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CTR・CPC・CPMの違いと計算式|EC広告で数字を読む順番

3つの計算式、CPC=CPM÷CTRでつながる関係、CPAが上がったときに見る順番、媒体ごとに違う「クリック」の中身、平均値を目標にしない理由まで。

この記事で分かることCTRは表示のうちクリックされた割合、CPCはクリック1回あたりの費用、CPMは表示1,000回あたりの費用です。3つは別々の指標ではなく、CPC=CPM÷(CTR×1,000)でつながっています。クリック単価は、表示の値段をクリック率で割ったものです。ECでは、ROASやCPAが動いたときに、CVR、CPC、CTRとCPMの順にさかのぼって、どこが動いたかを確かめるために使います。

広告の管理画面を開くと、CTR、CPC、CPMという3つの数字が並んでいます。用語集を引けば、それぞれの意味と計算式はすぐ分かります。分からないのは、その先です。CPCが先月より上がっているとき、それは悪いことなのか。何を直せばいいのか。

答えが出ないのは、3つを別々の指標として見ているからです。3つは1本の式でつながっていて、どれかが動けば、ほかも動きます。つながりが分かると、「CPCが上がった」は「表示の値段が上がったのか、クリックされにくくなったのか」という、答えの出せる問いに変わります。

この記事では、3つの指標の意味と計算式、つながり方、ECで数字を読む順番、媒体ごとに違う「クリック」の中身をまとめます。対象は、広告の運用を自社で見ている方、代理店のレポートを読む立場の方です。管理画面の表記は2026年10月時点の各社ヘルプに沿っています。

CTR・CPC・CPMとは?

指標日本語意味計算式
CTR(Click Through Rate)クリック率表示された回数のうち、クリックされた割合クリック数 ÷ 表示回数 × 100
CPC(Cost Per Click)クリック単価クリック1回あたりの費用広告費 ÷ クリック数
CPM(Cost Per Mille)インプレッション単価表示1,000回あたりの費用広告費 ÷ 表示回数 × 1,000

CPMの「M」は Mille(ミル)で、ラテン語の「千」です。「インプレッション単価」という訳語から1回あたりの金額に見えますが、1,000回あたりです。1回あたりにすると小数点以下の細かい金額になるので、1,000回分でまとめて表しています。

もとになる数字は、広告費、表示回数(インプレッション)、クリック数の3つだけです。3つの指標は、この3つの数字のうち2つを選んで割ったものです。

例で計算する

次の数字を、この記事を通して使います。

項目数字
広告費100,000円
表示回数200,000回
クリック数2,000回
購入40件
売上320,000円
  • CTR = 2,000 ÷ 200,000 × 100 = 1.0%
  • CPC = 100,000 ÷ 2,000 = 50円
  • CPM = 100,000 ÷ 200,000 × 1,000 = 500円

管理画面では何という名前で出ているか

指標Google 広告Meta広告
表示回数表示回数インプレッション
CTRクリック率CTR(すべて)/CTR(リンククリックスルー率)
CPC平均クリック単価CPC(すべて)/CPC(リンククリックの単価)
CPM平均インプレッション単価CPM(インプレッション単価)

Google 広告は日本語の名前、Meta広告は英字の略語で表示されます。Meta広告にCTRとCPCが2種類ずつあるのは、「クリック」の数え方が2通りあるためです。後の節で説明します。

3つは、1本の式でつながっている

3つの指標は、次の関係にあります。

CPC = CPM ÷(CTR × 1,000)

上の例で確かめると、500 ÷(0.01 × 1,000)= 50円 で、合っています。

この式は、各社のヘルプに書かれているものではなく、3つの定義から出てくる関係です。言葉にすると、こうなります。

クリック単価は、表示の値段を、クリックされる割合で割ったもの

1,000回表示するのに500円かかり、そのうち10回クリックされれば、1クリックは50円です。同じ500円で20回クリックされれば、25円になります。

ここから、CPCが動く理由は2つしかないことが分かります。

動いたものCPCへの影響意味
CPMが上がったCPCも同じ割合で上がる表示の値段が上がった
CTRが下がったCPCが上がる同じ表示回数で、クリックが減った

「CPCが上がった」という報告を受けたら、次に確かめるのは、CPMとCTRのどちらが動いたかです。原因が違えば、打ち手も違います。

購入まで、式をのばす

ECで知りたいのは、クリックの値段ではなく、購入1件にいくらかかったか、広告費に対して売上がいくら返ってきたかです。式は、そこまでのばせます。

全体を先に図で示します。

広告費が売上に変わるまでの段階と、7つの指標の位置を示した図。広告費100,000円、表示回数200,000回、クリック数2,000回、購入40件、売上320,000円の順に並び、段階の間にCPM 500円、CTR 1.0%、CVR 2.0%、客単価8,000円がある。広告費とクリック数からCPC 50円、広告費と購入からCPA 2,500円、売上と広告費からROAS 320%が出る
広告費が売上に変わるまでの段階と、7つの指標の位置(数字は説明用の例。ULTROが作成。画像を押すと拡大できます)

CPA = CPC ÷ CVR

ROAS = 客単価 × CVR ÷ CPC

CVR(コンバージョン率)は、クリックのうち購入に至った割合です。例では 40 ÷ 2,000 = 2.0%、客単価は 320,000 ÷ 40 = 8,000円です。

  • CPA = 50 ÷ 0.02 = 2,500円
  • ROAS = 8,000 × 0.02 ÷ 50 = 3.2倍(320%)

全体を1枚にまとめます。

段階数字前の段階との間にある指標
広告費100,000円
表示回数200,000回CPM 500円(表示1,000回の値段)
クリック数2,000回CTR 1.0%(表示のうちクリックされた割合)
購入40件CVR 2.0%(クリックのうち購入された割合)
売上320,000円客単価 8,000円

広告費が売上に変わるまでに、4つの段階があります。CPM、CTR、CVR、客単価は、それぞれの段階の間にある数字です。CPC、CPA、ROASは、複数の段階をまとめて見た数字です。

CPAの決め方はCPAとは?計算方法と目標CPAの決め方|ROASとの使い分けに、ROASの読み方はROASとは?計算式とCPA・ROIとの違い、目標の決め方に書いています。

ULTRO NOTES|広告運用CPAとは?計算方法と目標CPAの決め方|ROASとの使い分けCPAは広告費をコンバージョン数で割った、1件の獲得にかかった費用です。計算式、CPO・CACとの違い、ECで送料や決済手数料まで引いて限界CPAを出す手順、目標CPAを低くしすぎたときに起きること、ROASとの使い分けをまとめます。ULTRO NOTES|広告運用ROASとは?計算式とCPA・ROIとの違い、目標の決め方ROAS(ロアス)は広告費に対して売上がどれだけ返ってきたかを見る指標です。計算式と単位の使い分け、CPA・ROIとの違い、粗利率から目標ROASを逆算する手順、単価の幅が大きいサイトや商品別に目標を分けるべきケースまでまとめます。

自分の数字で計算する

管理画面の数字を5つ入れると、7つの指標がまとめて出ます。初期値は、この記事の例の数字です。

広告の数字
購入の数字

計算はお使いのブラウザの中だけで行われ、入力した数字はどこにも送信されません。購入件数と売上は、広告の管理画面に出ている数字を入れます。

式は、この記事に書いたものと同じです。CVRは、クリックのうち購入に至った割合(購入件数 ÷ クリック数)で出しています。

ECで数字を読む順番

管理画面を左から順に見ていくと、表示回数、クリック数、CTR、CPCと並んでいて、購入や売上は右のほうにあります。読む順番は、その逆です。

  1. ROASかCPA:目標に対してどうか。ここが目標どおりなら、手前の数字が動いていても急いで直す必要はない
  2. CVRと客単価:クリックのあとで起きたこと。サイトと商品の側の数字
  3. CPC:クリック1回の値段
  4. CTRとCPM:CPCが動いた理由

結果から原因にさかのぼります。CTRやCPMは、それ自体を良くするための数字ではなく、結果が動いたときに、どこが動いたかを突き止めるための数字です。

CPAが上がったとき、どこが動いたか

例のCPA 2,500円が、3,300円前後まで上がったとします。原因は3通り考えられます。

CPAが2,500円から3,300円前後に上がったときの3通りの原因。①CPMが500円から650円に上がった場合は表示の値段が上がっていて、時期が過ぎるのを待つか配信の対象を見直す。②CTRが1.0%から0.75%に下がった場合はクリックされなくなっていて、広告の画像や文を入れ替える。③CVRが2.0%から1.5%に下がった場合はサイトに来てから買わなくなっていて、在庫切れや価格の変更などを確かめる。広告を直しても戻らない。
CPAが上がったときの3通りの原因と打ち手(数字は説明のための例。株式会社ULTROが作成。画像を押すと拡大できます)

数字は、次のとおりです。

もとの数字①CPMが上がった②CTRが下がった③CVRが下がった
CPM500円650円500円500円
CTR1.0%1.0%0.75%1.0%
CPC50円65円約67円50円
CVR2.0%2.0%2.0%1.5%
CPA2,500円3,250円約3,330円約3,330円

CPAの数字はほぼ同じでも、起きていることは別です。

①CPMが上がった。 表示の値段が上がっています。競合の出稿が増えた、年末商戦などで広告枠の取り合いが激しくなった、配信の対象を狭めた、といった場合です。広告の中身を変えても解決しないことが多く、時期が過ぎるのを待つか、配信の対象を見直します。

②CTRが下がった。 同じ回数表示されても、クリックされなくなっています。同じ広告を同じ人に何度も見せて飽きられた、配信の対象を広げて関心の薄い人にも出るようになった、といった場合です。広告の画像や文を入れ替える、対象を見直す、が打ち手になります。

③CVRが下がった。 クリックの値段は変わらず、サイトに来てから買わなくなっています。原因は広告の外にあることが多く、在庫切れ、価格の変更、リンク先のページの不具合、送料の変更などを確かめます。広告を直しても戻りません。

CPAだけを見て「広告の調子が悪い」と判断すると、③の場合にも広告を作り直すことになります。分解してから動きます。

CPMは、何で決まる?

CPMは「表示の値段」ですが、定価があるわけではありません。多くの運用型広告は、表示のたびに入札(オークション)で値段が決まるので、次のような要因で動きます。

要因CPMへの影響
競合の出稿同じ相手に広告を出したい広告主が多いほど上がる
時期年末商戦、大型セールの時期は上がりやすい
配信の対象狭く絞るほど上がりやすい。既存のお客様や、サイトに来た人への配信は高くなる
配信面検索結果、SNSのフィード、動画、ディスプレイの枠で大きく違う
広告の品質媒体から見て反応が良いと見込まれる広告は、同じ表示を安く取れる

自社で動かせるのは、対象、配信面、広告の品質です。競合と時期は動かせません。CPMが上がったときは、まず、動かせない要因によるものかどうかを確かめます。前年の同じ時期の数字が残っていれば、季節の動きかどうかの見当がつきます。

サイトに来た人に広告を出すリターゲティングは、対象が少ないのでCPMは高くなります。その代わり、CTRとCVRも高くなるので、CPMだけ見て高い・安いは言えません。対象の決め方はリターゲティング広告とは?仕組みとECでの設定、Cookie規制のいまに書いています。

ULTRO NOTES|広告運用リターゲティング広告とは?仕組みとECでの設定、Cookie規制のいまリターゲティング広告は、サイトを訪れた人にもう一度広告を出す手法です。仕組み、ECでのリストの分け方、Google 広告とMeta広告での設定、P-MAXでの扱い、Chromeの方針撤回後のCookie規制の現状をまとめます。

表示回数の数え方

「表示1回」の数え方にも、種類があります。Google 広告の「表示回数」は、広告が表示されるたびに1回と数えます。これとは別に、「視認範囲のインプレッション」という数え方があります。広告が実際に画面に映ったものだけを数える方法で、Google 広告では、ディスプレイ広告は面積の50%以上が1秒以上、動画広告は50%以上が画面に出た状態で2秒以上再生された場合、とされています。業界団体(MRC)の基準です。

Google ディスプレイ ネットワークでインプレッションに対して入札する場合は、この視認範囲のインプレッションが課金の対象です。画面の下のほうに読み込まれただけで、見られていない表示には費用がかかりません。

CTRは、何で決まる?

CTRは、広告の中身と、見せた相手の組み合わせで決まります。

要因CTRへの影響
広告の種類検索広告は高く、ディスプレイ広告やSNS広告は低い
相手との合い方探している人、関心のある人に出すほど高い
広告の中身画像、見出し、価格やセールの表示
掲載位置検索結果の上のほうほど高い
見せた回数同じ人に何度も出すと下がっていく

検索広告とディスプレイ広告のCTRは、比べられない

検索広告は、いま探している人に出ます。ディスプレイ広告やSNS広告は、別のことをしている人の画面に出ます。CTRには何倍もの差が出ます。「検索広告のCTRは5%、SNS広告は0.8%だから、SNS広告は出来が悪い」とは言えません。

その代わり、CPMも大きく違います。検索広告は表示の値段が高く、クリックされやすい。SNS広告は表示の値段が安く、クリックされにくい。違う種類の広告を比べるときは、CTRやCPMではなく、CPCやCPAまで進めた数字で比べます。

CTRが高いのに、売れない広告

CTRは、高ければよいとは限りません。

広告の作り方でCTRとCVRが逆に動くことを示した図。強い言葉や目を引く画像でクリックさせると、CTRは上がりCVRは下がる。広告に価格を書くと、CTRは下がりCVRは上がる。CTR × CVR、つまり表示のうち何%が購入に至ったかまで見る
広告の作り方と、CTR・CVRの動き(ULTROが作成。画像を押すと拡大できます)
  • 「90%オフ」「衝撃の結果」のように、内容より強い言葉でクリックさせる
  • 商品と関係の薄い、目を引く画像を使う
  • 価格を書かずに出す

こうした広告は、CTRが上がり、CPCが下がります。ところが、クリックした人が期待していた内容とページが違うので、CVRが下がります。式で見ると、CPA = CPC ÷ CVR なので、CPCが2割下がっても、CVRが3割下がればCPAは悪化します。

逆に、広告に価格を書くと、CTRは下がることがあります。その値段では買わない人が、クリックしなくなるためです。CPCは上がりますが、来た人は価格を知ったうえで来ているのでCVRは上がります。ECでは、こちらのほうが結果が良くなることが多くあります。

CTRを評価するときは、CTR × CVR、つまり表示のうち何%が購入に至ったかまで見ます。

「クリック」の中身は、媒体で違う

CTRとCPCは、クリック数をもとに計算します。ところが、「クリック」に何を含めるかが、媒体によって違います。

Meta広告:「すべて」と「リンク」

Meta広告には、クリックの数え方が2つあります。

指標数えるもの
クリック(すべて)広告上のクリック、タップ、スワイプ。リンクのクリックに加え、いいね、コメント、プロフィールへの移動などを含む
リンクのクリック広告のリンクから、サイトなどの指定した移動先に進んだクリック

CTRとCPCも、それぞれ2種類あります。

  • CTR(すべて)= クリック(すべて)÷ インプレッション
  • CTR(リンククリックスルー率)= リンクのクリック ÷ インプレッション
  • CPC(すべて)= 消化金額 ÷ クリック(すべて)
  • CPC(リンククリックの単価)= 消化金額 ÷ リンクのクリック

ECでサイトへの集客を見るなら、使うのはリンクのほうです。「CTR(すべて)」は、画像を拡大しただけ、プロフィールを見ただけの操作も含むので、数字が大きく出ます。レポートに「CTR 2.5%」と書いてあったら、どちらのCTRかを確かめます。

さらに、「ランディングページビュー」という指標もあります。リンクをクリックしたあと、移動先のページが実際に読み込まれた回数です。クリックしたものの、読み込みを待たずに閉じた人は含まれません。リンクのクリックとの差が大きい場合は、ページの表示が遅い可能性があります。

Google 広告:クリックとインタラクション

Google 広告では、「クリック数」のほかに「インタラクション」という数え方があります。テキスト広告やショッピング広告ではクリック、動画広告では視聴、というように、広告の種類ごとの主な操作を数えたものです。

P-MAXやデマンドジェネレーションのように、検索・動画・ディスプレイにまたがって配信されるキャンペーンでは、インタラクションに動画の視聴が含まれます。「インタラクション率」をCTRのつもりで読むと、サイトに来た人の割合より大きい数字を見ることになります。サイトへの移動を見るときは、「クリック数」と「クリック率」の列を使います。

媒体をまたいで比べるとき

GoogleとMetaのCTRやCPCを並べるなら、どちらも「サイトに移動したクリック」にそろえます。Google 広告は「クリック数」、Meta広告は「リンクのクリック」です。

それでも、広告管理画面のクリック数と、GA4のセッション数は一致しません。クリックしてもページが開く前に閉じる人がいること、1人が複数回クリックすること、計測に同意していない人がいることなどが理由です。媒体どうしを同じ基準で比べたいときは、広告のリンクにパラメータを付けて、GA4側の数字で比べる方法があります。付け方はUTMパラメータの付け方と命名ルール|GA4で広告の成果を正しく見るに書いています。

ULTRO NOTES|計測・分析UTMパラメータの付け方と命名ルール|GA4で広告の成果を正しく見るUTMパラメータの付け方を、9つのパラメータの一覧、ECでそのまま使える命名ルール表、GA4のデフォルトチャネルグループとの対応までまとめました。自動タグ設定との優先順位、Shopifyで見るときの注意点まで実務目線で解説します。

CPCは、どこまで自分で決められる?

検索広告を手動で入札していた頃は、CPCは自分で設定する数字でした。キーワードごとに上限クリック単価を決め、その範囲で入札していたためです。

Google 広告では、設定するのは上限で、実際に請求される額はそれより低いことがほとんどです。請求されるのは、掲載の基準を満たし、すぐ下の順位の広告を上回るのに必要な最小限の額だからです。管理画面の「平均クリック単価」は、実際に請求された額の平均です。

いまは、コンバージョン数やコンバージョン値を目標にした自動入札が主流です。この場合、CPCは設定する数字ではなく、結果として出てくる数字になります。自動入札は、購入に至りそうな人には高い入札を、そうでない人には低い入札をします。CPCが上がっていても、その分CVRが上がってCPAやROASが目標どおりなら、入札は意図どおりに働いています。

「CPCが高いので下げたい」という相談はよくありますが、自動入札を使っているなら、CPCを直接下げる設定はほとんどありません。見るのはCPAとROASで、CPCは理由を確かめるときに使います。入札の考え方はリスティング広告とは?費用の決め方とECで最初に作る構成に書いています。

ULTRO NOTES|広告運用リスティング広告とは?費用の決め方とECで最初に作る構成リスティング広告は、検索した語句に連動して検索結果に出る広告です。掲載順位とクリック単価が決まる仕組み、相場ではなく粗利から月の予算を逆算する手順、ECで最初に分けるキャンペーンの構成、P-MAXとの関係をまとめます。

『ファンダメンタルズ×テクニカル マーケティング』は、課金の方式ごとに、入札で勝つ条件を整理しています。クリック課金なら入札額 × CTR、成果課金なら入札額 × 表示あたりの購入率で、媒体はその広告を出したときに入るお金で表示を決める、という見方です。同じ入札額でも、CTRの低い広告は表示されにくくなります。CPCやCPMが上がったときにCTRも一緒に見るのは、このためです。

課金のされ方と、指標は別の話

CPCとCPMは、課金の方式の名前としても使われます。クリックのたびに費用が発生するのがクリック課金(CPC課金)、表示に対して費用が発生するのがインプレッション課金(CPM課金)です。

混同しやすいのは、課金の方式と、指標としてのCPC・CPMは別だという点です。クリック課金の検索広告でも、広告費を表示回数で割ればCPMは出ます。インプレッション課金の広告でも、広告費をクリック数で割ればCPCは出ます。どの方式で課金されていても、3つの指標はすべて計算でき、この記事の式はそのまま使えます。

平均値は、目標にならない

「CTRの平均は何%ですか」という質問には、ひとつの数字では答えられません。

出典のはっきりした調査として、WordStream が毎年出している検索広告のベンチマークがあります。2025年版(2024年4月〜2025年3月、約1.6万のキャンペーン)では、次の数字でした。

CTRCPC
全業種6.66%5.26ドル
ショッピング・ギフト8.92%3.49ドル
アパレル・ジュエリー6.77%4.31ドル

読むときの注意が4つあります。

  • 米国のデータです。 日本の数字ではありません
  • 検索広告だけです。 ディスプレイ広告やSNS広告は含みません
  • 中央値です。 「平均」と書かれていますが、同社は中央値だと注記しています
  • 中身の内訳は分かりません。 自社名で検索した人に出る広告はCTRが高く、こうした広告がどれだけ含まれるかで数字は変わります

日本について、調査の主体・時期・サンプルが示された平均値は、今回調べた範囲では見つかりませんでした。CPMについて「10円〜500円が相場」と書いた記事もありますが、出典は示されていません。

同じ業種でも、指名検索と一般検索、検索広告とSNS広告、新規向けと既存向けで、CTRは何倍も違います。比べる相手は、他社の平均ではなく、自社の同じキャンペーンの先月、前年同月です。

3つの指標を見るときに引っかかりやすいところ

期間をまたいで割合を平均しない。 1週目のCTRが1.0%、2週目が2.0%でも、2週間のCTRは1.5%とは限りません。表示回数が違えば、平均の重みが変わります。2週間分のクリック数の合計を、表示回数の合計で割ります。CPCとCPMも同じです。

表示回数が少ないうちは判断しない。 表示500回でクリック10回ならCTRは2.0%ですが、クリックが5回違えば1.0%にも3.0%にもなります。数日分の数字で広告を止めたり入れ替えたりすると、偶然の差に振り回されます。

フリークエンシーを一緒に見る。 フリークエンシーは、1人に平均何回表示されたかを表します。CTRが少しずつ下がっているとき、フリークエンシーが上がっていれば、同じ人に何度も出して飽きられている可能性があります。

インプレッション シェアを見る。 検索広告では、表示できたはずの回数のうち、実際に表示された割合が分かります。CTRもCVRも良いのに表示回数が伸びないときは、予算か入札の不足で表示の機会を逃しています。

CPCが安い配信面に注意する。 CPCが極端に安いときは、誤ってタップされやすい配信面に多く出ている場合があります。クリックは集まりますが、CVRは低くなります。CPCが安いことではなく、CPAで判断します。

CTR、CPC、CPMは、広告費が売上に変わるまでの途中経過を表す数字です。それ自体を良くすることが目的ではなく、ROASやCPAが動いたときに、原因までさかのぼるために使います。CVRの見方と改善の順番はECサイトのCVRとは?平均値の見方と改善の優先順位にまとめています。

ULTRO NOTES|サイト構築・改善ECサイトのCVRとは?平均値の見方と改善の優先順位ECサイトのCVR(コンバージョン率)の計算式と、業界平均をそのまま使えない理由、自社の目標値の決め方をまとめました。GA4で購入までを5段階に分けて落ちている箇所を特定し、Clarityで原因を見て、どの施策から着手するかを決めるところまで解説します。

参考にした情報

よくある質問

CTR・CPC・CPMは、それぞれ何の略ですか?

CTRは Click Through Rate(クリック率)、CPCは Cost Per Click(クリック単価)、CPMは Cost Per Mille(1,000回表示あたりの費用)です。Mille はラテン語で「千」を意味します。CPMは日本語で「インプレッション単価」と呼ばれますが、1回あたりではなく1,000回あたりの金額です。

CTR・CPC・CPMの計算式を教えてください。

CTR(%)= クリック数 ÷ 表示回数 × 100、CPC(円)= 広告費 ÷ クリック数、CPM(円)= 広告費 ÷ 表示回数 × 1,000 です。広告費10万円、表示20万回、クリック2,000回なら、CTRは1.0%、CPCは50円、CPMは500円になります。

CPMとCPCは、どういう関係ですか?

CPC = CPM ÷(CTR × 1,000)でつながっています。CPMが500円でCTRが1.0%なら、CPCは50円です。CPMが同じでもCTRが2倍になればCPCは半分になり、CTRが同じでもCPMが上がればCPCも同じ割合で上がります。クリック単価が上がったときは、表示の値段が上がったのか、クリックされにくくなったのかを分けて見ます。

CTRの平均や目安は、どれくらいですか?

媒体と広告の種類で大きく違うので、ひとつの目安はありません。米国の検索広告を対象にした2025年の調査(WordStream)では、全業種の中央値が6.66%でした。ただし米国のデータで、検索広告に限った数字です。ディスプレイ広告やSNS広告は、これより大幅に低くなります。他社の平均より、自社の同じキャンペーンの過去の数字と比べます。

CTRが高ければ、良い広告ですか?

そうとは限りません。CTRが高くても、クリックした人が買わなければ売上にはなりません。興味を引くだけの広告文や画像は、CTRを上げてCVRを下げます。ECでは、CTRとCVRを掛けた数字、つまり表示のうち何%が購入に至ったかまで見て判断します。

Meta広告のCTRが、Google 広告より高く見えるのはなぜですか?

「クリック」に含まれるものが違うためです。Meta広告の「CTR(すべて)」は、いいね、コメント、プロフィールへの移動なども数えます。サイトへの移動だけを数えるのは「CTR(リンククリックスルー率)」です。媒体をまたいで比べるときは、サイトへの移動だけを数えた数字にそろえます。

まとめ
  • CTR=クリック数÷表示回数、CPC=広告費÷クリック数、CPM=広告費÷表示回数×1,000
  • 3つは CPC=CPM÷(CTR×1,000)でつながる。クリック単価は「表示の値段」を「クリック率」で割ったもの
  • ECでは ROAS・CPA → CVR → CPC → CTRとCPM の順にさかのぼって、動いた場所を特定する
  • CPMは競合と時期で動く。CTRは広告の中身と見せる相手で動く。打ち手が違う
  • 「クリック」の中身は媒体で違う。Meta広告は「すべて」と「リンク」を分けて見る
  • 平均値は媒体・広告の種類・国で大きく違う。目標にするのは自社の過去の数字
  • 3つの指標は途中経過。目標に置くのはROASかCPAで、指標は原因をさかのぼるために使う

この記事を書いた人永田 龍史

株式会社ULTRO 代表取締役

Shopify Partner。Shopifyストアの構築・保守・広告運用・CRMを一気通貫で担当。個人として運用した広告費は累計40億円超。計測設計から逆算して、利益が伸びる仕組みを作っています。Google 広告の認定資格(検索・ディスプレイ・動画・ショッピング・アプリ・P-MAX・測定)と Google アナリティクス認定資格を保有。

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