SEO・LLMO 公開

WebMCPとは?MCPとの違いとShopifyで使えるツール、カートのパーマリンク/buy

WebMCPとMCPの違い、使えるブラウザと試し方、Shopifyで出ているツール(自社ストアで実測)、AIが注文まで進む条件、/cartに代わる/buyリンクと計測の注意まで。

この記事で分かることWebMCPは、ページが「この機能は何をするか」をツールとしてブラウザに伝え、ブラウザの中のAIエージェントがそれを直接呼べるようにする、提案中のWeb標準です。Shopifyでは2026年8月からLiquidのストアで設定なしに有効になっていて、当社のストアでもChrome 155で商品検索やカート操作など12個のツールが出ていました。AIは注文まで進められますが、合計を購入者に見せて許可を取ることが前提で、AIが自分で選べる支払い手段はShop Payに保存されたカードだけです。あわせて10月28日には、カートのパーマリンク(開くと商品がカートに入るURL)の新しい形「/buy」が加わりました。広告やメールで使う場合、UTMやgclidは「attribution/」を付けた形でないと引き継がれません。

WebMCPは、ブラウザの中で動くAIエージェントに向けて、サイトが自分の機能を「ツール」として公開するための新しい仕組みです。Shopifyのストアでは、2026年8月からこの仕組みが設定なしで有効になっています。

先に結論を書くと、ストアを運営している側が設定することはありません。止める必要もありません。2026年10月時点で、この仕組みを使って買い物をする一般向けのAIはまだ限られています。今やっておくとよいのは、ストアのポリシーとFAQを正しく保つことと、広告やメールで「開くとカートに商品が入るリンク」を使っている場合に、新しい形(/buy)での計測の書き方を知っておくことです。

この記事では、Shopifyでストアを運営している人と開発者に向けて、次のことをまとめました。根拠はChromeとShopifyの公式ドキュメントと、当社のストア(Liquidのテーマ)で2026年10月28日に確かめた結果です。

  • WebMCPとは何か、MCPとの違い、どのブラウザで動くか
  • Shopifyで公開されているツールと、当社のストアで実際に出ていたもの
  • AIが注文まで進むための条件と、対象外のチェックアウト
  • /buyリンクとは何か、/cartとの違い、UTMの付け方
  • 日本のストアが今やること

AIエージェントがお店で買い物をする流れ全体と、UCP・ACPという共通ルールの話はエージェントコマースとは?UCPとACPの違いと日本で今できることにまとめています。この記事は、その中の「ブラウザの中のAI」と「購入用のリンク」に絞った話です。

ULTRO NOTES|SEO・LLMOエージェントコマースとは?UCPとACPの違いと日本で今できることエージェントコマース(agentic commerce)は、AIが商品探しから購入までを代行する買い方です。GoogleのUCPとOpenAIのACPの違いを表で比べ、各社の対応状況と、日本のECが今できる手順を公式情報で整理しました。

WebMCPとは:ブラウザの中のAIが、サイトの機能を直接呼ぶしくみ

WebMCP(Web MCPとも書かれます)は、ページが「この機能は何をするか」をツールとして宣言し、ブラウザの中のAIエージェントがそれを名前で呼び出せるようにする、提案中のWeb標準です。Chromeの公式ドキュメントは、AIエージェント向けの構造化されたツールを作って公開するための仕組みだと説明しています。

これまでAIがサイトを操作するときは、画面に出ているボタンや入力欄を見て、どこを押せばいいかを推測していました。WebMCPでは、サイト側が「商品を検索する」「カートに追加する」といったツールを、入力の形と説明つきで用意します。AIは画面を読み解かなくても、そのツールを呼べば目的の操作ができます。

ツールの公開のしかたは2つあります。

方式しくみ
Imperative APIJavaScriptでツールを定義して登録する
Declarative APIHTMLのフォームに注記を付けて、フォームをツールとして扱わせる

JavaScriptから使う入口は document.modelContext です。ChromeとShopifyの今のドキュメントは、どちらもこの名前で書かれています。Chromeの機能の一覧(Chrome Status)では navigator.modelContext という名前で載っていて、こちらの名前で書かれた記事もあります。当社のストアで確かめたときは、document.modelContext はあり、navigator.modelContext はありませんでした(Chrome 155)。

なお、Chromeのドキュメント(2026年10月時点)には、この仕様は議論中で今後変わる可能性がある、と書かれています。

WebMCPとMCPの違い

MCP(Model Context Protocol)はAIがサーバーに直接つないでツールを呼ぶ仕組み、WebMCPは購入者が開いているタブの中でツールを公開する仕組みです。WebMCPでは、ログインの状態やカートの中身は、そのタブのものがそのまま使われます。

MCPとWebMCPの違いを示す図。MCPでは、AIエージェントがサーバーにつなぎ、ツールはサーバーにあり、ログインやカートはAI側で扱う。WebMCPでは、購入者のブラウザのタブの中で、AIエージェントが開いているページにつなぎ、ツールはページが公開し、ログインやカートはそのページのものを使う
MCPとWebMCPで、AIがツールを呼ぶ先の違い。ChromeとShopifyのドキュメントをもとに作成(2026年10月時点)(画像を押すと拡大できます)

表にすると、次のとおりです。

MCPWebMCP
ツールがある場所サーバーブラウザで開いているページ
AIのつなぎ先サーバーに直接購入者のブラウザのタブの中
ログインやカートAI側で扱うそのページのものをそのまま使う

ShopifyのAI向けのMCPがどう分かれているかはShopify MCPとは?4種類の違いと使い方にまとめています。Shopifyは、AIを作る側への推奨として、サーバーで動くAIにはCheckout MCPを使い、WebMCPは、AIがすでに購入者のブラウザの中で動いているときだけ使うよう書いています。

ULTRO NOTES|サイト構築・改善Shopify MCPとは?4種類の違いと使い方|ChatGPT・Claudeからストアを操作するときの権限Shopify MCPは、AIからShopifyの情報やストアのデータを扱うための接続口の総称で、実際には4種類あります。開発者向けのDev MCP、買い物をするAI向けのMCP、ClaudeやChatGPTからストアを管理するコネクター、手元のAIツールから読み書きするShopify CLIの違いと、自社ストアで試した結果をもとにした権限の渡し方をまとめます。

WebMCPはSEOやAI検索に関係あるか

2026年10月時点で、WebMCPが検索順位に関係するという公式の説明はありません。WebMCPは、AIがサイトを「操作」するための仕組みです。AI検索の回答に「引用」されるかどうかとは、別の話です。AI検索に引用されるためにやることはLLMOとは?AI検索に引用されるためにECサイトでやることにまとめています。

ULTRO NOTES|SEO・LLMOECサイトのLLMO対策|AI検索に商品とストアを出す手順ECサイトのLLMO対策を、Google・OpenAI・Shopifyの公式情報で手順にしました。AIクローラーの許可、Merchant CenterとShopify Catalogの商品データ、商品ページの書き方、AI経由の流入と引用の測り方まで。

使えるブラウザと時期、試し方

WebMCPが動くのは、2026年10月時点ではChromium系のブラウザ(ChromeやEdgeなど、Chromeと同じ土台のブラウザ)だけです。Shopifyのドキュメントにも、AIエージェントのWebMCP対応は今のところChromium系のブラウザに限られる、と書かれています。

Chromeでは、Chrome 149からオリジントライアル(新しい機能を期間限定でサイトに試させる仕組み)が始まっています。

時期出来事
2026年6月9日Chromeがオリジントライアルを告知(Chrome 149から)
2026年8月5日ShopifyがすべてのLiquidのストアと、Hydrogenの開発者向け試験版で提供を始める
2026年9月28日Shopifyがチェックアウトのツールを追加
2026年10月Hydrogenの2026-10版で、初期設定で有効になる
2026年10月28日Shopifyのカートのパーマリンクが/buyに対応

Chrome以外のChromium系ブラウザで実際に動くかは、公式の記載を確認できませんでした。また、このツールを実際に呼ぶ一般向けのAIエージェントがどれかも、公式には書かれていません。

手元で試すときは、Chromeで chrome://flags/#enable-webmcp-testing を有効にします。ページを開いてDevToolsのコンソールで await document.modelContext.getTools() を実行すると、そのページが公開しているツールの一覧が取れます。Chromeは、ツールを確かめるための拡張機能(Model Context Tool Inspector)も案内しています。

ShopifyのWebMCP:Liquidのストアは設定なしで有効

Shopifyは2026年8月5日に、すべてのLiquidのストアフロントでWebMCPを有効にしたと発表しました。インストールも設定も要りません。Liquidのストアとは、管理画面の[オンラインストア]>[テーマ]でテーマ(Dawnなど)を使っているストアのことで、ふつうのShopifyのストアはほぼこれに当たります。

Hydrogen(Shopifyのヘッドレス用の仕組み)では、2026-10版で、Shopifyのスクリプトを読み込んでいれば初期設定で有効になります。止めたいときは webMcp: false を指定します。

Liquidのストアで止める方法は、公式には書かれていません。管理画面にもオン・オフの設定はありません。止めなくても、今の段階で困ることは確認できていません。

カートの操作は、Shopifyのストアフロントの標準の操作(アプリと同じもの)を呼ぶ形で行われます。そのため、AIがカートに商品を入れると、テーマのカートの表示なども、人が操作したときと同じように動きます。

ShopifyのWebMCPで使えるツール一覧(当社ストアで実測)

設定していないLiquidのストアでも、商品検索・カート操作・チェックアウトへの移動など12個のツールが出ていました。当社のストア(日本から運営)を2026年10月28日にChrome 155で開き、document.modelContext.getTools() で一覧を取った結果です。

できることツール名
商品・コレクション・記事・ページを検索するsearch_catalog
コレクションの一覧と、中の商品を見る(ページを開くこともできる)browse_store
商品の詳細を取る(商品ページを開くこともできる)get_product
指定したバリエーションを選んだ状態で商品ページを開くshow_variant
カートの中身・数量・合計を取るget_cart
商品をカートに入れる。商品を特定できないときは購入者に聞き返すadd_to_cart
カートの数量を変える、商品を外すupdate_cart_lines
カートを空にするcancel_cart
カートが空でないか確かめて、チェックアウトに進むproceed_to_checkout
注文履歴のページを開く(ログインを求められる)manage_orders
返品・配送などのポリシーやFAQに答えるsearch_shop_policies_and_faqs
ストアのUCPの情報(/.well-known/ucp)を返すget_ucp_profile

当社の実測では、このうち読み取り専用の印が付いていたのは、search_catalog、get_cart、get_ucp_profile、search_shop_policies_and_faqs の4つでした。UCP(AIが買い物をするための共通ルール)の情報をストアがどう出しているかは、Shopify UCPの店舗検索とはでも扱っています。

ULTRO NOTES|SEO・LLMOShopify UCPの店舗検索とは|AIに実店舗を出すロケーション設定と、できないことShopify UCP(Universal Commerce Protocol)に2026年10月22日に入った店舗検索を、公式情報と実際の呼び出し結果で整理。AIに店舗が出るロケーションの設定、在庫数・取り置き・店舗受け取りができない点、日本のストアでの状況まで。

Shopifyのドキュメントでは、チェックアウトに入るとツールの一覧が入れ替わり、次の4つが使えるようになります。

できることツール名
チェックアウトの中身、または購入完了ページの注文内容を読むget_checkout
連絡先・配送・割引コード・支払い方法などを入れる。送った内容で全体を置き換え、商品と流入元の情報は変えられない(注文はしない)update_checkout
注文する。確認の段階に進むことがあり、その場合は購入者の許可のあとにもう一度呼ぶcomplete_checkout
ストアに戻るnavigate_to_storefront

8月の発表の時点では、カートのツールは update_cart という名前でした。今のドキュメントでは add_to_cart と update_cart_lines に分かれています。古い記事を読むときは、この違いに気をつけてください。

ストア側で見直したいこと

ツールが返す内容は、ストアにある商品データ、ポリシー、FAQそのものです。たとえば search_shop_policies_and_faqs は、返品や配送について聞かれたときに、ストアのポリシーとFAQから答えます。ポリシーが空だったり、送料や日付が古かったりすると、AIもそのまま答えることになります。

Shopifyのドキュメントは、ツールが返す文章(ストアや第三者が書いたもの)を、AIは指示ではなくデータとして扱うよう求めています。商品説明やFAQに、AIへの指示のような文章を書かないことも、ストア側の注意になります。

Shopifyの管理画面でFAQをAIに読ませる設定は、Shopify Knowledge baseとは|管理画面版の使い方と旧アプリからの移行にまとめています。

ULTRO NOTES|SEO・LLMOShopify Knowledge baseとは|管理画面版の使い方と旧アプリからの移行、AIに渡る情報Shopify Knowledge baseは、AIエージェントがストアについて答えるときの情報を管理する機能で、2026年10月26日に管理画面の[エージェンティック]に統合されました。情報源ごとの公開の扱い、旧アプリからの移行(2027年1月15日終了)、公開前の確認点を、自社ストアの画面とAIへの問い合わせ結果で確かめました。

WebMCPでAIは決済まで進めるか

WebMCPのAIは注文まで進めますが、AI側が署名で身元を示すこと、合計を購入者に見せて許可を取ることが前提です。条件は、仕組みとして決まっていることと、AIを作る側に求められているルールに分かれます。流れを先に図で示します。

ShopifyのWebMCPで、AIがチェックアウトに進んでから注文が確定するまでの4つの段階を示す図。1:AIがWeb Bot Authで署名して身元を示す。署名がないとチェックアウトのツールは使えない。2:update_checkoutで連絡先・配送・支払いを入れる。AIが選べる支払いはShop Payに保存されたカードだけで、ほかは購入者が選ぶ。3:注文内容と合計を見せて購入者の許可を得る。合計が変わったらもう一度許可を得る。4:complete_checkoutで注文する。確認画面や3Dセキュアは購入者が同じタブで操作する。状態がcompletedになったら注文の確定。チェックアウトを取り消すツールはなく、注文に失敗したときは送り直す前にget_checkoutで状態を確かめる
AIが注文するまでの段階と、それぞれの段階での決まり。Shopifyのドキュメントをもとに作成(2026年10月時点)(画像を押すと拡大できます)

仕組みとして決まっていること

  • チェックアウトのツールを使うには、AI側がWeb Bot Auth(AIであることと身元を示す署名)で署名し、その鍵をShopifyに登録しておく必要がある
  • AIが自分で選べる支払い手段は、Shop Payに保存されているカードだけ。新しいカード番号は受け付けず、それ以外の支払い方法は購入者がページ上で選ぶ
  • 確認画面、3Dセキュア(カードの本人確認)、Shop Payのログインなどは、購入者が同じタブで操作する。AIはその間待つ
  • チェックアウトを取り消すツールはない

AIを作る側に求められているルール

  • 注文を確定する complete_checkout を呼ぶ前に、注文内容と合計を購入者に見せて許可を得る。署名やツールの状態は、この許可の代わりにならない
  • 合計が変わったら、もう一度許可を得る
  • 注文が確定したと扱うのは、状態が completed になってから
  • 注文に失敗したあとは、結果が分からないうちに送り直さず、get_checkout で状態を確かめる(二重注文を防ぐため)

Shop PayのしくみはShop Payとは|仕組み・手数料・日本で使える機能にまとめています。

ULTRO NOTES|サイト構築・改善Shop Payとは|コンビニ払いは使える?安全性と手数料も解説Shop Payは、Shopifyのストアで住所とカードの入力を省ける決済方法です。日本ではコンビニ払い・PayPay・分割払いは使えません。安全性、手数料、ShopアプリやApple Payとの違い、どこの国のサービスかを整理しました。

WebMCPのツールが出ないチェックアウト

次のチェックアウトでは、WebMCPのツールが出ません。

  • 3ページ型のチェックアウト(Shop Payを使う場合を除く)
  • B2B
  • 埋め込みのチェックアウト、モバイルアプリ向けのチェックアウト
  • ほかのストアの商品を含むもの
  • 下書き注文、注文の編集、支払いの回収

また、アプリが追加したチェックアウトの拡張機能に、購入者の入力が要るもの(入れないと先に進めないものなど)があると、そこで購入者に操作が戻ります。

/buyとは:Shopifyのカートのパーマリンクの新しい形

/buyは、URLを開くだけで指定の商品が入ったカートとチェックアウトを作るリンク(カートのパーマリンク)の、新しい形です。Shopifyは2026年10月28日に、カート・チェックアウトのパーマリンクがUCPの /buy に対応したと発表しました。

関係があるのは、/cart/12345:1 のように、開くとカートに商品が入るリンクを、広告・メール・LINEなどで使っている場合です。商品ページへのふつうのリンクは、今までどおりで構いません。

形は次のとおりです。商品はバリエーションIDと数量を「:」でつなぎ、複数あるときは「,」で区切ります。数量は1以上の整数です。

https://ストアのドメイン/buy/バリエーションID:数量,バリエーションID:数量

/buy の部分は自分で組み立てず、ストアの /.well-known/ucp にある dev.ucp.shopping.permalink の config.endpoint の値を使うよう、Shopifyは求めています。この項目が出ていないストアは、/buyを受け付けません。当社のストアでは https://ストアのドメイン/buy と書かれていて、開くとカートを作ったうえでチェックアウトのページに移動しました。

Shopifyのパーマリンクのドキュメントによると、ルールの要点は次のとおりです。

  • 商品は500点まで、URLは2,048バイトまで
  • 開くたびに新しいカートができ、それまでのカートは置き換わる。購入者がすでにカートに入れていた商品は消える
  • 売り切れの商品は、数量が減るか外される。売り切れ以外の理由で1点でも入れられない商品があると、カートそのものが作られない
  • 割引コードが使えなくても、カートは作られる
  • 開いただけでは、注文や課金は起きない。リンクの先読み(チャットアプリなどがプレビューを作るときの読み込み)では、カートは作られない
  • 無効なリンクや長すぎるリンクは、エラーページではなく、continue_to の先かトップページに移る。ただし文字のエンコードの誤りは400、混雑時は429・504のエラーになることがある

従来のカートのパーマリンク(/cart)との違い

これまでのカートのパーマリンク(/cart/バリエーションID:数量)も、引き続き動きます。Shopifyは、/cartは旧形式で、新しい機能は/buyだけに入ると書いています。既存の連携は変えなくてよい、ともしています。

/buy/cart(旧形式)
位置づけ新しい形。新機能はこちらだけ引き続き動く
着地先チェックアウト。continue_to=/cart でカートに着地させられるチェックアウト
UTMattribution/utm_source などの形で付けるutm_source などをそのまま付ける(当社で確認)
カートのメモ・属性使えない使える
商品ごとのプロパティ使えない使える
紹介コード(ref)使えない使える
販売チャネルの紐づけ使えない使える

定期購入の商品は、Shopifyのパーマリンクのドキュメントでは「どちらも非対応」、/buyのchangelogでは「/cartが必要」と書かれていて、公式の説明が食い違っています。ドキュメントには、定期購入でしか買えない商品を/buyに入れるとカートが作られない、とも書かれています。定期購入の商品をリンクで売っている場合は、/buyに移す前にテストしてください。

メモや属性、紹介コードを使っている既存のリンクは、/cartのままで構いません。

広告やメールで/buyを使うときは、UTMとgclidの書き方に注意する

/buyでは、UTMやgclidなどの計測用のパラメータは、頭に attribution/ を付けた形でないと引き継がれません。

当社のストアで、同じ商品の/buyリンクにパラメータを付けて開き、移動先のURLを比べました。結果を先に図で示します。

/buyのリンクに付けたパラメータが移動先のURLに残るかを比べた図。attribution/utm_source、attribution/utm_medium、attribution/click_id_tag=gclid、attribution/click_id_valueを付けたときは、utm_source・utm_medium・gclidが移動先のURLに付いていた。utm_sourceとgclidをそのまま付けたときは、どちらも消えていた。Google広告の自動タグ設定で付くgclidも同じで、GA4では流入元が分からなくなる
/buyのリンクに付けたパラメータが残るかどうか。当社のストアで確認(2026年10月28日)(画像を押すと拡大できます)

表にすると、次のとおりです。

付けたパラメータ移動先のURL
attribution/utm_source=… と attribution/utm_medium=…utm_source と utm_medium が付いていた
utm_source=… と gclid=…(attribution/ なし)どちらも消えていた
attribution/click_id_tag=gclid と attribution/click_id_value=…gclid が付いていた

/cartと同じ感覚で utm_source= と書くと、GA4ではそのリンクから来た人の流入元が分からなくなります。UTMの付け方と名前のルールはUTMパラメータの付け方と命名ルールにまとめています。

ULTRO NOTES|計測・分析UTMパラメータの付け方|生成ツールとGA4での確認方法、命名ルール表UTMパラメータは utm_source・utm_medium・utm_campaign の3つを小文字で付けます。パラメータ付きURLの生成ツール、ECで使える命名ルール表、GA4で値を確認する方法、自動タグ設定との優先順位までまとめます。

Google広告のリンク先に/buyを使うときも注意が要ります。自動タグ設定で付く gclid= は、attribution/ が付いていないので、当社の実測では消えました。広告の成果の計測に影響するので、Google広告のリンク先に/buyを使う前に、テストの注文で計測を確かめてください。gclidが消えたときの影響はgclidとは?自動タグ設定で付くクリックIDと、消える原因の確かめ方にまとめています。

ULTRO NOTES|計測・分析gclidとは?自動タグ設定で付くクリックIDと、消える原因の確かめ方gclidは、Google広告の自動タグ設定でクリック時にURLに付くクリックIDです。何に使われるか、gbraid・wbraidとの違い、_gcl_awなどのCookie、gclidが消える・付かない原因と確かめ方、Shopifyでの扱いまで。

注文の流入元まで残るか(テスト注文で確認)

URLにUTMが残っていても、チェックアウトの途中で流入元が落ちることはあります。そこで当社のストアで、/buyのリンクから0円のテスト注文を2件通し、Shopifyの注文画面の「コンバージョンサマリー」に何が記録されるかを確かめました(2026年10月29日)。

リンクに付けたもの注文に記録された流入元
attribution/utm_source、attribution/utm_medium、attribution/utm_campaignUTM経由。ソース・メディア・キャンペーン名がリンクに付けた値のまま記録された
utm_source、utm_medium、utm_campaign(attribution/ なし)ストアへの直接アクセス。UTMは記録されなかった

attribution/ を付けたUTMは、完了した注文まで引き継がれていました。付けない書き方では、注文の上でも直接アクセスとして扱われます。このほかに、試してわかったことが3つあります。

  • 最初に訪問したページは、チェックアウトとして記録されます。 /buyは商品ページを通らずにチェックアウトへ移るので、ランディングページ別の集計では、商品ページではなくチェックアウトのURLに入ります
  • Shopにログイン済みのブラウザでは、Shop Payのチェックアウト(shop.app)に自動で移りました。 この場合もUTMはURLに残り、注文の完了画面はストアのドメインに戻りました。ただし、GA4ではこの注文のUTMが落ちました(下で説明します)。新しいブラウザでチェックアウトの途中にShop Payにログインした場合は、ストアのドメインのまま決済できました
  • コンバージョンサマリーに出るまで、1時間ほどかかりました。 注文の20分後に見たときは「この注文に関するコンバージョンの詳細はまだありません」と出ていました。テストするときは、時間をおいて確かめてください

GA4では、shop.appに自動で移った注文だけ流入元が落ちた

GA4でも、同じテスト注文の購入にどの流入元が付いたかを確かめました(2026年10月29日〜11月1日、3件)。分かれ目は、Shop Payで払ったかどうかではなく、/buyを開いた直後にshop.appのチェックアウトへ自動で移ったかどうかでした。

購入者の状態決済した場所Shopifyの注文の流入元GA4の購入の流入元
ブラウザがすでにShopにログイン済みshop.appのチェックアウト(自動で移った)リンクのUTMのまま同じ日の別の訪問(google / organic)。UTM付きのセッションはGA4に1件もなかった
新しいブラウザで、チェックアウトの途中にShop Payにログインして支払いストアのドメインのチェックアウトリンクのUTMのままリンクのUTMのまま
ゲスト(Shop Payを使わない)ストアのドメインのチェックアウトリンクのUTMのままリンクのUTMのまま

2番目と3番目は、過去の訪問がない新しいブラウザで試しています。どちらもUTMの付いたストアのチェックアウトに着地し、そのページの表示から購入までが同じGA4のセッションに入っていました。1番目は、GA4に残っていたのは完了画面からで、shop.appのチェックアウトは記録されていませんでした。同じ日の朝にあったGoogle検索からの訪問は、GA4が購入をどこに付け替えたかを決めただけで、UTMが落ちたこと自体とは関係がないと見ています。

shop.appのページにはストアのGA4のタグが乗らないため、GA4からは完了画面から始まった訪問に見え、それより前の流入元に割り振られたのだと考えています(当社の推測で、Shopifyの説明は見つかっていません)。どんな購入者がshop.appに自動で移るのか(Shopへのログイン状態がどう判定されるか)も、公式の説明は見つかっていません。

/buyのリンクで広告やメールの成果を測るときは、GA4の数字だけで判断しないでください。shop.appに自動で移る購入者の分だけ、GA4ではその売上がほかの流入元に付きます。一方で、ストアのドメインで決済した注文はShop Payで払ってもUTMが残ったので、計測のためにShop Payを止める必要はありません。Shopifyの注文の流入元(コンバージョンサマリーや、ストア分析の流入元別の売上)とあわせて見るのが安全です。

/buyで使えるパラメータは、ほかに次のようなものがあります。

パラメータ内容
attribution/utm_source、utm_medium、utm_campaign、utm_content、utm_termUTM
attribution/click_id_tag と click_id_valuegclid、fbclid などのクリックID(1リンクに1組)
attribution/referring_domain参照元のドメイン
discounts/codes/0割引コード
buyer/email、buyer/phone_number購入者のメールアドレス、電話番号
context/address_country、context/language国(通貨もこれで決まる)と言語
continue_toチェックアウト以外の着地先(同じサイト内のパスだけ)

同じ項目を2回書くと、メールアドレスや国の指定など、購入者とカートについての指定がすべて無視されます。

購入者のメールアドレスなど、個人の情報を入れたリンクは、その人専用のリンクです。Shopifyは、QRコードや公開の投稿、広く配るキャンペーンには使わないよう書いています。

日本のストアが今やること

日本のストアが今やることは、ポリシーとFAQの見直し、チェックアウトの形の確認、購入用リンクの書き方の確認、AI経由の注文の見方を決めることの4つです。WebMCPの地域やプランの条件は公式には書かれていませんが、当社の日本向けのストアでは、WebMCPも/buyも動いていました。

  1. ポリシーとFAQを見直す。 管理画面の[設定]>[ポリシー]で、返品・配送が空欄になっていないか、送料や日付が古くないかを確かめる。AIは返品や配送の質問に、ここから答える
  2. チェックアウトの形を確かめる。 3ページ型のチェックアウトでは、Shop Payで払う人の場合を除いて、AIは注文まで進めない。急いで変える必要はないが、自社がどちらかは知っておく
  3. 購入用リンクを/buyにするなら、計測の書き方を変える。 UTMは attribution/ を付けた形にし、Google広告のリンク先に使う前にgclidが残るかを確かめる
  4. AI経由の注文の見方を決めておく。 WebMCP経由の注文を見分ける公式の方法はまだない。GA4で「AI Assistant」の流入を月に1回見るなど、今ある手段で見る方法はGA4のAI Assistantとは?AI経由の流入と注文の見分け方にまとめている

AIエージェントが実際にどれだけ買い物をしているかは、まだ公式の数字がありません。今の段階では、売上を見込んで何かを作り込むより、ストアのデータを正しく保つことのほうが先です。

参考にした情報

よくある質問

WebMCPとは何ですか?

ブラウザの中で動くAIエージェントに向けて、サイトが自分の機能を「ツール」として公開するための、提案中のWeb標準です。AIは画面のボタンを見て推測するのではなく、サイトが用意したツール(商品検索、カートに追加など)を名前で呼び出します。ChromeではChrome 149からオリジントライアル(期間限定の試験提供)で使えるようになっています。

WebMCPとMCPは何が違いますか?

MCPは、AIがサーバーに直接つないでツールを呼ぶ仕組みです。WebMCPは、購入者が開いているブラウザのタブの中でツールを公開する仕組みで、ログインやカートの状態はそのページのものが使われます。Shopifyが推奨しているのはサーバー側のCheckout MCPで、WebMCPは、AIがすでに購入者のブラウザの中で動いているとき向けと位置づけています。

ShopifyでWebMCPを使うには、何をすればいいですか?

Liquidのテーマを使っているストアでは、何もしなくても有効です。Shopifyは2026年8月5日に、すべてのLiquidストアフロントで設定やインストールなしに有効になったと発表しています。Hydrogenでは2026-10版で、Shopifyのスクリプトを読み込んでいれば初期設定で有効になり、webMcp: false で止められます。Liquidで止める方法は、公式には書かれていません。

AIが勝手に注文してしまうことはありませんか?

Shopifyの開発者向けドキュメントは、注文を確定するツールを呼ぶ前に、注文内容と合計を購入者に見せて許可を得るよう、AIを作る側に求めています。合計が変わったら、もう一度許可を取ります。これはAI側へのルールです。仕組みとして決まっているのは、AIが新しいカード番号を入れられないこと、3Dセキュアなどの本人確認は購入者が画面で操作することです。

WebMCPはSEOに影響しますか?

2026年10月時点で、WebMCPが検索順位に関係するという公式の説明はありません。WebMCPは、AIがサイトを「操作」するための仕組みで、AI検索に「引用」されるかどうかとは別の話です。

WebMCPはどうやって試せますか?

Chromeで chrome://flags/#enable-webmcp-testing を有効にすると、手元で試せます。ページの中で document.modelContext.getTools() を呼ぶと、そのページが公開しているツールの一覧が取れます。Chromeは、ツールを確かめるための拡張機能(Model Context Tool Inspector)も案内しています。

日本のストアでもWebMCPは使えますか?

当社の日本向けストアでも、2026年10月28日にChrome 155でツールが出ていることを確かめました。ただ、地域やプランの条件は公式には書かれていません。また、このツールを実際に呼ぶ一般向けのAIエージェントが日本でどれだけ使われているかも、公式の情報はありません。

/buyリンクと/cartリンクは、どちらを使えばいいですか?

Shopifyは、/cartは引き続き動くが旧形式で、新しい機能は/buyだけに入ると書いています。ただし/buyでは、カートのメモ、カートの属性、商品ごとのプロパティ、紹介コード(ref)、販売チャネルの紐づけが使えません。これらを使っている既存のリンクは、急いで移す必要はありません。新しく作るリンクを/buyにする場合は、UTMを attribution/utm_source の形で付けます。

/buyのリンクに付けたUTMは、注文の流入元まで残りますか?

attribution/utm_source の形で付ければ残ります。当社のストアで/buyから0円のテスト注文を通したところ、Shopifyの注文のコンバージョンサマリーに、リンクに付けたソース・メディア・キャンペーン名がそのまま記録されました。attribution/ を付けずに utm_source と書いた注文は、直接アクセスとして記録されました。コンバージョンサマリーに出るまでには1時間ほどかかりました。ただしGA4では、/buyを開いた直後にShop Payのチェックアウト(shop.app)へ自動で移った注文だけ、リンクのUTMではなく別の流入元に付きました。ストアのドメインで決済した注文は、Shop Payで払った場合も含めてUTMのまま付きました。

まとめ
  • WebMCPは、サイトが機能をツールとして公開し、ブラウザの中のAIがそれを呼ぶための提案中のWeb標準。APIは document.modelContext
  • 使えるのはChromium系のブラウザのみ。ChromeはChrome 149からオリジントライアル(期間限定の試験提供)を始めている
  • ShopifyのLiquidストアでは2026年8月から設定なしで有効。当社のストアではChrome 155で12個のツールが出ていた。チェックアウトに入ると、注文用のツールに入れ替わる
  • AIが注文まで進むには、AI側が署名で身元を示し、合計を購入者に見せて許可を取ることが前提。AIが自分で選べる支払い手段はShop Payの保存カードだけ
  • /buyは10月28日に加わったカートのパーマリンクの新しい形。UTMやgclidは attribution/ を付けないと引き継がれない(当社ストアで確認)。attribution/ を付けたUTMは、テスト注文で注文の流入元まで残った。GA4では、shop.appのチェックアウトに自動で移った注文だけ別の流入元に付いた

この記事を書いた人永田 龍史

株式会社ULTRO 代表取締役

Shopify Partner。Shopifyストアの構築・保守・広告運用・CRMを一気通貫で担当。個人として運用した広告費は累計40億円超。計測設計から逆算して、利益が伸びる仕組みを作っています。Google 広告の認定資格(検索・ディスプレイ・動画・ショッピング・アプリ・P-MAX・測定)と Google アナリティクス認定資格を保有。

経歴と執筆記事112本を見る → Xでフォローする @Ryushi_ULTRO →

自分のストアでは、どうなっているか。

無料診断では、あなたのShopifyの実データを見てサイトの健康状態を確認し、何から直すべきかを改善案とあわせてご提案します。

無料診断を申し込む →