拡張コンバージョンとは?Google広告での仕組みとShopifyでの設定、2026年の変更点

gclidで広告とつながらなかった購入を、どう補うのか。設定の3つの方法と、Shopifyでの入れ方、2026年の統合で変わること、補えないものまで。
Google広告の管理画面で「拡張コンバージョンを設定してください」という案内を見て、何をするものか分からないまま放置している。あるいは、Shopifyのアプリで何となくオンにしたけれど、何が変わったのか分からない。拡張コンバージョンは、そういう扱われ方をしやすい機能です。
この記事では、拡張コンバージョンの仕組みを、広告のクリックと購入を結びつけるgclidとの関係から説明します。そのうえで、設定の方法、Shopifyでの入れ方、2026年に始まった設定の統合、そして拡張コンバージョンでは補えないものをまとめます。画面とヘルプは、2026年10月時点のものです。
拡張コンバージョンとは
拡張コンバージョンは、Google広告で、コンバージョンの計測を補う機能です。
購入した人がサイトで入力したメールアドレス、電話番号、氏名、住所などを、購入完了のタグで受け取り、SHA256という方式でハッシュ化してGoogleに送ります。ハッシュ化は、元の文字列に戻せない形に変換することです。Googleは、そのハッシュ値を、広告を見たりクリックしたりしたときにログインしていたGoogleアカウントの情報と照合し、どの広告から生まれた購入かを結びつけます。
Googleのヘルプでは、次の効果があると説明されています。
- 本来なら測定できなかったコンバージョンを回復する
- より良いデータで、入札の最適化を改善する
- 顧客データをハッシュ化して送ることで、プライバシーを守る
拡張コンバージョンには、ウェブ向けとリード向けの2種類があります。ECの購入を計測するのは、ウェブ向けです。リードの拡張コンバージョンは、サイトで問い合わせを受け、契約や購入がサイトの外で起きる業種向けです。
gclidとの関係:何を補うのか
先に図で示します。
Google広告は、ふだん次のようにして、広告のクリックと購入を結びつけています。
- 広告がクリックされると、リンク先のURLにgclidというIDが付く
- サイトのGoogleタグが、gclidをサイトのCookieに保存する
- 購入完了のページでタグが動くと、Cookieのgclidと一緒に購入がGoogleに送られる
この仕組みは、Cookieが残っていることが前提です。ブラウザの追跡防止機能でCookieの保存期間が短くされたり、利用者がCookieを消したり、スマホで広告を見てパソコンで買ったりすると、購入とクリックが結びつきません。結びつかない購入は、Google広告の画面ではコンバージョンとして数えられず、自動入札の学習にも使われません。
拡張コンバージョンは、ここを補います。Cookieの代わりに、購入時のメールアドレスなどのハッシュ値と、Googleアカウントの情報を使って結びつけるからです。gclidと拡張コンバージョンは、どちらかを選ぶものではなく、両方が同時に使われます。
設定の方法は3つ
ウェブ向けの拡張コンバージョンは、次の3つのどれかで設定します。
| 方法 | 向いている場合 |
|---|---|
| Googleタグ | サイトにGoogleタグを直接入れて、コンバージョンを計測している |
| Googleタグマネージャー(GTM) | GTMでGoogle広告のコンバージョンタグを入れている |
| Google Ads API | 自社のシステムから、購入のデータを直接送りたい |
GoogleタグとGTMでは、購入者のメールアドレスなどをどう拾うかを、次の3つから選びます。
- 自動で検出する:ページの中から、メールアドレスや電話番号らしい文字列をタグが探す。手間はいちばん少ない
- CSSセレクタかJavaScriptの変数で指定する:ページのどこにメールアドレスがあるかを指定する
- コードを追加する:購入時に、ハッシュ化したデータをコードで直接渡す。いちばん確実
購入完了のページにメールアドレスが表示されない場合でも、その前のページ(決済の入力画面など)で入力されていれば、自動で検出する方法が使えます。ただし、確実なのはコードで渡す方法です。
Google広告の管理画面でオンにする
拡張コンバージョンを使うには、Google広告の管理画面でオンにして、顧客データに関する規約に同意します。
- Google広告で、[目標]の[コンバージョン]にある[設定]を開く
- [拡張コンバージョン]のパネルを開き、[拡張コンバージョンをオンにします]にチェックを入れる
- ユーザー提供データの設定と管理の方法を、プルダウンから選ぶ(Googleタグ、Googleタグマネージャー、Google Ads API)
- 規約を確認して同意し、保存する
プルダウンで選んだ方法と、実際にデータを送る方法がずれていると、データが処理されないことがある、とヘルプにあります。たとえば[Googleタグ]を選んだまま、APIでデータを送っても使われません。
GTMを使う場合は、このあとGTMのGoogleタグの設定で、[ユーザー提供データ機能を許可する]を選び、データの拾い方を指定します。
Shopifyでの設定
Shopifyでは、Google & YouTubeアプリでGoogle広告のコンバージョンを計測していれば、アプリの中でオンにできます。
- Google & YouTubeアプリの[設定]タブを開く
- [Google 広告の設定]で[拡張コンバージョン]を探し、[オンにする]を選ぶ
- 顧客データに関する規約を確認して、同意する
Google広告アカウントを初めてアプリにつなぐときにも、オンにできます。
ほかの方法でGoogle広告のタグを入れていないか、先に確認します。 GTMやカスタムピクセルでもGoogle広告の購入タグを入れていると、アプリのタグと合わせて二重に計測されます。Googleのヘルプでも、アプリのコンバージョンをメインにして、以前のタグは削除するよう案内しています。どこで何が送られているかの切り分け方は、GA4の例ですがGA4のPurchaseが二重に入るときの切り分け表 — Shopify標準連携とGTMの境界と同じ考え方で進められます。
2026年の変更:設定が1つにまとまる
2026年に入って、拡張コンバージョンの設定が整理されています。先に図で示します。
Googleのヘルプに書かれている内容は、次のとおりです。
- 2026年4月以降:Google広告は、ウェブサイトのタグ、データマネージャー、APIからのユーザー提供データを、同時に受け取るようになる。どれか1つの方法を選んで実装する必要がなくなる
- 2026年6月以降:ウェブ向けとリードの拡張コンバージョンが、1つのオン・オフの機能にまとめられる。アカウントで別々にオン・オフを選ぶことはできなくなる
- 2026年6月15日以降:オフラインのコンバージョンのインポートと、リードの拡張コンバージョンのアップロードは、Data Manager APIに移り、Google Ads APIでは受け付けられなくなる
すでに拡張コンバージョンを使っていて、規約に同意済みなら、対応は不要で自動的に新しい設定に移ります。コンバージョン アクションごとにオフにすることは、引き続きできます。
ただし、ULTROの自社アカウントでは、2026年10月9日の時点で、画面はまだ「拡張コンバージョン」と「リードの拡張コンバージョン」の2つのパネルに分かれていました(上の画像)。切り替えはアカウントによって時期がずれるようなので、自社の画面がヘルプの説明と違っていても、慌てなくて大丈夫です。
拡張コンバージョンでは補えないもの
ここからは、ULTROの見方です。
拡張コンバージョンが補うのは、購入完了のタグは動いたけれど、広告のクリックと結びつかなかった購入です。タグそのものが動かなかった購入は補えません。
たとえば、次のような購入です。
- 決済のあと、購入完了のページを開く前に、利用者がブラウザを閉じた
- 外部の決済サービスに移ったまま、ストアに戻ってこなかった
- 広告ブロッカーなどで、Googleのタグそのものが読み込まれなかった
この場合、Googleには購入の情報が届いていないので、照合する材料がありません。ブラウザのタグだけに頼っている限り、拡張コンバージョンを入れても、この分は数えられないままです。
補うには、ストアの注文データからサーバー経由で送る方法を組み合わせます。Google広告ならAPI(2026年からはデータマネージャー)での送信、Meta広告ならコンバージョンAPIがそれに当たります。仕組みはコンバージョンAPIとは?ピクセルとの違いとShopifyでの設定に書いています。
同意の扱い。 Googleのヘルプは、サイトで集めるデータについて利用者に分かるように開示し、法律上必要な場合は同意を得るよう求めています。同意モードを入れている場合は、広告用のデータの同意が得られていないと、データは使われません。同意の考え方はCookie同意バナーは必要?ECの判断基準とGA4の同意モードにまとめています。
効果の確かめ方
入れた直後:コンバージョン ページで購入までテストし、Googleが配布している拡張コンバージョンのアシストツール(Chromeの拡張機能)や、Chromeのデベロッパーツールで、ハッシュ化されたデータが送られているかを確かめます。
数日後:Google広告のコンバージョン アクションの診断で、拡張コンバージョンのデータが届いているかを確認します。
およそ30日後:コンバージョン アクションの表で、拡張コンバージョンによって補われた分を確認できるようになります。
拡張コンバージョンで増えた分は、それまで見えていなかった購入です。広告の成果が急に良くなったわけではないので、前後の期間でCPAを比べるときは、計測の変わり目をまたいでいないかに気をつけます。
よくある勘違い
「拡張コンバージョンを入れれば、計測の取りこぼしはなくなる」。 補えるのは、タグは動いたけれどCookieで結びつかなかった購入です。タグが動かなかった購入は、サーバーからの送信で補います。
「メールアドレスをそのままGoogleに渡している」。 送る前にハッシュ化されるので、元のメールアドレスには戻せない形で送られます。ただし、規約への同意と、利用者への開示は必要です。
「Shopifyのアプリでオンにしたから、ほかのタグはそのままでいい」。 GTMなどで別にGoogle広告の購入タグを入れていると、二重に計測されます。アプリのタグを主にして、古いタグは外します。
Google広告とMeta広告の計測を、ブラウザのタグとサーバーからの送信を組み合わせて整える作業は、広告運用の支援の中で行っています。
参考にした情報
- 拡張コンバージョンについて(Google 広告 ヘルプ)
- 拡張コンバージョン(ウェブ向け)について(Google 広告 ヘルプ)
- 拡張コンバージョンの設定の更新(Google 広告 ヘルプ)
- Google タグ マネージャーを使って拡張コンバージョン(ウェブ向け)を設定する(Google 広告 ヘルプ)
- Shopify の Google & YouTube アプリでコンバージョン トラッキングをセットアップする(Google 広告 ヘルプ)
- Googleのヘルプは2026年10月9日に日本語版で確認しました。管理画面はULTROの自社アカウントで同日に確認しました
よくある質問
拡張コンバージョンとは何ですか?
Google広告で、コンバージョンの計測を補う機能です。購入時に入力されたメールアドレス、電話番号、氏名、住所などをハッシュ化してGoogleに送り、広告を見たりクリックしたりしたときにログインしていたGoogleアカウントと照合します。Cookieで広告とつながらなかったコンバージョンを補えるので、計測と自動入札の精度が上がります。
拡張コンバージョンとgclidの違いは何ですか?
gclidは、広告がクリックされたときにURLに付くIDで、サイト側のCookieに保存して、あとの購入と結びつけます。Cookieが消えたり、別の端末やブラウザで購入したりすると結びつきません。拡張コンバージョンは、メールアドレスなどのハッシュ値を使って、Googleアカウントの側から結びつけるので、gclidで結びつかなかった分を補えます。どちらかを選ぶものではなく、両方が同時に使われます。
Shopifyで拡張コンバージョンを設定するには?
ShopifyのGoogle & YouTubeアプリを使っているなら、アプリの[設定]タブにある[Google 広告の設定]で[拡張コンバージョン]の[オンにする]を選び、顧客データに関する規約に同意します。Google広告アカウントを初めてアプリにつなぐときにも、オンにできます。GTMなどで別にGoogle広告のタグを入れている場合は、二重に計測されていないかを先に確認します。
拡張コンバージョンを入れると、コンバージョン数はどれくらい増えますか?
決まった数字はありません。Cookieで結びつかなかった購入がどれくらいあるかによって変わります。Google広告では、拡張コンバージョンを入れてからおよそ30日たつと、コンバージョン アクションの表で、拡張コンバージョンによってどれだけ補われたかを確認できます。
個人情報を送って問題ありませんか?
送る前にSHA256という方式でハッシュ化され、元のメールアドレスなどには戻せない形で送られます。ただし、Googleの顧客データに関するポリシーへの同意が必要で、Googleのヘルプでも、サイトで集めるデータについて利用者に分かるように開示し、法律上必要な場合は同意を得るよう求めています。プライバシーポリシーに、広告の効果測定のためにこうしたデータを使うことを書いておきます。
2026年の拡張コンバージョンの変更で、何か対応が必要ですか?
すでに拡張コンバージョンを使っていて、顧客データに関する規約に同意済みなら、対応は不要で自動的に新しい設定に移ります。2026年4月以降、Googleタグ、データマネージャー、APIからのデータを同時に受け取るようになり、ウェブ向けとリードの拡張コンバージョンは1つのオン・オフにまとめられていきます。APIでオフラインのコンバージョンを送っている場合は、Data Manager APIへの移行が必要です。
- 拡張コンバージョン=購入時のメールアドレスなどをハッシュ化して送り、Googleアカウントと照合して計測を補う機能
- gclidはCookieで購入と結びつける。Cookieが消えた、別の端末で買った、という購入を拡張コンバージョンが補う
- 設定はGoogleタグ、GTM、Google Ads APIの3つ。ShopifyならGoogle & YouTubeアプリでオンにできる
- 2026年4月から、タグ・データマネージャー・APIのデータを同時に受け取る形に。ウェブ向けとリードは1つの設定にまとまっていく
- 購入完了のタグ自体が動かなかった購入は補えない。そこはサーバーからの送信など別の手当てが要る
- 効果は、入れてからおよそ30日後に、コンバージョン アクションの表で確認できる
この記事を書いた人永田 龍史
株式会社ULTRO 代表取締役Shopify Partner。Shopifyストアの構築・保守・広告運用・CRMを一気通貫で担当。個人として運用した広告費は累計40億円超。計測設計から逆算して、利益が伸びる仕組みを作っています。Google 広告の認定資格(検索・ディスプレイ・動画・ショッピング・アプリ・P-MAX・測定)と Google アナリティクス認定資格を保有。
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