Shopify Knowledge Baseの使い方|AIに読ませるFAQの作り方と、未回答の質問の埋め方

Shopify Knowledge Baseは、画面が英語だけで、日本語の解説もまだ少ないアプリです。画面の表記の意味と手順、自社ストアで実際に入れているFAQの中身から、どの質問から書くかまで整理します。
Shopify Knowledge Baseは、AIがストアについて答えるときに使うFAQ(よくある質問と回答)を管理する、Shopifyの公式アプリです。AIで買い物をする人が増えるなかで、配送や返品、商品の使い方についてAIが正しく答えられるようにするためのものです。
アプリの画面は英語だけで、日本語の解説はまだ多くありません。この記事では、画面の表記の意味、FAQの追加と上書きの手順、AIが答えられなかった質問の埋め方を、公式ヘルプをもとに整理します。あわせて、当社(株式会社ULTRO)が運営している海外向けのストア「the MA walls」で、どんな質問を入れているかも紹介します。内容は2026年10月時点のものです。
Shopify Knowledge Baseとは
公式ヘルプでは、次のように説明されています。
- AIのショッピングの場で、ストアの情報を正しく伝えるためのアプリ
- FAQは、AIがストアについての回答を作るときの「信頼できる情報源」になる
- FAQはストアの画面には表示されない
- AIの結果にストアが出る回数には影響しない
つまり、AIに紹介されやすくするための道具ではなく、AIが答えるときの中身を正確にするための道具です。自社で作ったAIエージェント(Shopify Agent Platform)に来た質問も、このアプリで追えると書かれています。
どのAIで使われるのか
どのAIがこのFAQを読むのか、公式ヘルプには名前が挙がっていません。分かっていることと、分かっていないことを分けます。
| 内容 | 確度 |
|---|---|
| AIプラットフォーム向けの情報源として使われる | 事実(公式ヘルプ) |
| ShopifyのAIチャット(Shopify Inbox)や、Shopifyが仲介するAIの販売チャネルで使われる | 推測 |
| ChatGPTなどで、ストアの紹介に必ず使われる | 保証なし |
Shopifyのチャットでの使い方は、Shopify Inboxの記事で説明しています。
画面の表記と意味
画面が英語なので、主な表記と意味を先に並べます。
| 表記 | 意味 |
|---|---|
| Store FAQs | ストアのFAQの一覧 |
| Default | ストアの設定から自動で作られたFAQ |
| Custom | 自分やスタッフが手動で作ったFAQ |
| Add FAQ | FAQを追加する |
| Override | 自動のFAQの回答を上書きする |
| Return to default | 上書きをやめて、自動の回答に戻す |
| Delete FAQs | 手動で作ったFAQを削除する(元に戻せない) |
| Top unanswered questions | AIが答えられなかった質問の上位 |
| View full query log | 届いた質問の記録をすべて見る |
| Matched to | その質問に、どの情報やFAQが当たったか |
| Test your knowledge base | テストの質問を送って、どのFAQが当たるか確かめる |
質問の記録は、すべて/回答できた(Answered)/回答できなかった(Unanswered)で絞り込めます。列には、質問したAI(Agent)、質問の内容、当たった情報、日付が並びます。商品がAIの会話に出始めるまでは、記録は表示されません。
使い方の手順
1. アプリを入れる
Shopify App Storeから「Shopify Knowledge Base」を入れます。入れたあとは、管理画面の「アプリ」→「Knowledge Base」から開きます。
2. 自動で作られたFAQを確かめる
最初に、Store FAQsを「Default」で絞り込みます。言語の設定、お客様アカウントの設定、配送の設定、返品ルールなどから、FAQが自動で作られています。
自動のFAQは削除できません。回答が違っていたら、情報源の横の「Override」を押して上書きします。ただ、自動のFAQはストアの設定から作られるので、配送や返品の設定が古いなら、設定のほうを直すのが先です。設定を直さずにFAQだけ上書きすると、チェックアウトの表示とFAQの回答が食い違います。
3. FAQを追加する
- 「Add FAQ」を押す
- 「Question」に質問を書く
- 「Answer」に回答を書く。公式ヘルプの目安は1〜2文
- 「Save」を押す
手動で作ったFAQと上書きしたFAQは、メタオブジェクトとしても保存され、管理画面の「コンテンツ」→「メタオブジェクト」からも編集できます。当社のストアでは、質問(question)、回答(answer)、出典(sources)の3つの項目を持つ定義に入っていました。
4. 答えられなかった質問を埋める
「Top unanswered questions」に、AIが答えられなかった質問が上から並びます。質問にカーソルを合わせて「Answer」を押し、回答を書いて保存します。保存すると、その質問がFAQとして追加されます。
5. テストで確かめる
「FAQ query log」の欄にある「Test your knowledge base」から、テストの質問を送れます。どの情報やFAQに当たったかが表示され、何にも当たらなければ「Unanswered」と出ます。追加したFAQに、言い方を変えた質問でも当たるかを確かめておくと安心です。
どの質問から書くか
公式ヘルプは手順の説明までで、何を書けばよいかには触れていません。当社のストアで入れているFAQを分類すると、次のようになります。
| 分類 | 当社のストアで入れている質問の例 |
|---|---|
| 配送 | 海外に送れるか、届くまでの日数、送料、注文した商品が一緒に届くか |
| 関税・税 | 関税や輸入税がかかるか |
| 返品・変更 | 返品や返金の条件、注文のキャンセルや住所の変更 |
| サイズ・仕様 | サイズの選び方、額の色、ポスターに白い縁があるか |
| 支払い | 使える支払い方法、価格の通貨 |
| 独自機能の使い方 | ARの使い方、ARで作品が浮いて見えるときの対処、サイズ比較の使い方 |
| 会社・問い合わせ | どんな会社か、問い合わせ先、電話での対応の有無 |
書く順は、購入の直前で止まりやすい質問からがよいと考えています。配送、関税、返品、サイズは、答えが分からないとカートに入れたまま離れてしまう質問です。
ネットショップ運営の本『ひとりEC』で著者は、チャットが効くのは購入を迷っている「一つだけ疑問がある人」だ、と書いています。AIが答える場面でも同じで、その一つの疑問に正しく答えられるかで結果が変わる、と当社は見ています(ここは推測です)。
独自の機能は、使い方と「うまくいかないとき」をセットで
当社のストアでは、商品ページにAR(作品を自分の部屋の壁に試せる機能)を入れたときに、使い方だけでなく、「作品が壁から浮いて見える」「大きすぎる・小さすぎる」といった、うまくいかないときの対処もFAQに入れました。自社だけの機能は、AIがほかから情報を得られないので、こちらで書いておかないと答えようがないからです。ARを入れた経緯はARを入れた記録に書いています。
ポリシーを変えたら、FAQも直す
返品のルールや支払い方法を変えたら、FAQの回答も同じ日に直します。当社でも、返品と支払い方法のFAQを2026年10月に書き直しています。古い回答が残っていると、AIがお客様に古い条件を伝えてしまいます。
気をつけること
- 画面は英語だけ:手順は上の表記の表を見ながら進めてください
- FAQはストアの主要言語で作る:同じFAQを複数の言語で持つことはできません。複数の言語で売るなら、言語ごとに分けて作るよう案内されています
- ストアごとに独立:複数のストアを持っていても、FAQは共有されません
- 自動のFAQは消せない:違っていたら上書きするか、元の設定を直します
- 件数や文字数の上限は書かれていない:公式ヘルプに記載はありません。回答は1〜2文が目安です
AIに自社の情報を正しく伝えるための全体像は、LLMOの記事にまとめています。
参考にした公式情報
よくある質問
Shopify Knowledge Baseは無料ですか?
無料です。Shopifyが提供している公式アプリで、2026年10月時点のApp Storeのページでも料金は「Free」と表示されています。
日本語で使えますか?
アプリの画面は英語だけです。FAQはストアの主要言語で作る決まりで、同じFAQを複数の言語で持つことはできません。日本語が主要言語のストアなら、日本語で書けます。
作ったFAQはストアの画面に表示されますか?
表示されません。AIがストアについて答えるときの根拠として使われるもので、お客様が見るFAQページとは別です。お客様向けのFAQページは、別に作る必要があります。
Knowledge Baseに入れると、ChatGPTなどのAIで紹介されやすくなりますか?
公式ヘルプには、AIの結果にストアが出る回数には影響しない、と書かれています。目的は、AIが答えるときの内容を正確にすることです。
自動で作られたFAQが間違っているときは?
自動のFAQは削除できません。「Override」で回答を上書きします。ただ、自動のFAQはストアの設定(配送、返品ルールなど)から作られるので、元の設定が古い場合は、設定のほうを直すのが先です。
FAQはどこに保存されていますか?
手動で作ったFAQと上書きしたFAQは、メタオブジェクトとしても保存され、管理画面の「コンテンツ」→「メタオブジェクト」からも編集できます。当社のストアでは、質問・回答・出典の3項目を持つ定義に入っていました。
- Shopify Knowledge Baseは、AIがストアについて答えるときの根拠になるFAQを管理する公式アプリ。FAQはストアの画面には出ない
- AIの結果に出る回数は増えない。答えの正確さを上げるためのもの
- 自動のFAQは削除できず、Overrideで上書きする。元の設定が古ければ設定を先に直す
- 書く順は、購入の直前で止まりやすい質問から。配送、関税、返品、サイズ、支払い、独自機能の使い方
- AIが答えられなかった質問は「Top unanswered questions」から埋め、テストで当たり方を確かめる
- 画面は英語だけ。FAQはストアの主要言語で作る
この記事を書いた人永田 龍史
株式会社ULTRO 代表取締役Shopify Partner。Shopifyストアの構築・保守・広告運用・CRMを一気通貫で担当。個人として運用した広告費は累計40億円超。計測設計から逆算して、利益が伸びる仕組みを作っています。Google 広告の認定資格(検索・ディスプレイ・動画・ショッピング・アプリ・P-MAX・測定)と Google アナリティクス認定資格を保有。
経歴と執筆記事81本を見る → Xでフォローする @Ryushi_ULTRO →自分のストアでは、どうなっているか。
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