UGCとは?ECの商品ページと広告での使い方、集め方と許可の取り方

依頼した投稿との違い、商品ページ・広告・メールでの使い方、レビューと投稿の集め方、使う前の許可の取り方まで。
商品ページに並ぶお客様のレビューや、Instagramに投稿された「買ってよかった」の写真。こうした、お客様が自分で作ったコンテンツをUGCと呼びます。
UGCは、ECの売上に直接効く素材です。ただ、どこに使えばいいのか、どうやって集めるのか、お客様の投稿を勝手に使っていいのか、で迷う人も多いはずです。この記事では、UGCの意味と、ECでの使い方、集め方、使う前の許可の取り方をまとめます。
UGCとは
UGCは、User Generated Content(ユーザー生成コンテンツ)の略です。企業ではなく、お客様など一般の利用者が作ったコンテンツのことを指します。
ECで扱うUGCは、主に次のようなものです。
- 商品ページのレビューや星の評価
- InstagramやTikTokなどに投稿された、商品の写真や動画
- X(旧Twitter)やブログの口コミ
- お問い合わせやアンケートで寄せられた感想
依頼した投稿・自社の発信との違い
UGCと混同しやすいのが、インフルエンサーに依頼した投稿です。3つを並べると、違いがはっきりします。
| UGC | 依頼した投稿(インフルエンサーなど) | 自社の発信 | |
|---|---|---|---|
| 作る人 | お客様 | ブランドが依頼した人 | ブランド |
| ブランドの関わり | なし(自分から投稿) | 商品や報酬を渡して依頼する | すべて自社で作る |
| 広告であることの表示 | 不要 | 必要 | 広告として出す場合は、広告の枠で出る |
| 見る人からの信頼 | 高い | 依頼の仕方と、続け方による | 低くなりがち |
お客様の投稿でも、ブランドが報酬を渡して投稿をお願いした場合は、依頼した投稿として扱います。広告であることを示してもらう必要があります。
インフルエンサーへの依頼の仕方はECのインフルエンサー施策の始め方|声のかけ方、報酬の設計、代理店との違いにまとめています。
なぜUGCが売上に効くのか
ここからは、ULTROの見方です。
ブランド自身の言葉より、使った人の言葉のほうが信じてもらいやすい。 「使いやすい」とブランドが書くのは当たり前です。同じことを、利害のないお客様が書くと、受け取られ方が変わります。
自分が使ったときの様子を想像しやすい。 ブランドの写真は、商品をきれいに見せることが中心です。お客様の写真には、実際の部屋に置いたところ、実際に着たところが映ります。サイズ感や色の見え方など、商品ページの説明だけでは分かりにくいことが伝わります。
買う前の不安を減らせる。 「思っていたより小さくないか」「肌に合うか」といった不安は、同じ不安を持っていた人のレビューで解けることがよくあります。
本に載っている根拠
この見方は、次の本に載っている調査や実験とも合っています。
- 『コトラーのマーケティング4.0』には、ニールセンが2015年に60か国で行った調査が引かれています。83%の人が友人や家族を最も信頼できる情報源とし、66%がネット上の他人の意見に注意を払う、という結果です
- 『影響力の武器 実践編』では、ホテルのタオルの再利用を呼びかけるカードの実験が紹介されています。環境保護を訴えるだけの文より、「宿泊客の大多数が再利用しています」と書いたほうが再利用は26%多く、「この部屋に泊まった方の大多数が」とすると33%多くなりました。自分と状況が近い人の行動ほど、人は影響を受けます
- 同じ本には、逆の例もあります。「毎年たくさん持ち去られている」と書いた看板を立てると、看板がないときより持ち去りが増えました(看板なし2.92%、看板あり7.92%)。「〜する人が多い」と、望ましくない行動を広めてしまう書き方は逆効果になります
- 『SNSマーケティング7つの鉄則』には、買うのを迷ったときに最も参考にする人を1人だけ選んでもらったアンケートが載っています。家族や友人が41.0%、お店の販売員が28.5%、特定の分野に詳しい小規模なインフルエンサーが13.0%で、フォロワー100万人を超えるインフルエンサーは5.0%でした
実験は2000年前後の欧米のものが中心で、ECで同じ大きさの効果が出るとは限りません。ここからはULTROの見方ですが、商品ページでは「同じ用途・同じ悩みの人のレビュー」を探しやすくすることが、2つ目の実験の当てはめになると考えています。
ECでUGCを使う場所
UGCは、主に3つの場所で使います。先に図で示します。
表にすると、次のとおりです。
| 場所 | 使い方 | 気をつけること |
|---|---|---|
| 商品ページ | レビューと星の評価、お客様の写真を、商品の説明の近くに並べる | 良いものだけを選ばない |
| 広告 | 許可を取った投稿の写真や動画を、広告の素材にする。投稿者の名義で出すならパートナーシップ広告 | 使う前に許可を取る。広告として表現の内容に責任を持つ |
| メール・SNS | 購入後のメールや自社のSNSで、お客様の使っている様子を紹介する | 使う前に許可を取る |
商品ページ
商品ページでは、レビューを商品の説明の近くに置きます。写真付きのレビューは、サイズ感や色の見え方を伝えるのに特に役立ちます。
レビューの数の目安として、モール(Amazon・楽天市場・Yahoo!ショッピング)の集客を扱った『売れるEC「最強」集客大全』は、点数4以上・件数50件以上を挙げています。著者の会社の分析では、50件前後を境にCVRが大きく上がったそうです。分析の対象や母数は書かれていないので、目安として受け取ってください。
良いレビューだけを選んで並べると、かえって信じてもらえなくなります。低い評価のレビューにはブランドから丁寧に返信しておくと、同じ不安を持つ人の判断材料になります。
商品ページの構成全体の考え方は商品ページを作る前に決めること — カタログ・検索・AI検索から逆算した構成に書いています。
広告
お客様の写真や動画は、広告の素材としても使えます。ブランドが撮った写真の広告と並べて配信し、どちらの反応が良いかを比べます。
投稿者の名前で広告を出したいときは、Meta広告のパートナーシップ広告を使います。投稿者から広告コードかアクセス許可をもらう必要があります。仕組みはMetaのパートナーシップ広告とは?配信の仕方と、ECでやる理由にまとめています。
広告に使うと、その内容は自社の広告になります。お客様が書いた言葉であっても、効果を言い過ぎている表現が入っていれば、広告として問題になりえます。化粧品や健康食品のように表現の決まりが厳しい商品では、特に気をつけます。判断に迷うときは、専門家に確認してください。
メール・SNS
購入後のメールで、同じ商品を買った人の使い方を紹介すると、使い始めの不安を減らせます。自社のSNSで、お客様の投稿を紹介することもできます。どちらも、使う前に許可を取ります。
自社の商品は、UGCが出やすいか
集める仕組みを作る前に、自社の商品でお客様が投稿してくれそうかを見ておきます。『SNSマーケティング7つの鉄則』は、「UGCが出ているか」「ブランド名や商品名で検索されているか(指名検索)」の2つで、商品を3つに分けています。
| UGC | 指名検索 | 進め方 |
|---|---|---|
| 出ている | ある | 今出ているUGCを増やし、商品ページや広告で使う |
| 出ていない | ある | 投稿してもらうきっかけを作る。真似しやすい見本を見せる |
| 出ていない | ない | 汎用品に近い。UGCを生むには企画と費用がかかる |
同書は、1つ目でUGCを生むのにかかる費用を1とすると、2つ目は3倍、3つ目は10倍ほどが目安だとしています。3つ目に当たるなら、UGCに費用をかけず、ほかの広告と費用対効果を比べて決めるという判断もあります。
出ているかどうかは、自社のブランド名や商品名でSNSを検索して確かめます。自社の投稿が見つからなくても、商品のカテゴリー名(たとえば「アイロン」)で投稿が出ていれば、そのカテゴリーでは生まれる余地がある、というのが同書の見方です。
同書は、UGCが出にくい商品として次の3つを挙げています。
- 関心が薄く、話題にする理由がない商品(ゴミ袋、乾電池など)
- 使っていると人に言いにくい商品(口臭ケア、ニキビ治療など)。SNSへの投稿より、商品ページのレビューを集めるほうが向いています
- 高額で、買う人がとても少ない商品
1種類の商品だけを売る単品通販も、話題の種が少ないので出にくい側に入りやすい、と書かれています。
UGCの集め方
UGCは、待っているだけではなかなか集まりません。集まる仕組みを作ります。
購入後にレビューをお願いする。 商品が届いて、使い始めたころにメールを送ります。早すぎると使う前なので書けず、遅すぎると忘れられます。届いてから数日〜2週間程度を目安に、商品の使い切りの時期などに合わせて決めます。メールの設計はKlaviyoとは?料金の見方とShopifyでの使いどころでも触れています。
ハッシュタグやタグ付けを案内する。 商品ページ、同梱物、自社のSNSのプロフィールで、「#ブランド名で投稿してください」「@アカウント名をタグ付けしてください」と案内します。タグ付けされた投稿は、自社のアカウントから見つけやすくなります。
真似しやすい見本を見せる。 「このように撮ってください」と写真の見本を見せたり、投稿の文の型を示したりすると、投稿のハードルが下がります。前述の本では、良い投稿を自社のアカウントで紹介していくと、紹介されたいお客様の投稿が増えていく、と書かれています。
写真付きのレビューを書きやすくする。 レビューのアプリで写真を付けられるようにしておくと、商品ページで使える素材が増えます。
特典を付けるときは、書いてもらう内容に条件を付けない。 レビューへのお礼にポイントなどを付けることはありますが、「良い評価を書いたら」のような条件は付けません。良い評価だけが集まると、信頼を失います。
使う前に許可を取る
お客様の投稿を使うときに、いちばん気をつけたいのが許可です。
投稿の写真や文章の権利は、投稿した人にあります。自社のアカウントをタグ付けしてくれた投稿でも、それだけで「ブランドが自由に使ってよい」という意味にはなりません。商品ページや広告に使う前に、許可を取ります。
許可の取り方を、先に図で示します。
1つずつ見ると、次のとおりです。
- 使いたい投稿を見つける:タグ付けやハッシュタグの投稿から探す
- 投稿者に連絡する:InstagramのDMや投稿へのコメントで、使わせてほしいと伝える
- 使う場所と期間を伝える:商品ページか、広告か、メールか。いつまで使うか。写真を切り抜くなど加工するか
- 許可をもらい、記録する:返事のスクリーンショットなどを、投稿のURLと一緒に保存しておく
- 使う:投稿者の名前を添えるかどうかも、許可のときに確かめておく
許可の記録は、あとで「使ってよいと言った覚えはない」と言われたときに、確かめる材料になります。使う期間が終わったら、外すことも忘れないようにします。
UGCの効果をどう測るか
UGCは、1件ずつ売上と結びつけて測るのが難しい施策です。前述の本は、UGCの数と指名検索の数、指名検索と売上の動きを並べて見る方法を紹介しています。あるヘアケアメーカーの例では、投稿の数とブランド名の検索数、検索数と販売金額が、同じように動いていました。
実務では、次の3つを月ごとに並べます。
- 自社のブランド名や商品名を含む投稿の数(SNSの検索や、投稿を集計するツールで数える)
- 指名検索の数(Google Search ConsoleやGoogleトレンドで見る)
- 新規のお客様の数と売上
ただし、テレビで紹介された、大きなセールをしたなど、投稿と検索の両方を同時に増やす出来事もあります。動きが重なったからといって、UGCが売上を増やしたとは言い切れません。施策を始めた時期と、ほかの出来事をメモしておくと、あとで見分けやすくなります。同書の調査はTwitter(現X)の投稿が中心で、Instagramが中心の商材では同じ形にならない可能性があります。
よくある勘違い
「タグ付けしてくれた投稿は、自由に使っていい」。 タグ付けは、ブランドに見てほしいという意思表示であって、使ってよいという許可ではありません。使う前に許可を取ります。
「レビューは多ければ多いほどいい」。 数も大事ですが、写真付きで、サイズ感や使い方が具体的に書かれているレビューのほうが、買う人の役に立ちます。
「UGCを使えば、広告であることを示さなくていい」。 お客様が自分から投稿したものはUGCですが、報酬を渡して頼んだ投稿は、依頼した投稿として扱います。また、ブランドが広告に使えば、それは自社の広告です。
UGCを広告の素材にして、ブランドの写真の広告と比べながら売上につなげる設計は、広告運用の支援で行っています。
参考にした情報
よくある質問
UGCとは何ですか?
User Generated Contentの略で、企業ではなく、お客様など一般の利用者が作ったコンテンツのことです。商品のレビューや口コミ、SNSに投稿された写真や動画、ブログの記事などが含まれます。
UGCとインフルエンサーの投稿は、何が違いますか?
UGCは、お客様が自分から投稿したものです。インフルエンサーの投稿は、ブランドが依頼し、商品や報酬を渡して投稿してもらうものが多く、その場合は広告として扱われ、広告であることを示す必要があります。お客様の投稿でも、ブランドが報酬を渡して投稿を頼んだ場合は、依頼した投稿として扱います。
お客様のInstagramの投稿を、商品ページや広告に使ってもいいですか?
使う前に、投稿した人から許可を取ります。投稿の写真や文章の権利は、投稿した人にあります。自社をタグ付けしてくれた投稿でも、使ってよいという意味にはなりません。どこに、どのくらいの期間使うかを伝えて、許可をもらい、そのやりとりを記録しておきます。
UGCを集めるには、どうすればいいですか?
購入後、商品が届いて使い始めたころにレビューをお願いするメールを送る、商品ページや同梱物でハッシュタグやタグ付けを案内する、といった方法があります。レビューに写真を付けてもらう仕組みがあると、商品ページで使える素材が増えます。
良いレビューだけを選んで載せてもいいですか?
おすすめしません。良いものだけが並んでいると、かえって信じてもらえなくなります。低い評価のレビューにも、ブランドから丁寧に返信しておくと、買う前の不安を解く材料になります。
- UGC=お客様など一般の利用者が作ったコンテンツ。レビュー、口コミ、SNSの投稿、写真や動画
- 自分から投稿したものがUGC。報酬を渡して頼んだ投稿は、依頼した投稿として扱い、広告であることを示す
- ECで使う場所は、商品ページ(レビュー・写真)、広告(許可を取った投稿)、メールやSNS
- 集めるには、購入後のレビュー依頼、ハッシュタグやタグ付けの案内などの仕組みを作る
- 投稿の権利は投稿者にある。使う場所と期間を伝えて許可を取り、記録しておく
- 広告に使うと自社の広告になる。表現の内容にも気をつける
この記事を書いた人永田 龍史
株式会社ULTRO 代表取締役Shopify Partner。Shopifyストアの構築・保守・広告運用・CRMを一気通貫で担当。個人として運用した広告費は累計40億円超。計測設計から逆算して、利益が伸びる仕組みを作っています。Google 広告の認定資格(検索・ディスプレイ・動画・ショッピング・アプリ・P-MAX・測定)と Google アナリティクス認定資格を保有。
経歴と執筆記事81本を見る → Xでフォローする @Ryushi_ULTRO →自分のストアでは、どうなっているか。
無料診断では、あなたのShopifyの実データを見てサイトの健康状態を確認し、何から直すべきかを改善案とあわせてご提案します。