Metaのカタログ広告(旧ダイナミック広告)とは|Shopifyの商品で出す設定と見る数字

ダイナミッククリエイティブとの違い、Shopifyの商品をカタログにつなぐ手順、照合率の確かめ方、商品セットの作り方、商品ごとの数字の見方まで。
Metaのカタログ広告は、ストアの商品を登録した「カタログ」から、見る人に合わせて商品を自動で選んで出す広告です。以前は「ダイナミック広告」と呼ばれていて、いまのMetaの画面とヘルプでは「Advantage+ カタログ広告」という名前になっています。
「ダイナミック広告」で検索すると、上位に「ダイナミッククリエイティブ」の解説が混ざっています。名前は似ていますが、別の機能です。また、上位の記事には数年前の画面のものや、提供が終わる機能を勧めているものもあります。
この記事では、Metaのヘルプをもとに、カタログ広告の仕組み、Shopifyの商品をつなぐ手順、出す前に確かめる照合率、商品セットの作り方、見る数字をまとめます。当社(株式会社ULTRO)が運営している海外向けのストア「the MA walls」のカタログで確かめたことも紹介します。内容は2026年10月11日時点のものです。
カタログ広告とは?
カタログ広告の見た目は、ふつうの画像、カルーセル、コレクションの広告と同じです。違うのは、どの商品を出すかを、Metaが見る人ごとに選ぶところです。選ぶ材料は、サイトでの行動(どの商品を見たか、カートに入れたか)と、Metaの中での行動です。
Metaのヘルプでは、使い道として次の3つが挙げられています。
| 使い道 | 内容 |
|---|---|
| リターゲティング | サイトで見た商品や、カートに入れたまま買っていない商品を出す |
| 新規のお客様の獲得 | サイトに来たことのない人に、関心がありそうな商品を出す |
| クロスセル・アップセル | 買った人に、関連する商品や上位の商品を出す |
リターゲティング全体の考え方はリターゲティング広告の記事で説明しています。
ダイナミッククリエイティブとの違い
| カタログ広告(旧ダイナミック広告) | ダイナミッククリエイティブ | |
|---|---|---|
| 何を変えるか | 出す商品 | 画像・見出し・本文の組み合わせ |
| 素材 | カタログの商品データ | 広告主が入れた画像や文章 |
| カタログ | 必要 | 使わない |
ダイナミッククリエイティブは、Metaのヘルプでは、売上の目的の新しい広告セットでは使えなくなったとされ、代わりに「フレキシブル広告フォーマット」が勧められています。売上の目的でフレキシブル広告を作るときは、カタログ広告をオフにする手順になっているので、2つは同時には使えません。
仕組み:カタログとイベントを照らし合わせる
カタログ広告が動くには、2つのデータがそろっている必要があります。
- カタログ:商品名、価格、画像、在庫、商品ページのURLなどを登録したもの
- イベント:Metaピクセル(とコンバージョンAPI)から送る、商品の閲覧(ViewContent)、カートへの追加(AddToCart)、購入(Purchase)の3つ。それぞれに、どの商品かを示す商品ID(content_ids)を付ける
イベントの商品IDが、カタログの商品IDと一致して初めて、「この人はこの商品を見た」とMetaが分かります。一致しない分は、広告で商品を選ぶ材料になりません。この一致の割合を「照合率」と呼びます。
ピクセルとコンバージョンAPIの関係はコンバージョンAPIの記事に、Shopifyでの入れ方の違いはShopifyでコンバージョンAPIを入れる3つの方法の記事にまとめています。
Shopifyの商品をカタログにつなぐ
Shopifyなら、Meta公式の「Facebook & Instagram」アプリ(販売チャネル)で、カタログとイベントの両方をつなげます。
- Shopify App Storeから「Facebook & Instagram」を入れ、Metaのビジネスアカウント、広告アカウント、ピクセル、カタログを選んでつなぐ
- データ共有の設定を選ぶ(下の表)
- カタログに載せたい商品を、販売チャネル「Facebook & Instagram」に含める
- チャネルの概要の「商品のステータス」で、同期できていない商品がないか確かめる
データ共有の設定は3段階あります。
| 設定 | 内容 |
|---|---|
| 標準 | ピクセルだけで送る |
| 強化 | ピクセルに加えてコンバージョンAPIでも送る。氏名やメールアドレスなどの照合用の情報も送る |
| 最大 | 強化と同じ情報に加え、Metaの新しい広告の仕組みにも合わせて更新される |
自動で送られるイベントは、ページの表示、商品の閲覧、検索、カートへの追加、決済の開始、支払い情報の追加、購入の7つです。カタログ広告に要る3つはすべて入っています。
同期の条件と、気をつけること
Shopifyのヘルプでは、次の条件を満たさない商品は同期されないとされています。
- 配送が必要な商品であること(デジタル商品は同期されない)
- ストアに返品ポリシーがあること
- 商品カテゴリが設定されていること
- 無料の商品ではないこと
- アーカイブした商品ではないこと
商品は数分おきに自動で同期されます。商品名や価格の修正はShopify側で行います。 コマースマネージャで直しても、次の同期で上書きされます。
出す前に、照合率を確かめる
照合率は、コマースマネージャでカタログを開き、「イベント」の画面で確かめます。
- 直近28日分が、最大48時間遅れで表示される
- Metaのヘルプの目安は、75%以上、できれば90%以上
- 問題があれば「重大な問題と警告」に理由が出る。問題のレポートもダウンロードできる
照合率が低いときのよくある原因は、次のとおりです。
| 原因 | 内容 |
|---|---|
| IDの書き方 | content_ids の末尾の「s」が抜けている、複数のIDを1つの文字列にまとめてしまっている(['123,456'] など) |
| カタログにない商品 | 削除した商品や、販売チャネルに含めていない商品のIDが送られている |
| カタログが分かれている | 同じ商品を複数のカタログに分けると、カタログごとの照合率が下がる |
当社のストアのカタログでは、直近28日の照合率は約93%で、目安の90%を超えていました。一方で、「カタログにない商品IDが送られている」という指摘も出ていました。Shopifyのアプリでつないでいても100%にはならないので、指摘の中身を見て、販売チャネルから外れている商品がないかを確かめています。
商品セットを作る
商品セットは、カタログの中から広告に出す商品を絞ったグループです。作り方は2つあります。Shopifyのコレクションをそのまま使う方法と、コマースマネージャで、条件で絞るか商品を1つずつ選んで作る方法です。
Metaのヘルプでは、商品セットの商品数に下限があります。コレクション広告では4点、カルーセル広告では2点で、下回ると広告が止まることがあります。サイズや色の違いだけの商品(バリエーション)や、同じ画像の商品は1点と数えます。
Shopifyのコレクションが、そのまま商品セットになる
「Facebook & Instagram」アプリでつないでいると、Shopifyのコレクションが、同じ名前の商品セットとしてカタログに入ります。当社のストアでも、新着、ランキング、テーマ別のコレクションが、それぞれ商品セットとして同期されていました。
あとからShopifyでコレクションの商品を入れ替えても、カタログの商品セットに反映されます。条件で商品が決まる自動のコレクションなら、新しい商品を登録した時点でコレクションに入り、そのまま広告の商品セットにも入ります。
運用の面では、これがいちばん手間を減らしてくれます。
| コマースマネージャで商品セットを作る | Shopifyのコレクションを使う | |
|---|---|---|
| 商品の入れ替え | コマースマネージャでも直す | Shopifyで直すだけ |
| 新商品の追加 | 商品セットの条件に合うか確かめる | コレクションに入れば広告にも入る |
| サイトと広告の並び | 別々に管理する | 同じコレクションでそろう |
サイトの特集と広告で出す商品を同じコレクションで管理できるので、セールや新作のたびに2か所を直す必要がありません。
なお、Shopifyのヘルプには、米国以外のストアではコレクションは同期されないと書かれています。日本の当社のストアでは同期されていたので、ヘルプの記載が実際の動きに追いついていない可能性があります。
コレクションで作りにくい条件だけ、コマースマネージャで作る
当社のストアでは、同じ作品を複数のサイズで売っています。全商品のままカタログ広告を出すと、同じ作品のサイズ違いが並ぶおそれがあるので、広告用の商品セットは、サイズを1つ(18×24インチ)に絞る条件で作っています。商品の数が多いストアほど、「同じものが並ばないか」という目で絞り方を決めると、広告の見え方が整います。
このように、サイズや価格帯など、商品の属性で絞りたいときだけコマースマネージャで商品セットを作り、それ以外はShopifyのコレクションに任せると、管理する場所が少なくて済みます。
キャンペーンでオンにする
いまの作り方では、売上の目的のキャンペーンを作り、キャンペーンの設定で「Advantage+ カタログ広告」をオンにしてカタログを選びます。広告セットの「宣伝する商品」で、使う商品セットを選びます。
Metaのヘルプには、カタログを選ぶのはキャンペーンを作るときだけになる新しい作り方へ移っている、と書かれています。画面は変わることがあるので、作るときに確かめてください。売上のキャンペーンの設定全体はAdvantage+の記事で説明しています。
配信先は、使い道に合わせて分けます。
| 使い道 | オーディエンス |
|---|---|
| リターゲティング | カタログを使ったカスタムオーディエンス(商品を見た人、カートに入れた人など)を含める |
| 新規のお客様 | ブロードオーディエンス(年齢や地域などだけで、広く設定する)。最近買った人は除外する |
画像の見せ方
- 画像は2枚以上:Metaは、商品ごとに2枚以上の画像を入れるよう勧めています。当社のカタログでも、画像が1枚の商品に、この勧めが出ていました
- ダイナミックオーバーレイ:価格、元の価格、割引率、送料無料を画像に重ねられます。表示されるのはFacebookのフィードだけです
- フレーム:画像に枠を付ける機能は、2026年10月30日で提供を終え、画像テンプレートに置き換わるとされています。古い記事でフレームを勧めていても、これから設定するなら使わない前提にします
見る数字
カタログ広告で見る数字は、ふつうの売上のキャンペーンと同じで、購入の件数、購入単価、購入のROASです。そのうえで、カタログ広告ならではの見方が2つあります。
1. 商品ごとに見る
広告マネージャの内訳で「商品ID」を選ぶと、どの商品が表示され、どの商品が買われたかを商品ごとに見られます。商品を自動で選ぶ広告なので、どの商品で成果が出ているかは、この内訳でしか分かりません。広告費ばかり使って売れない商品があれば、商品セットから外す判断ができます。
2. リターゲティングと新規は分けて見る
これはMetaの公式の推奨ではなく、当社の見方です。リターゲティングは、すでにサイトで商品を見た人に出すので、ROASは高く出やすくなります。新規向けと同じ広告セットで合算すると、新しいお客様を連れてこられているのかが見えません。広告セットを分けて、それぞれ別の基準で評価します。
Shopifyのヘルプでは、配信を始めてから4〜5日は判断を控えるよう書かれています。リターゲティングは同じ人に何度も出しやすいので、フリークエンシーの記事の見方で、表示の回数もあわせて確かめます。
追いかけすぎに気をつける
ネットショップ運営の本『ひとりEC』では、広告の優先順位として、立ち上げ期は検索広告とリターゲティング(すでに知っている人)、成長期にショッピング広告やFacebookなどの広告に広げる順番が示されています(2022年刊で、広告メニューの名前は当時のものです)。予算が少ないうちは、まずリターゲティングでカタログ広告を使う、という順番は今も参考になります。
一方で、アルゴリズムによる推薦を論じた『Filterworld』で著者は、一度見た家具の広告にあちこちで追いかけられ、自分の好みそのものを疑うようになった経験を書いています。リターゲティングは効きやすい反面、出しすぎると嫌われます。表示の回数に上限の目安を決め、買った人は外しておきます。
うまく動かないとき
| 症状 | 確かめること |
|---|---|
| 商品がカタログに入らない | 販売チャネル「Facebook & Instagram」に含めているか。配送が必要な商品か、商品カテゴリと返品ポリシーがあるか |
| 商品が不承認になる | コマースマネージャのカタログの「商品」で「問題」の絞り込みを見る。商品を直すと自動で再審査される |
| 画像が表示されない | 画像が8MBを超えていないか、URLに空白がないか。画像を差し替えてもURLが同じだと更新されないことがある |
| 照合率が低い | 上の「照合率が低いときのよくある原因」を確かめる |
| 広告が止まった | 商品セットの商品数が下限(コレクション4点、カルーセル2点)を下回っていないか |
参考にした情報
- Advantage+ カタログ広告について(Metaビジネスヘルプセンター)
- ダイナミッククリエイティブについて(Metaビジネスヘルプセンター)
- Advantage+ カタログ広告に必要なイベント(Metaビジネスヘルプセンター)
- カタログのイベントの照合率(Metaビジネスヘルプセンター)
- 売上のキャンペーンでカタログ広告を作る(Metaビジネスヘルプセンター)
- 商品セットについて(Metaビジネスヘルプセンター)
- ダイナミックオーバーレイ(Metaビジネスヘルプセンター)
- カタログ広告のフレーム(Metaビジネスヘルプセンター)
- Shopifyとカタログの連携(Metaビジネスヘルプセンター)
- Facebook & Instagramで商品を公開する(Shopifyヘルプセンター)
- Facebookのデータ共有(Shopifyヘルプセンター)
- ひとりEC 個人でも売上を大きく伸ばせるネットショップ運営(三浦卓也)
- Filterworld: How Algorithms Flattened Culture(Kyle Chayka)
よくある質問
ダイナミック広告とダイナミッククリエイティブは同じですか?
別の機能です。ダイナミック広告(いまのAdvantage+ カタログ広告)は、カタログの商品から見る人に合わせて出す商品を選びます。ダイナミッククリエイティブは、広告主が入れた画像や見出しを組み合わせて出し分ける機能で、カタログは使いません。
カタログ広告を出すのに必要なものは?
商品のカタログと、Metaピクセル(できればコンバージョンAPIも)です。ピクセルでは、商品の閲覧、カートへの追加、購入の3つのイベントを、カタログと同じ商品IDを付けて送る必要があります。Shopifyの「Facebook & Instagram」アプリを使えば、この両方をまとめて設定できます。
照合率はどこで見られますか?
コマースマネージャでカタログを開き、「イベント」の画面で見られます。直近28日分が、最大48時間遅れで表示されます。Metaのヘルプでは、75%以上、できれば90%以上が目安とされています。
Shopifyのコレクションは商品セットになりますか?
なります。「Facebook & Instagram」アプリでつなぐと、Shopifyのコレクションが同じ名前の商品セットとしてカタログに入ります。Shopifyのヘルプには米国以外のストアでは同期されないと書かれていますが、日本の当社のストアでも同期されていました。あとからコレクションの商品を入れ替えても、商品セットに反映されます。
フレームはまだ使えますか?
Metaのヘルプでは、カタログ広告の画像に枠を付けるフレームは2026年10月30日で提供を終え、画像テンプレートに置き換わるとされています。価格や割引率を画像に重ねるダイナミックオーバーレイは、Facebookのフィードでだけ表示されます。
- カタログ広告(旧ダイナミック広告)は、カタログとイベントを照らし合わせて、人ごとに出す商品を自動で選ぶ広告
- ダイナミッククリエイティブは別の機能。検索結果でも混ざっているので注意
- Shopifyは「Facebook & Instagram」アプリで商品とイベントをつなぐ。商品の編集はShopify側で行う
- 出す前に照合率を確かめる。目安は75%以上、できれば90%以上
- Shopifyのコレクションは、そのまま商品セットとして同期される。商品の入れ替えもShopify側だけで済み、運用の手間が減る
- 商品セットは、同じ商品のサイズ違いが並ばないように絞ると見え方が整う
- 結果は「商品ID」の内訳で商品ごとに見る。リターゲティングと新規向けは分けて評価する
この記事を書いた人永田 龍史
株式会社ULTRO 代表取締役Shopify Partner。Shopifyストアの構築・保守・広告運用・CRMを一気通貫で担当。個人として運用した広告費は累計40億円超。計測設計から逆算して、利益が伸びる仕組みを作っています。Google 広告の認定資格(検索・ディスプレイ・動画・ショッピング・アプリ・P-MAX・測定)と Google アナリティクス認定資格を保有。
経歴と執筆記事81本を見る → Xでフォローする @Ryushi_ULTRO →自分のストアでは、どうなっているか。
無料診断では、あなたのShopifyの実データを見てサイトの健康状態を確認し、何から直すべきかを改善案とあわせてご提案します。