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アップセル・クロスセルとは?違いと、ECで客単価を上げる設計

アップセルとクロスセルの違い、提案を出す場所、粗利で見た割引の損得、送料無料ラインの置き方、Shopifyの標準機能とアプリでできること、表示のルールまで。

この記事で分かることアップセルは、検討中の商品より上位のもの、量の多いものを提案すること。クロスセルは、一緒に使う別の商品を提案することです。どちらも1回の注文の金額(客単価、AOV)を上げる方法ですが、割引を付けて点数を増やすと、客単価は上がっても粗利が減ることがあります。まず注文金額の分布を見て、割引なしで出せる提案から始め、割引を使うときは粗利で損得を確かめます。

売上を増やす方法は、お客様を増やすか、買ってもらう回数を増やすか、1回の金額を増やすかの3つです。このうち、1回の金額を増やす方法として必ず名前が挙がるのが、アップセルとクロスセルです。

用語の説明はたくさんあります。ただ、検索して出てくる記事の多くは、営業やカスタマーサクセスの立場で書かれていて、ECで何をどこに置けばいいのかまでは書かれていません。ECの記事でも、「まとめ買い割引を入れましょう」で終わっていて、割引で粗利がどうなるかには触れていないものが目立ちます。

この記事では、アップセルとクロスセルの違い、ECで提案を出す場所、粗利を落とさない割引の決め方、送料無料ラインの置き方、Shopifyでの組み方をまとめます。対象は、自社ECを運営していて、客単価を上げたい方です。Shopifyのヘルプの表記は2026年10月時点のものです。

アップセルとクロスセルの違い

アップセルクロスセル
提案するもの検討中の商品より上位のもの、量の多いもの検討中の商品と一緒に使う、別の商品
例30日分を見ている人に、90日分やセットをすすめる化粧水を見ている人に、乳液をすすめる
上がるもの商品1点あたりの単価注文あたりの点数
出す場所商品を選んでいる段階商品を決めたあと

もうひとつ、ダウンセルという言葉もあります。高い商品を買わなかったお客様に、より安いものを提案することです。本品に踏み切れない人にお試しサイズを出す、といった形です。客単価は下がりますが、何も買わずに帰るよりは良い、という考え方です。

実務では、3つを厳密に分ける必要はありません。大事なのは、単価を上げる提案なのか、点数を増やす提案なのかを分けて考えることです。出す場所と、効き方が違うからです。

客単価(AOV)とは?計算式と分解

客単価は、1回の注文あたりの平均金額です。英語の Average Order Value を略して、AOVとも呼びます。

客単価(AOV)= 売上 ÷ 注文数

「客単価」は、1人のお客様が一定の期間に使った金額の意味で使われることもあります。数字を共有するときは、注文あたりか、お客様あたりかを確かめます。この記事では、注文あたりの金額として使います。

客単価は、さらに2つに分けられます。

客単価 = 商品1点あたりの単価 × 注文あたりの点数

アップセルは前者を、クロスセルとまとめ買いは後者を動かします。客単価が低いとき、どちらに余地があるかで打ち手が変わります。

Shopifyでの見方

Shopifyのストア分析では、客単価は「平均注文金額」という名前で表示されます。ヘルプによると、計算式は(総売上高 − ディスカウント)÷ 注文数 です。割引を引いたあとの金額で計算されます。

点数は、販売レポートの「取引あたりの販売点数」で見られます。

平均だけでなく、分布も見ます。注文データを書き出して、金額の帯ごとに件数を数えます。

たとえば、次のような分布になったとします。

注文金額の帯ごとの件数の割合。3,999円までが18%、4,000〜5,999円が41%でいちばん多く、6,000〜7,999円が22%、8,000〜9,999円が11%、10,000円以上が8%。平均は6,000円前後だが、いちばん多い帯は4,000〜5,999円。
注文金額の分布と、平均の位置(数字は説明のための例。株式会社ULTROが作成。画像を押すと拡大できます)

数字は、次のとおりです。

注文金額件数の割合
〜3,999円18%
4,000〜5,999円41%
6,000〜7,999円22%
8,000〜9,999円11%
10,000円〜8%

(数字は説明のための例です)

この例では、4,000〜5,999円の注文がいちばん多く、平均は6,000円前後になります。平均の6,000円を買っている人は、実際にはそれほど多くありません。施策を考える対象は、平均の人ではなく、いちばん多い帯にいる人です。

提案を出す場所

ECでは、提案を出せる場所が決まっています。買い物の流れに沿って並べます。

買い物の流れと、それぞれの場所に向いている提案を示した図。商品ページ(何を買うかを選んでいる)では、アップセルとして大容量・セット・上位品、クロスセルとして一緒に使う商品。カート(買うものは決まり、合計を見ている)では、クロスセルとしてあと1点と、送料無料までの残り金額。チェックアウト(支払いの手続き中で、邪魔されたくない)は慎重に扱い、ギフト包装や消耗品など少額の追加だけ。購入の直後(支払いが済み、安心している)では、クロスセルとして追加の1点と、定期購入への切り替え。届いたあと(商品を使っている)では、関連商品と買い足し。アップセルは単価を、クロスセルは点数を上げる提案
買い物の流れと、それぞれの場所に向いている提案(ULTROが作成。2026年10月時点。画像を押すと拡大できます)

場所ごとに表にすると、次のとおりです。

場所向いている提案お客様の状態
商品ページアップセル(大容量、セット、上位品)。クロスセル(一緒に使う商品)何を買うかを選んでいる
カートクロスセル(あと1点)。送料無料までの残り金額買うものは決まり、合計を見ている
チェックアウト少額の追加(ギフト包装、消耗品)支払いの手続き中。邪魔されたくない
購入の直後追加の1点、定期購入への切り替え支払いが済み、安心している
届いたあと関連商品、買い足し商品を使っている

アップセルは、商品ページで出します。 どの商品にするかを選んでいる段階だからです。カートに入れたあとで「上位品もあります」と出しても、選び直してもらうことになり、うまくいきません。

クロスセルは、商品を決めたあとに出します。 カートと、購入の直後が中心です。

チェックアウトの途中は、慎重に扱います。 支払いの入力をしている最中に選択肢を増やすと、手続きをやめる人が出ます。出すなら、迷わず選べる少額のものに限ります。カートで離脱が起きる理由はカゴ落ちとは?率の測り方とShopifyでの対策手順に書いています。

ULTRO NOTES|CRMカゴ落ちとは?率の測り方とShopifyでの対策手順カゴ落ちとは何かを、よく引用される平均70%という数字の中身から整理します。自社のカゴ落ち率をShopifyの管理画面で出す手順、標準機能だけでカゴ落ちメールを送る方法、送っていい相手かどうかの判断までまとめました。

何をすすめるか

提案は、数より中身です。

  • 一緒に使うもの:本体と詰め替え、本体とケース、化粧水と乳液
  • 使い切る時期がそろうもの:一緒に買っておくと、次の注文もまとめやすい
  • もとの商品より安いもの:追加の1点が本体より高いと、選ばれにくくなる
  • 1〜3点に絞る:並べすぎると選ばれなくなる

絞る理由は、『影響力の武器 実践編』にある実験が分かりやすいです。ジャムの試食で24種類と6種類を並べて比べると、立ち寄る人は24種類のほうが多かったものの、買った人は24種類で3%、6種類で30%でした。P&Gがシャンプーの種類を26から15に減らしたら売上が10%増えた例も紹介されています。

「この商品を買った人はこんな商品も買っています」という自動のおすすめは、注文の実績がたまってから働きます。実績が少ないうちは、自分で組み合わせを決めたほうが確かです。

割引は、粗利で考える

客単価を上げる施策で、いちばん手軽なのは「2点以上で◯%引き」のまとめ買い割引です。ただし、割引は客単価を上げながら、粗利を減らすことがあります。

定価5,000円、粗利率50%(1点あたりの粗利2,500円)の商品で、100件の注文を考えます。割引を入れる前は、90件が1点、10件が2点の注文だったとします。

結果を先に図で示します。

定価5,000円、粗利率50%の商品で注文100件を比べた図。客単価は割引なしが5,500円、2点で10%引きが6,200円、2点で20%引きが5,900円。粗利の合計は割引なしが275,000円、10%引きが295,000円、20%引きが265,000円で、20%引きは割引なしより減る。
割引なし・10%引き・20%引きの客単価と粗利の合計(数字は説明のための例。株式会社ULTROが作成。画像を押すと拡大できます)

内訳は、次のとおりです。

割引なし2点で10%引き2点で20%引き
1点の注文90件70件70件
2点の注文10件30件30件
2点の注文の金額10,000円9,000円8,000円
2点の注文の粗利5,000円4,000円3,000円
売上の合計550,000円620,000円590,000円
客単価5,500円6,200円5,900円
粗利の合計275,000円295,000円265,000円

(どちらの割引でも、2点の注文が10件から30件に増えたと仮定しています)

10%引きでは、客単価も粗利も増えています。20%引きでは、客単価は上がったのに、粗利は減っています。

理由は2つあります。ひとつは、割引の分だけ1件あたりの粗利が減ること。もうひとつは、割引がなくても2点買っていた10件にも、値引きをすることです。この10件については、値引きした分がそのまま損になります。

実際には、割引が大きいほど2点買う人は増えるので、上の表のように同じ件数にはなりません。それでも、考える順番は同じです。

  1. いまの注文のうち、複数点の注文が何割あるかを出す。この人たちには、割引がそのまま損になる
  2. 割引後の1件あたりの粗利を出す
  3. 粗利の合計が増えるには、複数点の注文が何件に増えればよいかを逆算する

客単価の数字だけを追うと、20%引きの施策が「成功」に見えます。評価は、粗利の合計でします。広告を出しているなら、客単価が上がれば同じCPAでもROASは上がりますが、ここでも見るのは粗利です。考え方はROASとは?計算式とCPA・ROIとの違い、目標の決め方に書いています。

ULTRO NOTES|広告運用ROASとは?計算式とCPA・ROIとの違い、目標の決め方ROAS(ロアス)は広告費に対して売上がどれだけ返ってきたかを見る指標です。計算式と単位の使い分け、CPA・ROIとの違い、粗利率から目標ROASを逆算する手順、単価の幅が大きいサイトや商品別に目標を分けるべきケースまでまとめます。

まとめ買い割引を、粗利で確かめる

定価・粗利率・割引率と、2点の注文の割合を入れると、割引の前後で客単価と粗利がどう変わるかが出ます。初期値は、上の表の「2点で20%引き」の例です。

商品と割引
2点の注文の割合

計算はお使いのブラウザの中だけで行われ、入力した数字はどこにも送信されません。注文は1点か2点のどちらかで、注文の件数は変わらない前提です。

式は、上の表と同じ考え方です。2点の注文1件の粗利は、定価 × 2 ×(粗利率 − 割引率)で出しています。最後の行は、手順3の逆算で、割引前と粗利の合計が同じになる2点注文の割合です。

割引を使わずに単価を上げる

割引なしでできることを、先に試します。

  • 大容量・セットを商品として用意する。 選択肢にあるだけで、一定の割合の人が選びます
  • 上位のセットを並べる。 2点セットだけでなく3点セットも並べると、2点セットが選ばれやすくなることがあります
  • 「定番の組み合わせ」を見せる。 何と一緒に使うかが分かれば、割引がなくても一緒に買う人はいます
  • おまけを付ける。 値引きの代わりに、原価の低い小物やサンプルを付けます。値引きと違って、商品の価格そのものは変えずに済みます

上の2つには、『影響力の武器 実践編』に根拠になる実験があります。

  • 上位のセット:ウィリアムズ・ソノマのパン焼き器で、高価格の上位機種を新しく並べると、それまでの機種の売上がほぼ倍になった例が紹介されています。人は両端の間にある「真ん中」を選びやすく、最上位をなくすと、一段下も売れにくくなるそうです
  • おまけ:無料の特典として付けた商品は、その商品だけを見たときの値打ちが下がります(払ってもよいと思う額が約35%低かった)。無料で付けるときも、本来の価格を書いておくほうがよい、というのが本の主張です。ただし、価格を書くときは、下の「表示のルール」のとおり、実際に販売している価格であることが前提です

どちらも2000年前後の欧米の実験が中心で、ECで同じ大きさの効果が出るとは限りません。ここからはULTROの使い方ですが、3点セットを置くかどうか、おまけに価格を書くかどうかは、ABテストで確かめてから決めます。

送料無料ラインは、どこに置く?

「◯円以上で送料無料」は、客単価に効く仕組みとして広く使われています。あと少しで送料がかからなくなるなら、もう1点足す人がいるためです。

米国の調査(UPS・comScore、2014年、オンラインで買い物をする5,800人超)では、58%が「送料無料の条件を満たすために、カートに商品を足したことがある」と答えています。10年以上前の米国の数字で、客単価がどれだけ上がるかを示すものではありませんが、行動としては広く見られるものです。

置く場所は、注文金額の分布から決めます。

送料無料ラインの置き場所を3つの場合で比べた図。低すぎると、ほとんどの注文が条件を満たし、送料の負担だけが増える。いちばん多い価格帯の少し上(4,000〜5,999円の注文がいちばん多い例なら6,500〜7,000円あたり)に置くと、もう1点足す人がいる。高すぎると届かず、足そうとは思わない。
送料無料ラインの置き場所(数字は説明のための例。株式会社ULTROが作成。画像を押すと拡大できます)
  • いちばん多い価格帯の、少し上に置く。 先ほどの例なら、4,000〜5,999円の注文がいちばん多いので、6,500〜7,000円あたりが候補です
  • 高すぎると、届かない。 5,000円の注文をしている人に「12,000円以上で送料無料」と出しても、足そうとは思いません
  • 低すぎると、送料の負担だけが増える。 ほとんどの注文が条件を満たすなら、客単価は動かず、送料を店が持つだけになります

送料無料ラインも、粗利で確かめます。送料が700円、ラインが7,000円のとき、5,500円のカートに2,000円の商品(粗利1,000円)を足してもらえば、粗利が1,000円増え、受け取るはずだった送料700円がなくなるので、差し引き300円のプラスです。一方、もともと7,000円以上買っていた人は、700円の送料がそのままなくなります。

ラインを動かす前に、いまのラインのすぐ下と、すぐ上に、注文がどれだけあるかを数えます。

ラインは、足すものがあって初めて働きます。あと1,500円で送料無料になるとき、1,500円前後で足しやすい商品がなければ、お客様は足せません。ラインとの差を埋める価格の商品を、カートの近くに出しておきます。

Shopifyでの組み方

Shopifyの標準機能でできることと、アプリが必要なことを分けます。

やりたいこと標準機能補足
セット商品を作るShopify Bundles無料。固定のセットと、同じ商品の複数個セット
一緒に買われやすい商品を、商品ページに出すShopify Search & Discovery無料。「付加的な商品」を手動で指定
似た商品を、商品ページに出すShopify Search & Discovery無料。「関連商品」。自動でも出る
まとめ買いの割引ディスカウント最低購入金額や最低アイテム数を条件にできる
◯円以上で送料無料配送の設定、またはディスカウント
カートの中で商品をすすめるテーマによる無料テーマでは用意されていないことが多い
「あと◯円で送料無料」の表示テーマによる同上。アプリで足すことが多い
チェックアウトの途中で提案するShopify Plusのみ情報・配送・支払いの各画面
購入完了後に提案するアプリ購入後ページ、サンキューページ

セットを作る:Shopify Bundles

Shopify Bundles は、Shopifyが提供している無料のアプリで、すべてのプランで使えます。作れるのは次の2種類です。

  • 固定バンドル:決まった商品の組み合わせを、1つの商品として売る
  • マルチパック:同じ商品を複数個まとめて売る

知っておく制約が3つあります。

  • お客様が中身を選ぶセットは作れない。 「10種類から好きな3つ」のような形は、別のアプリが必要です
  • 定期購入と組み合わせられない。 Shopify Subscriptions とは併用できません
  • セットの価格は、自分で設定する。 中の商品の価格を変えても、セットの価格は自動では変わりません

商品ページに出す:Shopify Search & Discovery

Shopify Search & Discovery も、Shopifyの無料アプリです。商品ごとに、2種類のおすすめを設定できます。

種類中身設定
関連商品似ている商品自動で出る。手動で指定もできる
付加的な商品一緒に買われやすい商品手動で指定する。自動では出ない

クロスセルに使うのは「付加的な商品」です。自動では出ないので、商品ごとに自分で選びます。1つの商品につき10個まで指定できます。テーマの編集画面で、商品ページに「付加的な商品」のブロックを足すと表示されます(対応しているテーマのみ)。

「関連商品」の自動表示は、過去の購入の実績や、同じコレクションにあるかどうかをもとにしています。商品説明の似ている度合いも使われますが、ヘルプによると、これは英語のストアに限られます。日本語のストアで、注文の実績がまだ少ないうちは、手動で指定したほうが意図どおりになります。

割引を設定する:ディスカウント

管理画面の[ディスカウント]で、次のような条件の割引を作れます。

  • 最低購入金額、または最低アイテム数を満たしたら割引
  • ある商品を買ったら、別の商品を割引または無料にする
  • 条件を満たしたら送料無料

自動で適用されるディスカウントにしておけば、お客様がコードを入力する必要はありません。

制約もあります。

  • 「2点で5%、3点で10%」のような段階的な割引は、1つのディスカウントでは作れない。 ヘルプは、アプリなどを使う方法を案内しています。数量に応じた価格の機能は別にありますが、法人向け(B2B)の注文が対象です
  • 「ある商品を買ったら別の商品を無料に」は、特典の商品が自動でカートに入らない。 お客様が自分でカートに入れる必要があるので、案内の表示が要ります

購入の直前・直後に出す

チェックアウトの途中(情報の入力、配送、支払いの各画面)に提案を出せるのは、Shopify Plusに限られます。

Plus以外のプランで使えるのは、次の2つです。どちらもアプリで設定します。

場所タイミング特徴
購入後ページ支払いが完了した直後、完了画面の前お客様は支払い情報を入れ直さずに、1回の操作で追加できる
サンキューページ注文の完了画面追加は新しい注文になる

購入後ページは、もとの注文が確定したあとに出るので、提案がもとの購入の邪魔をしません。ただし、支払い方法によっては表示されません。Shopifyの開発者向けドキュメントによると、Apple Pay、Google Pay、Amazon Payなどで支払った注文や、ギフトカードを使った注文では出ません。出る注文が一部に限られる前提で考えます。

アプリを使う場合

カートの中の提案や、購入後の提案には、専用のアプリがあります。よく使われているものを挙げます。

アプリ主な用途料金の入口
Upsell.com(旧 ReConvert)購入後ページ、サンキューページ無料プランあり
Selleasy商品ページ、カート、購入後無料プランあり(注文数の上限つき)
Frequently Bought Together商品ページの「よく一緒に購入されている商品」無料プランあり
AfterSell購入後ページ、チェックアウト無料プランあり
Rebuyカート、おすすめ全般月25ドルから

Shopify App Storeの掲載内容(2026年10月時点)です。アプリ名から、App Storeの掲載ページに移動できます。有料プランは、注文数に応じて料金が上がるものが多くあります。5つとも、管理画面は日本語に対応していません。

まず標準機能で商品ページの提案とセットを組み、カートや購入後の提案を足したくなったらアプリを検討する、の順で足ります。

「おすすめを出せば売れる」は、どこまで本当か

レコメンドの効果を説明するとき、「Amazonの売上の35%はレコメンドによるもの」という数字がよく引かれます。

たどれる範囲で最も古い出どころは、コンサルティング会社マッキンゼーの2013年の記事です。そこには「Amazonで消費者が買うものの35%は、レコメンドによるものだ」という趣旨の一文があります。脚注は付いていますが、もとになったデータまではたどれませんでした。Amazon自身が公表した数字としても、確認できていません。

実験で測った研究もあります。米国の研究者が大手のファッションECで行った実験(Kumar & Hosanagar)では、商品ページにおすすめを出すと、おすすめした商品の売上が9%増え、全体の売上は11%増えました。一方で、もとの商品の売上は1.9%減っています。おすすめした商品に、一部のお客様が乗り換えたためです。研究者は、35%という数字は過大だと述べています(大学の発表にもとづきます)。

ここから言えるのは、2つです。

  • おすすめには効果があるが、「売上の3分の1」のような規模を期待しないほうがよい
  • おすすめは、足されるだけでなく、置き換えも起こす。 安い商品をすすめれば、高い商品を買うはずだった人が、そちらに移ることがあります

自社で効果を確かめるなら、おすすめを出す場合と出さない場合で、客単価と粗利を比べます。やり方はA/Bテストとは?必要なアクセス数と、ECでやってはいけないケースに書いています。

ULTRO NOTES|サイト構築・改善A/Bテストとは?必要なアクセス数と、ECでやってはいけないケースA/Bテスト(ABテスト)は、2つのパターンを同時に出し分けて成果を比べる方法です。必要なサンプル数の出し方、自社のアクセス数で検出できる改善幅の早見表、途中で止めてはいけない理由、Shopifyの標準機能での始め方をまとめます。

表示のルール

提案のしかたによっては、法律上の問題になります。ULTROは法律の専門家ではないので、要点だけ挙げます。実際の表示は、専門家に確認してください。

「通常価格」と比べるなら、実績が要る。 セットや割引を「通常10,000円のところ8,000円」のように見せる場合、比べる価格は、最近の相当な期間、実際に販売していた価格である必要があります。消費者庁の考え方では、目安として、セール開始前の8週間のうち過半の期間でその価格で販売していたこと、などが示されています。販売した実績のない価格を「通常価格」として出すと、景品表示法上の不当表示になるおそれがあります。

追加の商品を、最初から選択済みにしない。 消費者庁のガイドラインは、お客様が自分で変えない限り定期購入として申し込む設定になっているなど、よほど注意しないと気づかない作りを、問題になりうる例として挙げています。追加商品の初期チェックを直接扱った記述は見当たりませんでしたが、同じ考え方が当てはまると見ておくのが安全です。追加するかどうかは、お客様が自分で選ぶ形にします。

定期購入への切り替えをすすめるなら、最終確認画面に条件を出す。 定期購入では、各回の分量と代金、支払いの総額、解約の条件などを、注文を確定する直前の画面に表示することが義務付けられています。

客単価の先にあるもの

客単価は、1回の注文の数字です。お客様との関係全体で見ると、別の見方も必要になります。

初回の客単価を上げすぎない。 初めてのお客様に大きなセットをすすめると、1回の金額は上がりますが、使い切るまでの期間が延びて、2回目の注文が遠くなります。合わなかった場合の不満も大きくなります。初回は試しやすい量にして、2回目以降でまとめ買いや定期をすすめるほうが、長い目で見て売上が大きくなることがあります。

客単価と、購入の間隔を一緒に見る。 3か月分をまとめて買ってもらえば客単価は3倍ですが、次の注文は3か月後です。1年間の売上で見れば、変わっていないこともあります。

セットやまとめ買いとは別に、何が当たるかを楽しんでもらう、くじやガチャの形で売る方法もあります。Shopifyでの作り方はオンラインガチャ・オリパのシステムをShopifyで作る方法にまとめています。

ULTRO NOTES|サイト構築・改善オンラインガチャ・オリパのシステムをShopifyで作る方法|MysBoxの料金と設定オンラインガチャ・オリパ・くじのシステムを、Shopifyとアプリ「MysBox」で作る方法をまとめます。専用システムとの費用の違い、料金と月の販売数ごとの試算、設定の流れ、法律面で確認すること、TikTok Shopで売るときの規約まで。

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参考にした情報

よくある質問

アップセルとクロスセルの違いは何ですか?

アップセルは、お客様が検討している商品より上位の商品や、容量の多いもの、セットを提案することです。クロスセルは、検討している商品と一緒に使う別の商品を提案することです。シャンプーを見ている人に大容量ボトルをすすめるのがアップセル、コンディショナーをすすめるのがクロスセルです。どちらも1回の注文の金額を上げますが、アップセルは商品の単価を、クロスセルは点数を上げます。

客単価とAOVは同じ意味ですか?

ECではほぼ同じ意味で使われます。AOVは Average Order Value の略で、1回の注文あたりの平均金額です。売上を注文数で割って出します。「客単価」は、1人のお客様が一定の期間に使った金額を指すこともあるので、数字を共有するときは、注文あたりなのか、お客様あたりなのかを確かめます。Shopifyの管理画面では「平均注文金額」と表示されます。

客単価を上げるには、何から始めればいいですか?

注文金額の分布を見るところからです。いくらの注文がいちばん多いかが分かれば、送料無料ラインをどこに置くか、何をセットにするかが決まります。そのうえで、割引を付けずにできる提案(商品ページでの関連商品の表示、大容量やセットの用意)から始めます。割引を使う施策は、粗利で計算してから入れます。

まとめ買い割引は、何%までなら出していいですか?

粗利率と、割引がなくても複数買っていた人の割合で決まります。粗利率50%の商品を2点で10%引きにすると、2点目を買ってもらえれば粗利は増えます。20%引きにすると、もともと2点買っていた人への値引き分が大きくなり、客単価は上がっても粗利の合計が減ることがあります。割引を入れる前に、いまの注文のうち複数点の注文が何割あるかを確かめます。

Shopifyの標準機能だけで、アップセルやクロスセルはできますか?

商品ページでの提案まではできます。セット販売はShopify Bundles、一緒に買われやすい商品の表示はShopify Search & Discovery、まとめ買いの割引や送料無料はディスカウントと配送の設定で組めます。いずれも追加の月額はかかりません。カートの中での提案、「あと◯円で送料無料」の表示、購入完了後の提案は、アプリが必要になることが多い部分です。

購入の直前や直後に追加の商品を提案しても、問題ありませんか?

提案そのものは問題ありません。気をつけるのは表示のしかたです。追加の商品を最初からカートに入れた状態にしておくなど、お客様が気づかないまま申し込む作りは、特定商取引法で問題になるおそれがあります。「通常価格」と比べて割引を見せる場合は、その価格で実際に販売していた実績が必要です。個別の判断は専門家に確認してください。

まとめ
  • アップセルは上位・大容量・セットの提案で単価を上げる。クロスセルは一緒に使う別の商品の提案で点数を上げる
  • 客単価(AOV)=売上÷注文数。商品1点あたりの単価と、注文あたりの点数に分けて見る
  • まず注文金額の分布を見る。送料無料ラインは、いちばん多い価格帯の少し上に置く
  • 割引で点数を増やすと、客単価が上がっても粗利が減ることがある。粗利で損得を確かめる
  • Shopifyの標準機能でできるのは商品ページまで。カート内と購入後の提案はアプリが要ることが多い
  • 追加商品を最初から選択済みにする、実績のない「通常価格」と比べる、は避ける

この記事を書いた人永田 龍史

株式会社ULTRO 代表取締役

Shopify Partner。Shopifyストアの構築・保守・広告運用・CRMを一気通貫で担当。個人として運用した広告費は累計40億円超。計測設計から逆算して、利益が伸びる仕組みを作っています。Google 広告の認定資格(検索・ディスプレイ・動画・ショッピング・アプリ・P-MAX・測定)と Google アナリティクス認定資格を保有。

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