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ステップメールとは?ECで最初に組む6つのシナリオと、Shopifyでの作り方

メルマガとの違い、組む前に決めること、ECで組む6つのシナリオと順番、通数の上限と文面の型、Shopify Messagingでの作り方、法律と送信者要件まで。

この記事で分かることステップメールは、会員登録や購入などのきっかけを起点に、あらかじめ決めた順番と間隔で、自動でメールを送る仕組みです。全員に同じ日に送るメルマガと違い、相手の状態に合わせて届くので、ECでは売上に直結しやすい配信です。ECで組むシナリオは、ウェルカム、商品閲覧の離脱、カゴ落ち、チェックアウト離脱、購入後、呼び戻しの6つです。最初に組むのは、購入に最も近いチェックアウト離脱とカゴ落ちで、次にウェルカムと購入後です。Shopifyなら、Shopify Messagingのテンプレートから作れ、メールは毎月10,000通まで無料です。カゴ落ちや呼び戻しのメールは広告宣伝メールに当たるので、メールの受け取りに同意した人に送ります。

ステップメールを調べると、上位に出てくるのは、資料請求のあとに送るBtoBのメールの例がほとんどです。ECでは、カートに商品を入れたまま離脱した人、初めて買った人、しばらく買っていない人と、送るきっかけがもっと細かく分かれます。

この記事では、ECのステップメールを、きっかけごとに6つのシナリオに分けて、組む順番と組み方をまとめます。Shopifyでの作り方と、送る前に確認しておく法律と送信者の要件も書いておきます。

ステップメールとは

ステップメールは、会員登録や購入などのきっかけを起点に、あらかじめ決めた順番と間隔で、自動でメールを送る仕組みです。たとえば、メールを購読した人に、当日・3日後・7日後と3通を送る、といった使い方をします。

メルマガとの違いは、次のとおりです。

メルマガステップメール
送るタイミング決めた日に、全員に送るきっかけから数えて、その人ごとに送る
内容新商品、セール、読み物など相手の状態に合わせた内容
作る手間毎回作る一度組めば、自動で送り続ける
向いていること新しい情報を広く届ける止まっている人を、次の行動に進める

ECでは、メルマガで新商品やセールを知らせ、ステップメールで、カートで止まった人や初めて買った人を次の行動に進める、という使い分けになります。

シナリオを組む前に決めること

ステップメールの記事やツールの案内は、「まずこのシナリオを入れましょう」というテンプレートから始まることが多いです。ただ、テンプレートを並べる前に決めておくことがあります。ここでは、メールの設計を扱った本を2冊参考にしました。

『THE CRM』:全配信をやめて、シナリオに置き換えた例

『THE CRM』は、ゴルフダイジェスト・オンライン(GDO)が、会員に毎日最大10通届いていた全配信のメールをやめ、約70本のシナリオに置き換えた記録です。本に書かれている設計の順番は、次のとおりです。

  1. 会社の存在意義と、お客様にどう向き合うか(顧客理念)を決める
  2. お客様がどの段階からどの段階へ進んでほしいか(育成モデル)を決める
  3. 段階の間をつなぐシナリオを作る
  4. メールの「顔」(誰が書いているか)を決める
  5. 1通ずつの中身を作る

本では、おすすめのシナリオから入ると一定の効果は出るものの、そこで止まり、次に何を足すかが決められなくなる、と書かれています。GDOが育成モデルで最も大事にしたのは、会員登録から初回の購入、2回目の購入までの区間でした。当時はここで販促のメールを浴びせていて、一度メールを開かなくなった人は、ほぼ戻ってこなかったそうです。

数字も載っています。新規登録した1,000人余りを半分に分けて2か月比べたところ、新しいシナリオを受け取った側は、届いたメールの数が36%少ないのに、開封された数は13%多く、ゴルフ場の予約とECの両方で買った人の割合は85.2%高くなりました。本番に切り替えたあとは、ECでメールの数を30%減らして、メール経由のコンバージョンが35%増えています。ただし、対照群と比べたのは最初の2か月だけで、本番後の数字は切り替えの前と後の比較です。

『LTVの罠』:メールを分けるのは、3つの場合だけ

『LTVの罠』では、クレジットカード会社で年代・性別・地域で50通りに分けてメールを送っても、開封率やクリック率、申込率は一斉配信と変わらなかった例が紹介されています。著者は、送る相手を分けるべきなのは次の3つの場合だけだとしています。

  • 特典を出す相手を絞りたいとき
  • 好みが正反対の相手を分けたいとき
  • 今まさに検討している人に、すぐ連絡したいとき

ステップメールは、3つ目そのものです。カートに入れた、初めて買った、といった「いま、この段階にいる」ことが分かった人に、その時に送るから効きます。

私たちが先に決めていること

2冊を読んだうえで、私たちはシナリオを組む前に、次の2つだけは決めるようにしています。

  • お客様にとって、このメールの送り主は何者でいたいか(例:部屋づくりの相談相手)。これがあると、1通ごとの書き方がぶれにくくなります
  • 育成の区切り。多くのECでは「購読 → 初回の購入 → 2回目の購入」です。この区切りごとに、どのシナリオが受け持つかを決めます

ECで組むステップメールは6つ

ECのステップメールは、きっかけで6つに分かれます。お客様が購読してから、2回目を買うまでの流れに沿って並べます。先に図で示します。

ECのステップメールの6つのシナリオを、きっかけごとに並べた図。メールを購読したらウェルカム、商品を見て離脱したら商品閲覧の離脱、カートで離脱したらカゴ落ち、チェックアウトで離脱したらチェックアウト離脱、初めて購入したら購入後、しばらく買っていなければ呼び戻し
ECのステップメールの6つのシナリオと、きっかけ(Shopify ヘルプセンターをもとに株式会社ULTROが作成)(画像を押すと拡大できます)

表にすると、次のとおりです。

シナリオきっかけ目的
ウェルカムメールを購読したブランドを知ってもらい、初回の購入につなげる
商品閲覧の離脱商品を見たが、カートに入れずに離脱した見た商品を思い出してもらう
カゴ落ちカートに入れたが、チェックアウトを始めなかった買い忘れを防ぐ
チェックアウト離脱チェックアウトを始めたが、注文を完了しなかった止まった理由を解いて、購入を完了してもらう
購入後初めて購入した使い方を伝え、レビューと2回目の購入につなげる
呼び戻し最後の注文から、決めた期間が過ぎたもう一度買ってもらう

カゴ落ちとチェックアウト離脱は、混同されやすいところです。カートに入れただけの人と、住所や支払いの入力まで進んだ人では、止まった理由も、戻ってくる確率も違います。3つの離脱の違いはカゴ落ちの記事にまとめています。

ULTRO NOTES|CRMカゴ落ちとは?率の測り方とShopifyでの対策手順カゴ落ちとは何かを、よく引用される平均70%という数字の中身から整理します。自社のカゴ落ち率をShopifyの管理画面で出す手順、標準機能だけでカゴ落ちメールを送る方法、送っていい相手かどうかの判断までまとめました。

組む順番:購入に近いものから

6つを一度に組む必要はありません。購入に近いものから順に組みます。先に図で示します。

ステップメールを組む順番の図。1 チェックアウト離脱、2 カゴ落ち、3 ウェルカム、4 購入後、5 商品閲覧の離脱、6 呼び戻しの順に、購入に近いものから組む
ステップメールを組む順番(株式会社ULTROが作成)(画像を押すと拡大できます)

1つずつ見ると、次のとおりです。

  1. チェックアウト離脱:住所や支払いの入力まで進んでいるので、戻ってくる確率が最も高い。Shopifyなら無料で送れる
  2. カゴ落ち:買う気のある人。チェックアウト離脱の次に効く
  3. ウェルカム:購読した直後が、いちばん関心が高い。初回の購入につなげる
  4. 購入後:初めて買った人の2回目の購入が、LTVを大きく左右する
  5. 商品閲覧の離脱:人数は多いが、買う気はまだ弱い
  6. 呼び戻し:しばらく買っていない人。商品の買い替えの周期が分かってから組む

4の購入後は、売上への効き方で見ると、1と2に並ぶくらい大事です。初めて買った人のうち何%が2回目を買うかを、F2転換率と呼びます。出し方はF2転換率の記事にまとめています。

ULTRO NOTES|CRMF2転換率とは?計算方法と、Shopifyでの出し方・上げ方F2転換率は、初回購入したお客様のうち2回目の購入に進んだ割合です。計算の前に決める分母と期間、リピート率との違い、Shopifyの顧客セグメントとコホート分析での出し方、商品別・流入元別に分解して上げる手順をまとめます。

シナリオごとの組み方

ここからは、シナリオごとに、何通を、どんな間隔で、何を書いて送るかの目安です。通数や間隔は目安で、商品や価格帯によって変わります。最初は目安で組み、クリックと購入の数を見て直します。開封の数は、Appleのメールプライバシー保護などで実際より多く出るので、判断には使いません(詳しくはメルマガの開封率の記事)。

ULTRO NOTES|CRMメルマガの開封率・クリック率の平均と、ECで上げる手順ECのメルマガの開封率は、国内の集計で29%前後、クリック率は1.3%前後です。ただし開封率はAppleの仕様で実際より高く出ます。出典つきの平均値、数字の読み方、届く状態を整えてから件名を直す改善の順番をまとめます。

チェックアウト離脱とカゴ落ち:止まった理由に答える

チェックアウト離脱とカゴ落ちは、2〜3通で組みます。

  • 1通目(数時間後):カートの中身を見せて、そのまま戻れるリンクを置く
  • 2通目(翌日):送料、届く日、返品の条件、支払い方法など、止まる理由になりやすいことに答える
  • 3通目(2〜3日後):レビューや使っている人の声を見せる。自分と近い立場の人の声ほど効く(後で書く「文面の型」を参照)

割引は、最初から付けないほうが無難です。付けると、次からカートに入れたまま割引を待つ人が出てきます。付けるなら最後の1通にします。Shopifyのチェックアウト離脱のオートメーションは、待機時間の初期値が10時間で、あとから変えられます。

ウェルカム:最初の購入までの3〜4通

メールを購読した人には、3〜4通を送ります。

  • 1通目(すぐ):購読のお礼と、初回の購入で使える特典があれば、その案内
  • 2通目(2〜3日後):ブランドが何を大事にしているか、商品の作り方
  • 3通目(4〜5日後):よく売れている商品と、その理由
  • 4通目(7日後):まだ買っていない人にだけ、特典の期限の案内

『THE CRM』のGDOは、ウェルカムを登録の翌日から約1か月で20通あまり送っていました。登録したときの興味(買い物、ゴルフ場の予約、読み物)で3つに分け、途中でアンケートを取り、回答に合わせたお礼を返しています。社内では「普通は3〜5通、1週間以内」と反対されたものの、サービスが多く慣れるまで時間がかかる、という理由で押し切ったそうです。

私たちは、商品の数が少なく、使い方の説明がいらないECなら3〜4通で足りると考えています。商品やサービスの種類が多く、慣れるまで時間がかかるECなら、GDOのように長めにして、その間はほかの販促メールを止めます。

購入後:2回目の購入までをつなぐ

初めて買った人には、商品が届いてから、次に買う時期までをつなぐメールを送ります。

  • 商品が届くころ:使い方、よくある質問、問い合わせ先
  • 使い始めて数日〜1週間後:レビューのお願い
  • 使い切るころ:買い足しや、合わせて使う商品の案内

消耗品なら、使い切るまでの日数から、案内を送る日を決めます。

定期購入の購入後のメールは、送り方に気をつけます。『LTVの罠』では、健康食品や化粧品の定期便で最も多い解約の理由は、飲み忘れ・使い忘れで商品がたまることで、飲み忘れを防ぐ電話やカレンダーを送ったら、かえって「たまっている」ことを思い出させて解約を招いた例が紹介されています。『サブスクリプションで売上の壁を超える方法』も、解約を定着する前と後に分け、定着する前の人には早いうちに「使ってよかった」と感じてもらうことが大事だとしています。

ここからは私たちの判断ですが、定期購入の1回目と2回目の間は、「使い忘れていませんか」と確かめるより、届いた箱を開けて使い始めるまでを手伝う内容(使い方、効果を感じるまでの期間の目安)を厚くします。2回目の購入を増やす施策はLTVを上げる施策の記事にまとめています。

ULTRO NOTES|CRMLTVを上げる施策|ECで効く順番と、Shopifyでの回し方LTVを上げる施策は、単価・頻度・継続期間に分けて並べるだけでは決まりません。お客様がどの段階で止まっているかを調べ、人数の多い段階から手を付けます。ECで効く順番、Shopifyの標準機能、値引きの落とし穴、効果の測り方をまとめます。

呼び戻し:買い替えの周期を過ぎた人に

最後の注文から、買い替えの周期を過ぎた人に送ります。周期は、Shopifyの注文データで、1回目と2回目の購入の間が何日空いているかを出して決めます。多くのお客様が2回目を買うまでの日数を過ぎても買っていない人が、呼び戻しの対象です。

呼び戻しは、割引から入らないようにします。『サブスクリプションで売上の壁を超える方法』では、利用が減ったからといって一律にセールをするのは間違いで、利用が減っていない人にまで値引きすることになる、と書かれています。対象をしぼり、まずは新しく入った商品や、前に買った商品と合わせて使えるものを案内します。

1人に届く通数の上限を決めておく

ステップメールを増やすと、同じ人にメルマガとステップメールが重なって届くことがあります。

『LTVの罠』には、メールの配信頻度ごとの成績(WACUL調べ、中央値)が載っています。週4回以上になると開封率とクリック率が下がり、すべての指標がほぼ落ちないのは週2〜3回でした。配信頻度と配信解除率には、相関が見られなかったそうです。

一方、『THE CRM』のGDOは、1日最大10通から減らして成果が上がりました。2冊は反対のことを言っているようですが、私たちは「1人に届くのは週2〜3通までを上限の目安にし、それより多ければ減らす、少なければ増やす」と読んでいます。GDOはウェルカムのシナリオを送っている間、ほかの販促メールをできるだけ止めていました。ステップメールを受け取っている人には、メルマガを重ねて送らないようにすると、上限を超えにくくなります。

効果の測り方:送らない人を残して比べる

ステップメールの効果は、メール経由の売上だけでは分かりません。メールを受け取らなくても買う人がいるからです。『メールマーケティングの教科書』は、メール経由の売上は「メールがなければ起きなかった売上」の証明ではない、としています。

シナリオで増えた分を知るには、対象のお客様の一部(1〜2割)を無作為に選び、送らずに残します。一定の期間のあと、送った人と送らなかった人で、購入した割合と1人あたりの売上(できれば粗利)を比べます。

あわせて、配信解除と迷惑メール報告の割合が悪化していないかも見ます。購入が少し増えても、解除が大きく増えていれば、あとで送れる相手が減ります。『A/Bテスト実践ガイド』でも、判断に使う指標とは別に、悪化を見張る指標を先に決めておくことが勧められています。

開封した人と開封しなかった人の購入率を比べる方法は使いません。開封するのは、もともと関心の高い人なので、差の多くはメールの効果ではなく、客層の違いです。2つの文面を比べるときも、1回の小さな差で勝ち負けを決めず、何回か続けて同じ結果になるかを見ます。

どのシナリオにも使える、文面の型

1通ずつの書き方は、『影響力の武器 実践編』にある実験が参考になります。ステップメールに当てはめやすいものを、先に図で示します。

ステップメールの文面で使える6つの型を並べた図。自分に近い人の声を見せる、多くの人がやっていないとは書かない、無料の特典にも本来の値段を書く、紹介する商品を絞る、問いかけて答えてもらう、失うことを伝える
ステップメールの文面で使える6つの型(『影響力の武器 実践編』をもとに株式会社ULTROが作成)(画像を押すと拡大できます)

1つずつ見ると、次のとおりです。

型本にある実験ステップメールでの使い方
自分に近い人の声を見せるホテルで「この部屋に泊まった方の大多数がタオルを再利用しています」と書くと、環境保護を訴えるだけより再利用が33%多かったカゴ落ちやウェルカムで、同じ用途・同じ悩みのお客様のレビューを見せる
「多くの人がやっていない」とは書かない「毎年たくさん持ち去られている」と書いた看板のほうが、看板がないときより持ち去りが多かった「カートに入れたまま忘れる方が多いです」のような書き方はしない
無料の特典にも本来の値段を書く無料の特典として付けた商品は、その商品の値打ちが低く見られた(払ってよいと思う額が約35%低い)「通常〇円のサンプルを無料で」と書く
選択肢を絞るジャムの試食で24種類を並べると買った人は3%、6種類なら30%1通で紹介する商品は数点にする
問いかけて、答えてもらう予約の電話で「キャンセルの際はお電話いただけますか?」と聞いて返事を待つと、無断キャンセルが30%から10%に減ったレビューのお願いを「感想を送っていただけますか?」と問いかける形にする
失うことを伝える省エネで「しないと毎日損をする」と伝えると、「すると得をする」より実行した人が最大3倍特典の期限が本当にあるときだけ「期限を過ぎると使えません」と書く

本の実験は、2000年代前後の欧米のものが中心で、ECのメールで同じ大きさの効果が出るとは限りません。私たちは、件名や文面のABテストの候補を出すときの根拠として使っています。

Shopifyでの作り方

Shopify Messagingのテンプレートから作る

Shopifyなら、公式の「Shopify Messaging」アプリ(以前の「Shopify メール」)で作れます。オートメーションのテンプレートが用意されていて、主なものは次のとおりです。

まとまりテンプレート
サイト訪問者を呼び戻す放棄された商品の閲覧をコンバージョンにつなげる/放棄されたカートを回復する/放棄されたチェックアウトを回復する
新規購読者の歓迎ディスカウントメールで新規購読者を歓迎する/ディスカウントシリーズで新規購読者を歓迎する
購入後購入後にお客様に感謝を伝える/初回の購入後にお客様にアップセルする/お客様を呼び戻す
お客様への感謝お客様の誕生日を祝う/VIP のお客様を歓迎する

テンプレートの中身は、Shopify Flowのワークフローで動いています。待機時間や条件を細かく変えたいときは、Flowで編集します。Flowの仕組みと使い方はShopify Flowの記事にまとめています。なお、以前の「マーケティング」→「オートメーション」の画面は、2026年3月24日に、Messagingアプリと Flowアプリに移りました。

ULTRO NOTES|サイト構築・改善Shopify Flowとは?使い方とワークフロー例|できること・料金・注意点Shopify Flowは、注文や在庫の変化をきっかけに、タグ付けや通知などを自動で行うShopifyの無料アプリです。できること、トリガー・条件・アクションの仕組み、プランによる違い、Slack通知を例にした作り方、ECでよく使うワークフロー例、無限ループや失敗時の直し方などの注意点を、2026年10月時点の情報でまとめます。

料金

Shopify Messagingのメールは、どのプランでも毎月10,000通まで無料です。翌月への繰り越しはなく、オートメーションで送った分も含めて数えます。

通数料金
毎月10,000通まで無料
10,000通を超えた分1,000通あたり1米ドル
30万通を超えた分1,000通あたり0.65米ドル
75万通を超えた分1,000通あたり0.55米ドル

チェックアウト離脱のオートメーションは、通数に数えられず、常に無料です。

購読者が増えて、セグメントやシナリオを細かく分けたくなったら、Klaviyoなどの専用のツールを検討します。Shopify Messagingとの比べ方はKlaviyoの記事にまとめています。

ULTRO NOTES|CRMKlaviyoとは?料金の見方とShopifyでの使いどころKlaviyoとは何かを、2026年に作り直された料金体系から整理します。Shopifyの標準機能でどこまでできるか、それでもKlaviyoを選ぶ判断軸、日本で配信を通すために必要な設定までまとめました。

送る前に確認すること

広告宣伝メールは、同意した人にだけ送る

特定電子メール法では、広告や宣伝のメールは、原則として、事前に受け取りに同意した人にしか送れません。広告や宣伝を含まない取引の連絡(注文の確認、発送の連絡など)は対象外で、取引の連絡に広告が付け足し程度に入っている場合も、同意の例外になります。

ステップメールのうち、カゴ落ち、チェックアウト離脱、商品閲覧の離脱、呼び戻しは、商品の購入を促すのが目的なので、広告宣伝メールに当たると考えるのが安全です。購入後のメールも、使い方の案内より別の商品の紹介が中心になるなら、同じ扱いにします。どれも、チェックアウトなどでメールの受け取りに同意した人にだけ送ります。Shopifyのチェックアウト離脱のオートメーションも、初期設定ではマーケティングの購読者にだけ送ります。

広告宣伝メールには、次の表示も必要です。

  • 送信者の氏名または名称
  • 受信を拒否できることと、その連絡先(メールアドレスかURL)
  • 送信者の住所
  • 苦情や問い合わせの受付先

GmailとYahoo!の送信者要件

GmailとYahoo!は、大量に送る送信者に、次の要件を求めています。満たしていないと、迷惑メールに入ったり、受け取りを拒否されたりします。

  • 送信ドメインの認証(SPF、DKIM、DMARC)
  • ワンクリックで購読を解除できるようにする
  • 迷惑メールとして報告される率を0.3%未満に保つ

Shopify Messagingは、独自のドメインから送る設定にしておくと、送信ドメインの認証に対応できます。認証の設定はKlaviyoの記事の「日本で配信を通すための設定」にまとめています。

参考にした情報

よくある質問

ステップメールとメルマガは、何が違いますか?

メルマガは、決めた日に、登録している人全員に同じ内容を送ります。ステップメールは、会員登録やカートへの追加などのきっかけを起点に、その人ごとに決めた順番と間隔で送ります。同じ日に送っても、受け取る人の状態に合った内容になるのが違いです。

ECでは、どのステップメールから作ればいいですか?

購入に近いものからです。チェックアウト離脱、カゴ落ちの順に組み、次に新しい購読者向けのウェルカム、初回購入後のフォローを組みます。商品閲覧の離脱と、しばらく買っていない人の呼び戻しは、そのあとです。

Shopifyで、ステップメールは無料で送れますか?

Shopify Messagingなら、毎月10,000通まで無料です。超える分は、1,000通あたり1米ドルからかかります。チェックアウト離脱のオートメーションは、通数に数えられず、常に無料です。

カゴ落ちメールは、メールの受け取りに同意していない人にも送れますか?

送らないほうが安全です。特定電子メール法では、広告や宣伝のメールは、原則として事前に同意した人にしか送れません。カゴ落ちのメールは商品の購入を促す内容なので、広告宣伝メールに当たると考えて、同意した人にだけ送ります。

ステップメールは、何通くらいがいいですか?

シナリオによります。チェックアウト離脱やカゴ落ちは2〜3通、ウェルカムは3〜4通、購入後は商品が届いてから次の購入の時期までに3〜4通が目安です。商品やサービスの種類が多いなら、ウェルカムは長めにします。『THE CRM』のゴルフダイジェスト・オンラインは、約1か月で20通あまり送っていました。

メルマガとステップメールは、同時に送っても大丈夫ですか?

1人に届く通数が多くなりすぎないようにします。『LTVの罠』に載っている調査では、週4回以上になると開封率とクリック率が下がり、週2〜3回ならほぼ落ちませんでした。ステップメールを受け取っている間は、メルマガを重ねて送らないようにすると、上限を超えにくくなります。

まとめ
  • ステップメール=きっかけを起点に、決めた順番と間隔で自動で送るメール。全員に同じ日に送るメルマガとは違う
  • ECのシナリオは6つ。ウェルカム、商品閲覧の離脱、カゴ落ち、チェックアウト離脱、購入後、呼び戻し
  • 組む前に、送り主として何者でいたいかと、育成の区切り(購読→初回→2回目)を決める
  • 組む順番は、購入に近いチェックアウト離脱とカゴ落ちから。次にウェルカムと購入後
  • 1人に届くのは週2〜3通までを上限の目安にする
  • Shopify Messagingのテンプレートで作れる。メールは毎月10,000通まで無料、チェックアウト離脱は数えない
  • カゴ落ちや呼び戻しは広告宣伝メールに当たる。同意した人にだけ送り、送信者の表示を入れる

この記事を書いた人永田 龍史

株式会社ULTRO 代表取締役

Shopify Partner。Shopifyストアの構築・保守・広告運用・CRMを一気通貫で担当。個人として運用した広告費は累計40億円超。計測設計から逆算して、利益が伸びる仕組みを作っています。Google 広告の認定資格(検索・ディスプレイ・動画・ショッピング・アプリ・P-MAX・測定)と Google アナリティクス認定資格を保有。

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