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Klaviyoとは?料金の見方とShopifyでの使いどころ

「Klaviyoにしかできない」と言われてきたことの多くは、いまShopifyの標準機能でもできます。そのうえでどこに払う価値が残るのかを、実画面と一次情報で整理しました。

この記事で分かることKlaviyoは、Shopifyの購買データをそのまま使えるメール・SMSのマーケティングツールです。料金はアクティブプロファイル数で決まり、Emailが標準、Composer(AI)やCustomer Hubなどは別料金の積み上げ式に変わりました。ただし「Klaviyoにしかできない」はもう成り立ちません。Shopifyの顧客セグメントは購入商品・閲覧・RFM・予測支出階層に加えてメールの開封やクリックでも切れ、セグメント参加をトリガーにオートメーションを流せます。Shopify Messagingは毎月10,000通まで無料で、カゴ落ちのオートメーションは通数にも加算されません。判断は機能の有無ではなく、同じことを誰がどれだけの手間で回し続けられるかです。なお管理画面に日本語はありません(韓国語はあります)。

Klaviyo(クラビヨ)は、ShopifyのECでよく使われるメール・SMSのマーケティングツールです。日本語の解説記事はすでに何本もあるのですが、料金の説明がどれも古くなっています。2026年に料金の組み方そのものが変わったためです。

この記事では、公式の料金ビルダーで実際に数字を出しながら、Shopifyの標準機能とどちらを使うか、そして日本で配信を通すために何が必要かを整理します。画面と数字はすべて2026年9月18日時点のものです。

Klaviyoは何をするツールか

一言でいうと、Shopifyの購買データをそのまま条件にして、メールとSMSを出し分けるツールです。

普通のメール配信ツールとの違いはここだけと言ってもいいくらいで、「前回購入から60日経っていて、かつカテゴリAを2回以上買っている人」のような条件でセグメントを作り、そのセグメントに向けてフロー(自動配信)を組めます。商品・注文・カートの情報が連携されているので、購入履歴を別で管理する必要がありません。

扱えるチャネルはメール、SMS、WhatsApp、プッシュ通知、Webフォーム。最近はレビュー収集やヘルプデスクも製品として持っていますが、日本のECで使うのは実質メールとフォーム、次いでSMSです。

Klaviyoのホーム画面。左ナビにCampaigns、Flows、Website、Social、Service、Audienceが並び、上部にAI機能のComposerの入力欄がある
①左ナビはCampaigns・Flowsに加えてWebsite・Social・Serviceまで広がっている。上部はAI機能のComposer(数字と名前は伏せています。2026年9月時点の画面。画像を押すと拡大できます)

画面を見ると分かりますが、左ナビはもう「メール配信ツール」の構成ではありません。Campaigns・Flowsの下にWebsite、Social、Serviceが並び、上部にはAI機能のComposerが常時置かれています。古い解説記事の画面とは別物になっているので、手順を追うときは記事の日付を見てください。

そしてもう1つ、日本のECにとって大事な事実があります。管理画面の言語に日本語はありません。 設定(General > Personal)の言語リストに並ぶのは Deutsch/English/Español(España・México)/Français/Italiano/한국어/Nederlands/Polski/Português/Svenska の11種類だけで、韓国語はあるのに日本語は入っていません(2026年9月18日時点)。配信するメールの本文は当然日本語で書けますが、操作する人は英語のUIを読む前提になります。

料金の組み方が2026年に変わった

ここが古い記事といちばんズレるところです。以前は「コンタクト数ごとの段階表」が公開されていましたが、いまは製品ごとに分かれた積み上げ式になっています。

公式の料金ページで「Marketing」を選ぶと、Emailが標準で含まれ、そこにアドオンを足していく形で見積もりが出ます。

Klaviyoの料金ページのMarketingタブ。アクティブプロファイル5,000人でEmailが月100ドル、50,000通まで送れると表示されている
①アクティブプロファイル数のスライダーで金額が決まる。②右側に見積もりが積み上がっていく(2026年9月時点の画面。画像を押すと拡大できます)

スライダーを動かして実際に出した金額がこちらです。

アクティブプロファイル月額(Email)送れるメール数/月
250(無料プラン)$0500通
500$205,000通
1,500$4515,000通
3,000$7030,000通
5,000$10050,000通
10,000$150100,000通
25,000$400250,000通
60,000$860600,000通

送れるメール数はプロファイル数の10倍です。5,000人のリストなら月50,000通なので、月10回配信しても収まります。通数で困ることはあまりなく、効いてくるのはプロファイル数のほうです。

アドオンは別会計です。

アドオン何をするか料金
ComposerAIがキャンペーンやフローを作る・分析する$20/月〜($10単位で追加購入)
Customer Hubサイト内にお客様専用ページを置くプロファイル数連動(1,500人で$30、導入価格$20)
Social marketingSNSのやり取りを顧客化するプロファイル数連動(10,000人で$50、導入価格$38)
Reviewsレビューの収集と掲載月間注文数連動(250件で$25)
Mobile messagesSMS・MMS・WhatsApp・RCS送信ごとの従量(通信キャリア料金込み)

Customer HubとSocial marketingの導入価格は2026年9月30日までの期間限定と明記されています。つまりこの記事の金額も、そのまま使えるのは今だけです。 検討するときは必ず公式の料金ページで出し直してください。

気をつけるのは「アクティブプロファイル」の中身

課金の軸がプロファイル数なので、リストが増えるほど自動的に月額が上がります。問題は、何がプロファイルとして増えるかです。

Klaviyoのヘルプでは、アクティブプロファイルは2種類あると説明されています。サインアップフォームなどで明示的に同意した人と、同意していないが接点でメールアドレスが入った人です。後者は、注文したときやカートを放棄したときにチェックアウトでアドレスを入力した人を指します。そしてShopify連携はこの両方を追加します。

Klaviyoのアクティブプロファイルに入る2つの道。サインアップフォームなどで明示的に同意した人と、同意していないがチェックアウトでアドレスを入力した人(注文したとき、カートを放棄したとき)。どちらもアクティブプロファイルになり、課金の対象に入る。
アクティブプロファイルに入る2つの道(Klaviyoのヘルプをもとに株式会社ULTROが整理。2026年10月時点。画像を押すと拡大できます)

つまり、メルマガ登録を一切増やしていなくても、注文が増えるだけでプロファイルは増えます。ここを知らないと請求の増え方が説明できません。

減らす手段はサプレッション(配信対象外にする)です。サプレッションしたプロファイルは課金対象から外れ、送信時にも自動でスキップされます。ハードバウンスや繰り返しのソフトバウンスでは自動で入り、手動でも一括で入れられます。

ただしヘルプにも注意書きがあるとおり、早く切りすぎると戻ってきたはずの人を切ることになります。いきなり消すのではなく、再アプローチのフロー(サンセットフロー)を1本挟んでから落とすのが安全です。

なお、プランのプロファイル上限を超えた場合、次の請求サイクルで自動的に上位プランへ移ることがあります。キャンペーンでリストが跳ねた翌月に請求が上がるのはこれです。

Shopify Messagingとどちらを使うか

比較対象としてまず見るべきは、他社のメール配信アプリではなくShopifyの標準機能です。ここも古い記事とズレていて、以前の「Shopify Email」は「Shopify Messaging」に改称され、メールに加えてSMSとWhatsAppを扱うようになっています。

料金はヘルプに明記されています。

  • Basic・Grow・Advanced・Plusの全プランで、毎月10,000通まで無料
  • 超過分は1,000通あたり$1(300,000通を超えると$0.65、750,000通を超えると$0.55)
  • マーケティングオートメーションの送信も10,000通の枠に加算される
  • ただしチェックアウト離脱のオートメーションは常に無料で、枠に加算されない
  • 未使用分の翌月繰り越しはなし

最後の2つが効きます。ECのメール施策でいちばん売上に直結するのはカゴ落ちですが、それがShopify側では完全に無料ということです。標準機能での設定手順と、送る前に確認すべきことはカゴ落ちとは?率の測り方とShopifyでの対策手順にまとめました。

ULTRO NOTES|CRMカゴ落ちとは?率の測り方とShopifyでの対策手順カゴ落ちとは何かを、よく引用される平均70%という数字の中身から整理します。自社のカゴ落ち率をShopifyの管理画面で出す手順、標準機能だけでカゴ落ちメールを送る方法、送っていい相手かどうかの判断までまとめました。
Shopify Messagingの自動化画面。チェックアウト離脱・カゴ落ち・商品ページ離脱のオートメーションが有効になっている
①標準で用意されているオートメーション。②テンプレートにカゴ落ち・商品ページ離脱・購入後などが並ぶ(数字は伏せています。2026年9月時点の画面。画像を押すと拡大できます)

費用だけを並べると差がはっきりします。リスト5,000人で月8回配信=40,000通の場合はこうなります。

リスト5,000人に月8回配信(40,000通)した場合の月額。Shopify Messagingは10,000通無料と30,000通分で30ドル、Klaviyoは5,000プロファイルで100ドル。
40,000通を送る場合の月額(ShopifyのヘルプとKlaviyoの料金をもとに株式会社ULTROが作成。2026年10月時点。画像を押すと拡大できます)

表にすると、次のとおりです。

月額
Shopify Messaging10,000通無料+30,000通で$30
Klaviyo(5,000プロファイル)$100

月$70の差をどう見るか、というのが判断になります。ここで多くの記事が「Klaviyoなら細かいセグメントが切れるから」と書いて終わるのですが、調べるとその前提が崩れます。次の章で確かめます。

「Klaviyoにしかできない」は、もう成り立たない

「Klaviyoにしかできないこと」を先に確かめておきます。ここを誤解したまま導入すると、払っただけで何も変わりません。

結論を先に言うと、機能の有無で見るとShopify側でかなりのことができます。 日本語の解説記事はここをほぼ書いていないので、順番に並べます。

顧客セグメントは購買も閲覧もメールの反応も切れる

Shopifyの顧客セグメントはShopifyQLで書く仕組みで、使えるフィルターが想像よりずっと広いです。公式のリファレンスガイドから、ECで効くものを抜くとこうなります。

何で切るかフィルター
購入した商品products_purchased、product_tag、sum_quantity
購入回数・金額number_of_orders、amount_spent、orders_placed
購入の時期first_order_date、last_order_date
カゴ落ちabandoned_checkout_date
閲覧行動product_viewed、collection_viewed
定期購買・購読状態product_subscription_status、email_subscription_status、sms_subscription_status
予測・分類predicted_spend_tier、rfm_group
メールの反応shopify_email.opened / clicked / delivered / bounced / marked_as_spam / unsubscribed

最後の行が効きます。開封・クリックといったメールの反応でセグメントが切れます。 しかも「どの配信か(activity_id)」「何回(count)」「いつ(date)」まで指定できます。データは2022年3月以降、過去26か月分。

つまり「1回だけ買って、その後メールを開いていない人」のようなセグメントも、Shopify側だけで作れます。RFMの分類(rfm_group)と予測支出階層(predicted_spend_tier)まで標準で持っているので、予測系もKlaviyo固有ではありません。

オートメーションはセグメント参加で起動できる

Shopify Messagingのオートメーションには、「お客様がセグメントに参加しました」というトリガーがあります。誕生日、VIP、「お客様を呼び戻す」のテンプレートは、いずれもこのトリガーで動いています。

つまり、自分で作った任意のセグメントを起点にメールを流せます。「休眠90日になったら1通目」という設計は、これで組めます。

込み入ったものはShopify Flowで組む

Shopify Messagingのオートメーションは、実体としてShopify Flowのワークフローです。ヘルプの要件に「すべての機能を利用するにはFlowアプリがインストールされている必要があります」と明記されていますし、管理画面のFlowのワークフロー一覧を見ると、カゴ落ちやチェックアウト離脱のオートメーションがそのまま並んでいます。

そしてヘルプはこうも書いています。「カスタムのマーケティングオートメーション、または外部アプリを含むオートメーションを作成する場合は、代わりに Shopify Flow アプリでワークフローを作成できます」。Flowのトリガーにも、顧客のセグメントへの参加/チェックアウトの放棄/購入せずにオンラインストアから離脱/メールマーケティングへの登録が揃っています。

ひとつ補足しておくと、Flowの公式なアクション一覧に載っているメール送信は「内部メールを送信」(スタッフ宛)で、お客様宛のマーケティングメールを送るアクションは一覧に出てきません。Messagingアプリ側が提供しているアクションだと思われますが、ここは実画面で確認できていないので推測です。

それでもKlaviyoを選ぶなら、理由は「誰が回すか」

ここまでの整理でわかるとおり、「Klaviyoにしかできない」という言い方はもう正確ではありません。判断は機能の有無ではなく、同じことを誰が、どれだけの手間で回し続けられるかになります。

回す人が社内にいないなら、設計と運用ごと外に出す手もあります。ULTROはまずShopify標準で組み、必要になった段階でKlaviyoに移す順番で受けています(構造のCRM)。

差が出るのは主に4点です。

Shopifyの標準機能Klaviyo
セグメントの作り方ShopifyQLのクエリを書く(エディタの補完あり)条件をプルダウンで積む
フローの作り方テンプレート中心。込み入ったものはFlowに移る同じ画面で分岐と待機を組み替える
検証A/Bテストの仕組みがない件名・本文のA/Bテストが標準
分析オートメーション単位の指標フロー別の売上と帰属期間の設定

セグメントとフローの作りやすさ

Klaviyoの Segment library には、そのまま使えるセグメントが目的別に並んでいます。

KlaviyoのSegment library。Target past purchasersとして、All-time customers、One-time customers、Purchased 90 daysなどのセグメントが並んでいる
①「Target past purchasers」に、初回のみの人・90日以内に買った人・リピーターなどが用意されている(2026年9月時点の画面。画像を押すと拡大できます)

中身も見えます。One-time customersの定義はこれだけです。

One-time customersのプレビュー画面。セグメント定義がPlaced Orderが1回、かつメールマーケティングを受け取れる人、と表示されている
①定義は「Placed Orderが1回(全期間)」かつ「メールマーケティングを受け取れる」の2条件だけ(件数は伏せています。2026年9月時点の画面。画像を押すと拡大できます)

Placed Order equals 1 over all time と can receive email marketing のAND。同じ条件はShopifyQLなら number_of_orders = 1 AND email_subscription_status = 'SUBSCRIBED' で書けます。 結果は変わりません。違うのは、クエリを書くか、プルダウンで積むかです。

フローも同じ構図です。

KlaviyoのFlows library。Welcome Series、Abandoned Checkout Reminder、Browse Abandonmentのテンプレートが、トリガーと待機とメールの流れ図つきで並んでいる
①各テンプレートに流れ図が付いている。Abandoned Checkout Reminderは「トリガー → 3時間待つ → メール1通目 → 2日待つ → メール2通目」(2026年9月時点の画面。画像を押すと拡大できます)

Abandoned Checkout Reminderならトリガー → Wait 3 hours → Email #1 → Wait 2 days → Email #2。待機時間も、間に挟む条件(Profile filters)も、同じ画面で変えられます。Shopify側でも待機と条件は置けますが、込み入ってくるとFlowアプリに移ることになり、画面を行き来する分だけ手が止まります。

結局どう判断するか

  • 社内にShopifyQLを書ける人がいて、Flowを触るのが苦にならない → 標準機能で足ります。月$100は別のところに使えます
  • 配信の担当者がマーケ寄りで、クエリを書く運用が続かない → Klaviyo。作りやすさに払う、という整理なら納得感があります
  • A/Bテストを回して改善したい/フロー別の売上で判断したい → Klaviyo。ここは標準機能に道具がありません
  • とりあえず入れてみる → やめたほうがいいです。Klaviyoは入れただけでは何も変わらず、月額だけ増えます

テンプレートのフローをそのまま入れる場合も同じです。『THE CRM』で、ゴルフダイジェスト・オンラインのCRMを進めた大山公一氏は、自社の顧客への考え方がないまま「効く」と言われたウェルカム・値下げ・カゴ落ちのシナリオを入れると、一定の効果は出るがそこで止まる、と書いています。なぜそのシナリオを送るのかを説明できれば、追加や改修を続けられる、という主張です。

セグメントを細かく切れることも、それだけでは成果になりません。『LTV(ライフタイムバリュー)の罠』には、クレジットカード会社が年代・性別・地域で50通りにメールを分けても、開封・クリック・申込の率は一斉配信と変わらなかった例が出てきます。同書が条件を分ける意味があるとしているのは、特典を絞りたいとき、正反対の相手を分けるとき、いま検討している人にすぐ連絡するとき、の3つです。Segment libraryのセグメントを全部使う前に、この3つのどれに当たるかで絞ります(ここはULTROの使い方です)。

日本で配信を通すための設定

ここは日本語の解説記事でごっそり抜けている部分です。ツールを入れても、届かなければ何も起きません。

特定電子メール法

広告宣伝メールは原則としてオプトイン、つまりあらかじめ同意した人にしか送れません。SMSも対象です。加えて、メールの中に次の表示が義務づけられています。

  • 送信者の氏名または名称
  • 受信拒否の通知ができる旨(通知先の直前または直後に置く必要があります)
  • 受信拒否の通知先のメールアドレスまたはURL
  • 送信者の住所
  • 苦情・問い合わせを受け付ける電話番号・メールアドレス・URL

同意を取った記録も保存が必要で、保存期間は最後に送信した日から1か月(措置命令を受けた場合は1年)。通販の電子メール広告に当たる場合は、特定商取引法のほうで3年の保存が別に求められます。

Klaviyoのテンプレートは英語圏の仕様なので、フッターに入るのは配信停止リンクくらいです。住所と問い合わせ先は自分で足す必要があります。ここはテンプレートを作る段階で一度入れてしまえば済む話なので、最初にやってください。

送信ドメイン認証とGmailの送信者要件

Gmailの送信者ガイドラインは2024年以降、要件として運用されています。

  • すべての送信者:SPFまたはDKIM
  • 1日5,000件以上を送る一括送信者:SPF・DKIM・DMARCの3つすべて
  • 1日5,000件超のマーケティングメールはワンクリックでの登録解除が必須(List-Unsubscribe-Post と List-Unsubscribe の両ヘッダー)
  • 迷惑メール率は0.10%未満を維持し、0.30%以上にしない

5,000件は一瞬で超えます。リスト2,500人に週2回送れば届く数字です。

Klaviyoの設定は Settings > General > Domains にあります。

KlaviyoのSettings > General > Domains画面。Sending domainsの説明に、既定ではKlaviyoのドメインでメールが送られると書かれている
①既定では「emails use a Klaviyo domain」=Klaviyoの共用ドメインで送られる。自社ドメインは「Add domain」から追加する(2026年9月時点の画面。画像を押すと拡大できます)

画面の説明のとおり、何もしなければKlaviyoの共用ドメインで送られます。この状態だと、送信元の評価が自社のものになりません。独自ドメインの設定(Sending domain)を、配信を始める前に済ませてください。後から切り替えると、それまでに積み上げた評価が引き継がれません。

なお、開封率については「Googleは開封率を追跡していない」「サードパーティが報告した開封率の正確性をGoogleが検証することはできない」とガイドラインに明記されています。開封率が低いこと自体は、到達していない証拠にはなりません。

効果の見方

Klaviyoの管理画面に出てくる売上と、GA4やShopifyの数字は合いません。これは不具合ではなく、数え方が違うだけです。

Klaviyoは、受信者がメッセージを開いた(または押した)あと一定期間内に注文したら、その注文を自分の成果として数えます。設定は Settings > Attribution にあります。

KlaviyoのSettings > Attribution画面。メールは開封5日・クリック5日、テキストメッセージは配信12時間・クリック5日と表示されている
①既定値は、メールが「開封から5日/クリックから5日」、テキストメッセージが「配信から12時間/クリックから5日」(2026年9月時点の画面。画像を押すと拡大できます)

実画面の既定値は、メールが開封5日・クリック5日、テキストメッセージが配信12時間・クリック5日でした。ヘルプの記述(メール・SMSともに5日)と細かく違うので、自社の値は必ずこの画面で確認してください。変更は反映に最大36時間かかり、その間は再編集できないとも書かれています。

一方GA4は原則ラストクリックです。メールを開いたあと、後日リスティング広告経由で買った人は、Klaviyoでは成果、GA4では広告の成果になります。どちらかを正とするのではなく、社内でどちらの定義で話すかを先に決めてください。 ここが曖昧なまま「メールの貢献が多すぎる/少なすぎる」と議論しても噛み合いません。

もう1つ、どちらの数字も「メールで増えた売上」ではありません。メールを開いたあとに買った人の中には、メールがなくても買った人が含まれます。開封から5日の数え方では、Appleのメールプライバシー保護で自動的に開封扱いになった人の注文まで入ることがあります。メールで増えた分を知るには、配信の対象の一部を無作為に選んで送らずに残し、送った人と比べます(『メールマーケティングの教科書』)。やり方はLTVを上げる施策の記事にまとめています。

ULTRO NOTES|CRMLTVを上げる施策|ECで効く順番と、Shopifyでの回し方LTVを上げる施策は、単価・頻度・継続期間に分けて並べるだけでは決まりません。お客様がどの段階で止まっているかを調べ、人数の多い段階から手を付けます。ECで効く順番、Shopifyの標準機能、値引きの落とし穴、効果の測り方をまとめます。

よくある勘違い

Klaviyoを入れれば売上が上がる 上がるのはセグメントとフローを作ったあとです。入れただけの状態はShopify Messagingの下位互換で、月額だけが増えます。

無料プランで様子を見る 250プロファイル・月500通なので、実運用の判断材料にはなりません。使い勝手の確認と割り切ってください。

リストは多いほどいい プロファイル数が課金の軸なので、開封しない人を抱えるほど月額が上がり、しかも迷惑メール率が上がって到達率が落ちます。多いほどいいは、このツールに関しては逆です。

Shopifyの標準機能では細かいセグメントが切れない 切れます。購入商品・購入回数・閲覧履歴に加えて、メールの開封やクリックまで条件にできます。古い記事の前提のまま比較しないでください。

日本語のテンプレートがあるから安心 テンプレートの言語と、法律で求められる表示は別の話です。住所と問い合わせ先が入っているかを必ず確認してください。

参考にした情報

よくある質問

Klaviyoの料金はいくらですか?

アクティブプロファイル数で決まります。2026年9月18日時点の公式の料金ビルダーでは、500人で月$20、1,500人で$45、5,000人で$100、10,000人で$150、25,000人で$400です。メールの送信可能通数はプロファイル数の10倍が目安(5,000人なら月50,000通)。無料プランは250プロファイル・月500通までです。

Shopify MessagingとKlaviyo、どちらを使えばいいですか?

できることの差はほとんどありません。Shopifyの顧客セグメントは購入商品・購入回数・閲覧・RFM・予測支出階層に加えて、メールの開封やクリックでも切れます。オートメーションもセグメント参加をトリガーに流せます。違いは作りやすさで、ShopifyはShopifyQLのクエリを書く形、Klaviyoはプルダウンで条件を積む形です。社内にクエリを書ける人がいるならShopifyの標準機能で足ります。

Shopifyの標準機能だけでKlaviyoと同じことはできますか?

機能の有無で見るとかなりの部分ができます。顧客セグメントはShopifyQLで書け、products_purchased、number_of_orders、last_order_date、product_viewed、rfm_group、predicted_spend_tier、そして shopify_email.opened / clicked などが使えます。オートメーションには「お客様がセグメントに参加しました」トリガーがあり、込み入ったものはShopify Flowで組めます。差が出るのは作りやすさと、A/Bテストやフロー別の売上分析といった検証の道具です。

アクティブプロファイルにはどこまで含まれますか?

Klaviyoからメールを送れる状態のプロファイルすべてです。サインアップフォームから同意した人だけでなく、注文やカート放棄のときにメールアドレスを入力しただけの人も含まれます。Shopify連携はこの両方を追加します。サプレッション(配信対象外)にしたプロファイルはカウントされません。上限を超えると次の請求サイクルで自動的に上位プランへ移ることがあります。

日本で配信するのに必要な設定は何ですか?

特定電子メール法のオプトインと表示義務(送信者の氏名・住所、受信拒否ができる旨とその通知先)に加えて、送信ドメイン認証が要ります。Gmailの送信者ガイドラインでは、1日5,000件以上を送る場合はSPF・DKIM・DMARCの3つとワンクリック登録解除が必須で、迷惑メール率は0.10%未満を維持し0.30%を超えないこととされています。

Klaviyoの売上とGA4の数字が合いません

計測の考え方が違うためです。Settings > Attribution の既定値は、メールが開封から5日・クリックから5日、テキストメッセージが配信から12時間・クリックから5日でした(2026年9月18日時点の実画面)。GA4のラストクリックとは重なる範囲が違うので、どちらが正しいかではなく、どちらの定義で見ているかを決めて揃えるのが先です。

Klaviyoの管理画面は日本語になりますか?

なりません。設定の言語リストにあるのは Deutsch・English・Español(España/México)・Français・Italiano・한국어・Nederlands・Polski・Português・Svenska の11種類で、日本語は入っていません(2026年9月18日時点)。配信するメールの本文は日本語で問題ありませんが、操作する人は英語のUIを読む前提になります。

無料プランのまま使い続けられますか?

250プロファイル・月500通の範囲なら使えます。ただしこの規模だとShopify Messagingの無料枠のほうが広いので、Klaviyoを無料で試す意味は「使い勝手を確かめる」ところにあります。

まとめ
  • 料金はアクティブプロファイル数で決まる。5,000人で月$100、10,000人で$150(2026年9月18日時点)
  • Shopify Messagingは毎月10,000通無料。カゴ落ちのオートメーションは無料枠にも加算されない
  • Shopifyの顧客セグメントはメールの開封・クリックでも切れる。RFMと予測支出階層も標準にある
  • オートメーションは「お客様がセグメントに参加しました」で起動でき、込み入ったものはFlowで組める
  • 判断は機能の有無ではなく、ShopifyQLを書ける人が社内にいるかどうか
  • 日本で配信するなら特定電子メール法の表示義務と、SPF・DKIM・DMARCの3点セットが先

この記事を書いた人永田 龍史

株式会社ULTRO 代表取締役

Shopify Partner。Shopifyストアの構築・保守・広告運用・CRMを一気通貫で担当。個人として運用した広告費は累計40億円超。計測設計から逆算して、利益が伸びる仕組みを作っています。Google 広告の認定資格(検索・ディスプレイ・動画・ショッピング・アプリ・P-MAX・測定)と Google アナリティクス認定資格を保有。

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