定で直すものではなく、Direct の一部は「戻ってきた既存の顧客」だと読み替えて見るものだと考えています。

外部決済から戻った人の購入が決済サービスの成果になる問題と、除外する参照のリストの設定は、UTMパラメータの記事の「決済やフォームを外部ドメインに預けているとき」が詳しいです。

Shopifyで(not set)が出やすい5つのケース

Shopifyでの (not set) は、タグの順番、セッション切れ後の購入、外部決済からの戻り、サーバーから送った購入、同意モードの設定の5つで多く起きます。

1. session_startより前にイベントが送られる

GTMを使わず、Google & YouTubeアプリだけでGA4を入れているなら、このケースは下の「二重の設置」だけ確かめれば十分です。

イベントのタグが、Googleタグ(旧:GA4設定タグ)より先に動くと、そのイベントは session_start の無い状態で届き、セッションの参照元 / メディアが (not set) になります。Googleのヘルプも、設定タグのトリガーが「初期化」になっていないことを原因に挙げています。GTMを使っているなら、Googleタグのトリガーを「Initialization - All Pages」(初期化)にします。

Shopifyで、テーマに直接書いたタグとGoogle & YouTubeアプリの両方が動いている、カスタムピクセルとアプリの両方からGA4に送っている、といった二重の設置も、タグの順番が崩れる原因になります。まず、GA4に送っている経路が1つかを確かめます。二重の設置は購入の二重計上も起こすので、GA4で購入が二重計測される原因の記事もあわせて確かめてください。連携の経路ごとの違いはShopifyとGA4の連携方法で比べています。

ULTRO NOTES|計測・分析GA4で購入が二重計測(重複)される原因と確かめ方|Shopifyのアプリ・GTM併用GA4の購入がShopifyより多いのは、同じ注文が2つ以上の経路から送られているためです。トランザクションIDごとの購入数を探索で出す確かめ方、アプリとGTMの重なり、重複除外の仕様、直し方を説明します。ULTRO NOTES|計測・分析ShopifyとGA4の連携方法|Google & YouTubeアプリの設定と、計測の限界ShopifyとGA4はGoogle & YouTubeアプリで接続するのが基本です。接続手順、自動で送られるイベント、連携後に確かめる7項目、Shopifyと数字が合わない理由、GTMで入れる場合の注意、よくあるトラブルまで説明します。

カスタムピクセルでGA4を動かす場合は、もう1つ注意があります。Shopifyのヘルプは、サンドボックス(ストアのページと切り離された場所)の中でGA4を動かすと、ページのURLにサンドボックスの情報が含まれると説明しています。ランディング ページに見慣れない長いURLが並ぶときは、これが原因のことが多いです。ヘルプでは、GA4の自動のページ計測を止め、page_viewed のイベントで実際のページのURLを送る方法が紹介されています。仕組みはShopifyのカスタムピクセルの記事を参照してください。

ULTRO NOTES|計測・分析Shopifyのカスタムピクセルとは?顧客イベントでの設定方法とGA4・GTMの注意点Shopifyのカスタムピクセルは、[設定]>[顧客イベント]で計測タグを入れる仕組みです。追加の手順、GA4のイベント対応表、GTMを入れるときの注意(プレビュー・page_location・二重計上)、同意の設定まで解説します。

2. セッションが切れたあとの操作と購入

30分以上操作が無いと、GA4のセッションは切れます。そのあとの操作は新しいセッションに入り、そのセッションに page_view が無ければランディング ページは (not set) になります。開いたままのタブに戻ってページを読み込まずにスクロールやクリックをした場合がこれにあたり、チェックアウトに限らず日常的に起きると当社は見ています。

チェックアウトで起きると、購入が新しいセッションに入り、参照元も最初の訪問のものとは別になります。購入者が支払い方法を探して時間がかかった、コンビニ決済の番号を控えていた、外部の決済サービスで認証に手間取った、といった場面です。

タイムアウトの時間は、「管理」の「データの収集と修正」→「データ ストリーム」→ ウェブ ストリーム →「タグ設定を行う」→ 一覧の下の「もっと見る」→「セッションのタイムアウトを調整する」で変えられます。既定は30分、最大は7時間55分です。延ばすとセッションの数が減り、エンゲージメント率や購入率のようなセッション単位の比率も変わるので、変えた日を記録し、前後の数字をそのまま比べないようにします。セッションが切れる条件はGA4のセッションとユーザー数の記事が詳しいです。

ULTRO NOTES|計測・分析GA4のセッションとユーザー数|合計が合わない理由と切れる条件GA4のセッションは操作のない時間が30分を超えると切れます。日別の和や表の行の和が合計と合わないのは、重複を除いて数えることとHyperLogLog++による推定、しきい値のためです。4つのユーザー数の違いと、月曜始まりの週の見方まで。
GA4のGoogle タグの設定の一覧を、もっと見るで全部表示した画面。除外する参照のリストと、セッションのタイムアウトを調整するの項目がある
①「除外する参照のリスト」(外部決済のドメインを入れる場所) ②「セッションのタイムアウトを調整する」(2026年10月時点の画面。画像を押すと拡大できます)
GA4のセッションのタイムアウトを調整する画面。時間が0、分が30の初期値で、下にエンゲージメント セッションの時間調整が10秒で表示されている
①セッションのタイムアウト。初期値は0時間30分(2026年10月時点の画面。画像を押すと拡大できます)

3. 外部決済からの戻り

外部の決済サービスでの支払いのあと、購入完了のページに戻ってきた訪問は、決済サービスのドメインからの参照として新しいセッションになることがあります。除外する参照のリストに入れていないと、購入が決済サービスの referral の成果になります。リストに入れると、GA4はそのドメインからのイベントに ignore_referrer を付け、参照としては数えなくなります。

戻ってこない購入は、そもそもGA4に入りません。こちらは (not set) ではなく計測漏れの問題で、原因と確かめ方はShopifyでGA4の購入が計測漏れする原因と埋め方で説明しています。

ULTRO NOTES|計測・分析ShopifyでGA4の購入が計測漏れする原因と埋め方ShopifyとGA4の購入数・売上が合わない、購入が計測されないときの原因と確かめ方を説明します。注文番号での突き合わせ手順、タグの見直し・サーバーサイドGTM・Measurement Protocolの比較、当社が作ったアプリ「GapFill」での埋め方まで。

4. サーバーから送った購入

サーバーから購入を送るアプリや仕組みを入れていなければ、このケースは当てはまりません。

セッションIDを付けるかどうかで、見え方が分かれます。先に図で示します。

Measurement Protocol でサーバーから送った購入が、GA4でどう扱われるかを示した図。session_start はサーバーから送れない。元の訪問のセッションIDが付いていない購入は、どの訪問のセッションとも結びつかず、セッションの参照元 / メディアは (not set)、チャネルは Unassigned になる。ブラウザのGoogleタグが作ったクライアントIDとセッションIDを控えて購入と一緒に送ると、元の訪問とつながる。AIアシスタントやSNSのアプリの中で完結した購入のように、ストアへの訪問がそもそも無い購入は (not set) のまま残る
サーバーから送った購入の、セッションIDの有無による違い(2026年10月時点。Google for Developers の Measurement Protocol の資料と当社の検証をもとに株式会社ULTROが作成。画像を押すと拡大できます)

Measurement Protocol(サーバーからGA4にイベントを送るGoogleの仕組み)で送った購入は、元の訪問のセッションIDが付いていないと、どの訪問のセッションとも結びつかず、セッションの参照元 / メディアが (not set)、チャネルが Unassigned になります(当社の検証)。session_start は予約されたイベント名で、Measurement Protocol からは送れないためと見ています。元の訪問とつなぐには、ブラウザのGoogleタグが作ったクライアントIDとセッションIDを控えて、一緒に送ります。

Googleのヘルプは、Measurement Protocol で購入を送るときに、新しいキャンペーンのやり取りを表す場合を除いて、UTMにあたる手動のキャンペーンの値を付けないよう求めています。送り方の詳細はMeasurement Protocolとはを、ブラウザのイベントをサーバー経由で送る別の方法はサーバーサイドGTMの記事を参照してください。

ULTRO NOTES|計測・分析GA4のMeasurement Protocolとは?サーバーから送る方法と48・72時間のルールMeasurement Protocolは、サーバーからGA4に直接イベントを送るGoogleの仕組みです。ECでの使いどころ、purchaseと返金の送り方、48時間・72時間などの期限、検証とDebugView、Data Manager APIとの違いまで。ULTRO NOTES|計測・分析サーバーサイドGTMとは?仕組み・費用と、Shopifyで拾えない購入サーバーサイドGTM(sGTM)は、ブラウザのデータを自社サーバーで受けて送り直す仕組みです。Cloud Run・Stapeの費用、ITP対策が効く条件、Shopifyでの注意点、ブラウザでタグが動かなかった購入は拾えないことまで説明します。

当社のShopifyアプリ「GapFill」で購入を送った場合の見え方も書いておきます。当社の製品なので、その前提で読んでください。GapFillは、GA4で漏れた購入データを、サーバーサイドで補完するアプリで、チェックアウトのときにピクセルで控えたクライアントIDとセッションIDを付けて送るので、訪問のある購入は原則として元の訪問と同じセッションに入ります。ただし、ブラウザ側のセッションがすでに (not set) だった場合は、その状態を引き継ぎます。

ULTROのShopifyアプリGapFill|GA4で漏れた購入データを、サーバーサイドで補完既存のタグ設定はそのまま。計測漏れレポートは無料です。GapFillを見る →

(not set) のまま残るのは、AIアシスタントやSNSのアプリの中で完結した購入のように、ストアへの訪問がそもそも無い購入です。設定で選べば注文に残る情報から参照元を付けて送りますが、セッションの参照元 / メディアは (not set)、チャネルは Unassigned になります。当社の検証では、付けた参照元は、送ってから1〜2日たつとイベント スコープの「参照元 / メディア」に出ました。送った購入にはイベントのパラメータ gapfill=1 が付くので、探索で分けて見られます。

5. 同意モードの設定

同意モードの設定を誤ると、session_start が失われて (not set) が出ます。Googleのヘルプが挙げているのは2つです。1つは、同意バナーで選ばれたあとの状態まで default のコマンドで設定し、update を使っていない場合。もう1つは、同意を得たあとに、同意を拒否した状態のイベントを追加で送っている場合で、session_start の無い別のセッションができます。

Shopifyの同意バナーとGA4の同意モードの関係は、Cookie同意バナーの記事で整理しています。

ULTRO NOTES|計測・分析Cookie同意バナーは必要?ECの判断基準とGA4の同意モードCookie同意バナーが必要かどうかは、どの国のお客様に販売しているかで変わります。日本向けの自社ECに関係する法律、同意バナーを出したときにGA4の数字がどう変わるか、同意モードの基本と高度の違い、Shopifyでの設定をまとめます。

(not set)の直し方と、直せない(not set)の扱い

(not set) は、タグの設定が原因のものだけを直し、仕様や訪問の無い購入によるものは、見る画面を変えて付き合う、というのが現実的な分け方です。

(not set) を原因で2つに分け、扱いを示した図。タグの設定などが原因のものは直す。タグの順番はGoogleタグのトリガーを初期化にしてGA4に送る経路を1つにし、同意モードは選ばれたあとの状態を update で送り、Google 広告はリンクして自動タグ設定を有効にし、UTMの欠けや独自の utm_medium は命名ルールを決めて付け直す(これからの分)。セッション切れはタイムアウトを延ばすが、直るのは一部。キーイベント以外のイベント スコープの参照元や、AI・SNSアプリの中や店舗など訪問の無い購入は仕様なので、見る画面を使い分け、流入元ごとの売上はイベント スコープの参照元 / メディアで購入(キーイベント)を見る。直す前のデータは変わらないので、タグを直した日やサーバーから購入を送り始めた日を記録しておく
直せる (not set) と直せない (not set) の扱い(2026年10月時点。Googleのアナリティクス ヘルプをもとに株式会社ULTROが作成。画像を押すと拡大できます)

表にすると、次のとおりです。

原因直し方直せるか
イベントのタグがGoogleタグより先に動くGoogleタグのトリガーを初期化にする。GA4に送る経路を1つにする直せる
同意モードの default と update の誤用選ばれたあとの状態は update で送る直せる
Google 広告とのリンク、自動タグ設定リンクし、自動タグ設定を有効にする直せる
UTMの欠け、独自の utm_medium命名ルールを決めて付け直すこれからの分は直せる
セッションが切れたあとの操作と購入タイムアウトを延ばす一部
キーイベント以外のイベント スコープの参照元直すものではない仕様
訪問の無い購入(AI・SNSアプリの中、店舗など)見る画面を使い分ける仕様

見る画面の使い分けは、次のとおりです。

画面使うディメンション向いている問い(not set) の出方
トラフィック獲得セッションの参照元 / メディアどの流入が訪問を連れてきたか訪問の無い購入は (not set)
ユーザー獲得最初のユーザーの参照元 / メディアどの流入が新しい顧客を連れてきたか最初の訪問の情報が無い人は (not set) など
探索、広告のアトリビューション参照元 / メディア(イベント スコープ)購入(キーイベント)がどの流入の成果かキーイベント以外は (not set)

流入元ごとの売上を見るなら、イベント スコープの参照元 / メディアで、購入(キーイベント)を見るのが合っています。トラフィック獲得の (not set) の行に付いた売上は、「訪問と結びつかない購入」としてまとめて扱い、内訳を探索で確かめます。キーイベントの設定はGA4のキーイベントの記事で。

ULTRO NOTES|計測・分析GA4のキーイベントとは|ECで設定するイベントと、数え方・Google広告との違いGA4のキーイベントは、購入など成果として数えると決めたイベントで、以前の「コンバージョン」です。Google広告のコンバージョンとの違い、ECでキーイベントにするイベント、設定のしかた、カウント方法の違い、Google広告への取り込み、数字が合わない理由、レポートでの見方まで。

直したあとも、直す前のデータは変わりません。タグを直した日や、サーバーから購入を送り始めた日は記録しておきます。『クッキー規制を乗り越える! 新しいデジタルマーケティングの本』は、計測の条件が変わった期間をそのまま比べないことを勧めています。(not set) の割合が変わったのが実際の流入の変化なのか、計測の変化なのかを、あとで見分けるためです。

探索で(not set)の行を掘る手順

(not set) の原因は、(not set) のセッションでどんなイベントが起きているかを見ると見分けられます。

  1. GA4の「探索」で、「空白」から自由形式のレポートを作ります
  2. 「ディメンション」の「+」から「セッションの参照元 / メディア」と「イベント名」の2つにチェックを入れ、右上の「確認」を押します
  3. 「指標」の「+」から「イベント数」と「セッション」にチェックを入れ、「確認」を押します
  4. 「イベント名」を「行」に、「イベント数」を「値」にドラッグします
  5. 「フィルタ」に「セッションの参照元 / メディア」をドラッグし、「完全一致」を選んで (not set) と入力します
  6. 並んだイベント名を見て、下の表で原因の見当をつけます。さらに絞るなら、ディメンションに「日付」「デバイス カテゴリ」を足して行に加えると、増え始めた日や偏りのある端末が分かります
(not set) のセッションで起きているイベント考えられる原因
page_view やスクロールなど、ふつうのイベントが一通りあるsession_start が欠けている。タグの順番、二重の設置、同意モードを疑う
スクロールやクリックだけで page_view が無い開いたままのタブに戻った操作(ランディング ページも (not set))
purchase だけ、または purchase と少しのイベントセッションが切れたあとの購入か、サーバーから送った購入
特定のブラウザや端末に偏っている同意バナーやブラウザの追跡防止の影響
ある日から急に増えたその日のテーマ、アプリ、タグ、同意バナーの変更

サーバーから送った購入を分けて見るには、gapfill のような印のパラメータを、「管理」の「カスタム定義」でイベント スコープのカスタム ディメンションとして登録し、ディメンションに追加します。登録してからレポートに値が出るまで、24〜48時間かかることがあります。登録の手順と注意点はGA4のカスタム ディメンションの記事にまとめています。探索の基本操作は探索レポートの記事で説明しています。

ULTRO NOTES|計測・分析GA4のカスタムディメンションとは?登録方法と反映されない原因GA4のカスタム ディメンションは、自分で送ったイベントパラメータをレポートや探索で使えるように登録する設定です。スコープの違い、カスタム指標との違い、登録手順、上限、反映されない・(not set)になる原因、ECでの例まで。ULTRO NOTES|計測・分析GA4の探索レポートの使い方|ECでよく使う4つの型と経路データ探索GA4の探索レポート(データ探索)の使い方を、ECでよく使う4つの型に絞ってまとめます。標準レポートとの違い、7つの手法、ファネルデータ探索・経路データ探索・セグメントの重複・コホートデータ探索の設定、データ保持期間やサンプリングなど数字が合わないときの確認点まで。

BigQueryにデータをエクスポートしているなら、セッションID(イベントのパラメータ ga_session_id)ごとに、event_name が session_start のイベントがあるかを数えると、session_start の欠けたセッションがどれだけあるかを件数で確かめられます。複数のストアを見比べるときは、探索よりこちらが早いです。

参考にした情報

よくある質問

GA4の(not set)とは何ですか?

そのディメンションの値がGA4に届いていないときに表示される、Googleが用意した仮の値です。何が原因かはディメンションによって違います。たとえばセッションの参照元 / メディアの (not set) は、そのセッションに session_start というイベントが記録されていないことを表します。

GA4のUnassignedとは何ですか?

デフォルト チャネル グループのどのルールにも当てはまらなかったセッションの入り先です。(not set) がディメンションの値の無いことを表すのに対し、Unassigned はチャネルの判定の結果です。参照元 / メディアが (not set) のセッションは Unassigned に入ります。utm_medium に独自の値を入れた場合も、値はあるのに Unassigned に入ります。

GA4で direct が多いのはなぜですか?

参照元を伝える情報が無い訪問が多いためです。UTMパラメータを付けていないメールやLINE、QRコードのリンク、参照元を渡さないアプリからの訪問、リダイレクトでUTMが消える場合などが当てはまります。トラフィック獲得の Direct は、そのユーザーに過去の参照元も見つからなかった訪問なので、Cookieが消えて新しいユーザーとして数えられた場合も増えます。

(not set)を除外して見る方法は?

標準のレポートではフィルタで、探索ではフィルタの「完全一致しない」で外せます。ただし、原因を確かめてからにしてください。タグの順番の問題などで生まれた (not set) は、除外すると計測の不具合を見落とします。キーイベント以外のイベント スコープの参照元や、訪問の無い購入の (not set) は仕様なので、外して見てかまいません。

ランディング ページが(not set)になるのはなぜですか?

そのセッションに page_view が記録されていないためです。開いたままのタブに30分以上たって戻り、ページを読み込まずに操作した場合や、購入の途中でセッションが切れ、購入のイベントだけで新しいセッションができた場合に起きます。

設定を直したのに(not set)が減りません。

直す前のデータは、あとから直りません。比べるのは、直した日の翌日以降のデータです。また、GA4のデータの処理には24〜48時間かかることがあり、その間はレポートの値が変わります。直した直後の当日や前日の数字で判断しないでください。

まとめ
  • (not set) は値が届いていないことを表す。原因はディメンションごとに決まっている
  • セッションの参照元 / メディアは session_start が無いとき、ランディング ページは page_view が無いとき、イベント スコープの参照元はキーイベント以外で (not set) になる
  • Unassigned はチャネルのルールに当てはまらない入り先、Direct は過去の参照元も見つからない訪問。(not set) とは別のもの
  • Shopifyでは、タグの順番、セッション切れ後の購入、外部決済の戻り、サーバーから送った購入、同意モードで出やすい
  • 直せない (not set) は、トラフィック獲得・ユーザー獲得・イベント スコープの参照元を使い分けて扱い、探索でイベント名を並べて原因を見分ける

この記事を書いた人永田 龍史

株式会社ULTRO 代表取締役

Shopify Partner。Shopifyストアの構築・保守・広告運用・CRMを一気通貫で担当。個人として運用した広告費は累計40億円超。計測設計から逆算して、利益が伸びる仕組みを作っています。Google 広告の認定資格(検索・ディスプレイ・動画・ショッピング・アプリ・P-MAX・測定)と Google アナリティクス認定資格を保有。

経歴と執筆記事112本を見る → Xでフォローする @Ryushi_ULTRO →
ULTROのShopifyアプリ

GA4の購入、どれだけ計測漏れしていますか?

Shopifyの注文とGA4の購入を照合して、漏れた購入データをサーバーサイドで補完するアプリ「GapFill」を作りました。既存のタグ設定はそのままで、計測漏れレポートは無料です。原因と確かめ方はこちらの記事にまとめています。

GapFillを見る →

自分のストアでは、どうなっているか。

無料診断では、あなたのShopifyの実データを見てサイトの健康状態を確認し、何から直すべきかを改善案とあわせてご提案します。

無料診断を申し込む →