Shopifyの運用代行とは?頼める範囲と費用相場、任せる前に決めること

運用代行と呼ばれる3種類の違い、依頼できる業務、費用相場と料金の決まり方、選び方、アカウントの名義と解約時の引き継ぎまで。
Shopifyでストアを始めたものの、商品登録やページの更新、広告、問い合わせ対応まで社内で回すのは手が足りない。そう考えて「Shopify 運用代行」を調べると、たくさんの会社が出てきます。ただ、並べて見ても、何をしてくれるのか、なぜ料金がこれほど違うのかが分かりにくいはずです。
理由は、同じ「運用代行」という言葉で、中身の違うサービスが呼ばれているからです。この記事では、Shopifyの運用代行を3種類に分けたうえで、依頼できる業務、費用相場と料金の決まり方、選び方、任せる前に決めておくことをまとめます。
Shopifyの運用代行とは
Shopifyの運用代行は、Shopifyで作ったストアの運営の一部または全部を、外部の会社に任せることです。運営代行、EC運用代行と呼ばれることもあります。
ストアを作るところまでを頼む「構築」や「制作」とは別の契約です。構築はストアを公開したら終わりますが、運用代行は公開した後の毎月の仕事を、月額で引き受けるものが一般的です。
「運用代行」と呼ばれるものは3種類ある
運用代行の会社を比べるときに、最初に分けておきたいのが、何を引き受けるかです。大きく3種類あります。先に図で示します。
表にすると、次のとおりです。
| 作業の代行 | 更新・保守の代行 | 売上を伸ばす運用 | |
|---|---|---|---|
| 主な仕事 | 商品登録、受注処理、問い合わせ対応、発送の手配 | ページやバナーの更新、アプリやテーマの不具合の対応 | 数字の分析、施策の提案、実装、広告やメールの運用 |
| 何をするか決める人 | 自社 | 自社 | 代行会社が提案し、自社と一緒に決める |
| 成果への責任 | 作業を正確に終えること | 頼んだ更新を終え、ストアを止めないこと | 決めた数字に近づけること |
| よくある頼む先 | EC運営代行の会社、物流会社 | 制作会社、Shopifyの開発会社 | Shopifyに強いマーケティング会社、広告代理店 |
作業の代行と更新・保守の代行は、何をするかを自社が決め、それを代わりにやってもらう形です。売上を伸ばす運用は、何をするかを考えるところから任せる形で、その分、代行会社にストアの数字を見てもらう必要があります。
「運用代行を頼んだのに、何も提案が来ない」「提案はもらえるが、実装は別料金だった」といった食い違いは、この3種類のどれを頼んだのかが合っていないときに起きます。比べる前に、自社がどれを頼みたいのかを決めておきます。
依頼できる業務の一覧
運用代行で頼めることを、業務ごとに並べると次のとおりです。3種類のどれに入るかも付けておきます。
| 業務 | 中身 | 主に引き受ける種類 |
|---|---|---|
| 商品登録 | 商品の写真撮影、説明文、価格や在庫の登録 | 作業の代行 |
| 受注処理・発送 | 注文の確認、出荷の指示、配送の問い合わせ | 作業の代行 |
| 問い合わせ対応 | メールやチャットでのお客様の対応 | 作業の代行 |
| ページの更新 | バナー、特集ページ、お知らせの更新 | 更新・保守の代行 |
| 保守 | アプリやテーマの不具合の対応、Shopifyの仕様変更への対応 | 更新・保守の代行 |
| アクセス解析 | GA4やShopifyのレポートを読み、課題を見つける | 売上を伸ばす運用 |
| 改善の施策 | 商品ページやカートの改善、A/Bテスト | 売上を伸ばす運用 |
| 広告運用 | Google広告、Meta広告などの設定と運用 | 売上を伸ばす運用 |
| CRM | メール、LINEの配信、リピートの施策 | 売上を伸ばす運用 |
1社ですべてを引き受ける会社もあれば、どれか1つに絞っている会社もあります。全部を1社に頼む必要はありません。たとえば、受注と発送は物流会社に、売上を伸ばす運用はマーケティング会社に、と分けて頼むこともできます。
費用相場と、料金の決まり方
Shopifyの運用代行の会社が公開している料金や、比較記事に載っている数字を並べると、月額はおおむね次の帯に収まります。
| 任せる範囲 | 月額の目安 |
|---|---|
| 更新や保守が中心 | 月5万〜15万円 |
| 更新に加えて、分析と施策の実装まで | 月15万〜30万円 |
| 広告運用やCRMまで含めて任せる | 月30万円以上 |
この金額とは別に、初期費用、広告費、Shopifyやアプリの月額がかかります。Shopify本体やアプリにかかる費用は、Shopifyの料金と、EC運営にかかる総額にまとめています。
料金を決めるのは、主に次の3つです。
- 任せる範囲:作業だけか、分析と提案までか、実装までか
- 稼働量:毎月の更新の量、定例の打ち合わせの頻度、扱う商品の数
- 広告やCRMを含むか:広告運用は、広告費の15〜20%を手数料にする会社が多い
料金の形は、月額の固定、作業時間に応じた料金、売上に応じた成果報酬の3つがあります。成果報酬は売上の数%から15%程度の例が多いですが、契約の前に、何の売上を数えるのかを必ず確認します。ストアの全売上なのか、前年から増えた分なのか、広告経由の分なのかで、払う金額が大きく変わるからです。
選び方の基準
運用代行の会社を比べるときに見るのは、次の5つです。
- 何をするか決めるのは誰か:自社が決めたことをやってもらうのか、提案から任せるのか。上の3種類のどれに当たるか
- 提案だけか、実装までか:施策を提案して終わりなのか、テーマの修正やアプリの設定まで自分たちで手を動かすのか
- 数字の見方とレポートの形:Shopify、GA4、広告の管理画面で数字がずれたとき、どの数字で判断するのか。月次のレポートに何が載るのか
- 権限の持ち方:ストアや広告のアカウントを、自社の名義のまま運用してくれるか
- 契約期間と解約の条件:最低契約期間、解約の連絡の期限、解約したときに何を引き渡してもらえるか
3は見落とされがちですが、売上を伸ばす運用を頼むなら大事なところです。Shopifyの注文の数と、GA4や広告の管理画面の数字は、同じにはなりません。どの数字で良し悪しを判断するのかが決まっていないと、毎月の報告で「広告では成果が出ている」と「売上は増えていない」が並んだまま、話が進みません。ずれる理由はアトリビューションの記事にまとめています。
任せる前に決めておくこと
運用代行を頼む前に、社内で決めておきたいのが、アカウントの名義と権限の渡し方、レポートの形、解約したときの引き継ぎです。
アカウントは自社の名義で持ち、代行会社には権限を渡す
ストア、GA4、広告のアカウントは、自社の名義で作って持っておきます。代行会社には、それぞれのアカウントにアクセスする権限を渡す形にします。先に図で示します。
表にすると、次のとおりです。
| 持つもの | 自社の名義で持つ | 代行会社に渡すもの |
|---|---|---|
| Shopify | ストアのオーナー | コラボレーターアカウントか、スタッフアカウント |
| GA4 | アカウントとプロパティ | プロパティの権限(作業に応じて編集者など) |
| Google広告 | 広告アカウント | アカウントへのアクセス権 |
| Meta広告 | ビジネスポートフォリオと広告アカウント | パートナーとしてのアクセス権 |
| ドメイン | ドメインの契約 | 必要なときにDNSの設定だけ |
代行会社の名義でアカウントを作ってもらうと、始めるのは楽ですが、解約したときに、広告の配信の履歴やGA4のデータを持ち出せないことがあります。自社の名義で持っていれば、解約のときは権限を外すだけで済みます。
Shopifyでは、外部の会社にはコラボレーターアカウントで入ってもらうのが基本です。スタッフの数の上限に含まれず、渡す権限も選べます。承認の手順はShopifyコラボレーターの記事に、ツールごとの渡し方は外部パートナーへの権限付与まとめにまとめています。
レポートの形を決める
月次のレポートに何を載せるのかを、最初に決めておきます。売上、注文数、客単価、広告費、新規とリピートの内訳など、自社が毎月見たい数字を伝え、どのツールから出すのかもそろえておきます。あわせて、定例の打ち合わせの頻度と、急ぎの依頼をどこに送るのかも決めます。
解約したときの引き継ぎを決める
契約の時点で、解約したときに何を引き渡してもらうのかを決めておきます。
- 代行会社の名義で作ったアカウントやツールがあれば、その移し方
- 作ってもらったページ、テーマのコード、アプリの設定
- レポートの元データと、施策の記録
- 代行会社が持っている権限を外す日
ここが決まっていれば、別の会社に乗り換えるときも、社内で運用を引き取るときも、止まらずに引き継げます。
ULTROの運用代行
ULTROは、Shopifyのストアの保守と改善、広告運用、CRMを引き受けています。上の3種類でいうと、売上を伸ばす運用に当たります。毎週の定例で優先順位を決め、毎月の分析から施策の提案、実装までを同じ担当が行います。
一方で、楽天やAmazonの商品ページのための撮影・採寸・原稿作り(ささげ)や、受注処理のような作業の代行は引き受けていません。料金も、提案と実装を含んだ形にしています。作業だけを切り出して頼みたい場合は、作業の代行を専門にしている会社のほうが合います。サービスの中身と料金は攻めの保守のページにまとめています。
よくある質問
Shopifyの運用代行には、何を頼めますか?
商品登録やページの更新、受注処理や問い合わせ対応、アプリやテーマの不具合の対応、アクセス解析と改善の提案、広告運用、メールやLINEの配信などです。ただ、会社ごとに引き受ける範囲が違います。作業だけを引き受ける会社と、数字を見て施策を考えるところまで引き受ける会社では、同じ「運用代行」でも中身が別物です。
Shopifyの運用代行の費用相場は、どのくらいですか?
公開されている料金や比較記事の数字を見ると、更新や保守が中心なら月5万〜15万円、分析と施策の実装まで含むと月15万〜30万円、広告運用やCRMまで含むと月30万円以上、という帯が多くなっています。これに加えて、初期費用や、広告費、アプリの月額がかかります。
成果報酬型の運用代行は、得ですか?
一概には言えません。成果報酬の「売上」が、ストアの全売上なのか、前年から増えた分なのか、広告経由の分なのかで、払う金額が大きく変わります。契約の前に、何の売上を、どのツールの数字で数えるのかを確認してください。
運用代行に、ストアのオーナー権限を渡してもいいですか?
おすすめしません。ストアのオーナーは自社に残し、代行会社にはコラボレーターアカウントかスタッフアカウントで、作業に必要な権限だけを渡します。GA4や広告のアカウントも同じで、自社の名義で作り、代行会社にはアクセス権を渡す形にしておくと、解約したときに権限を外すだけで済みます。
運用代行を解約するとき、何に気をつければいいですか?
代行会社が持っている権限を外すこと、代行会社の名義で作られたアカウントやツールがないか確認すること、作ってもらったページやコード、レポートの元データを受け取ることです。契約の前に、解約の条件と、解約したときに何を引き渡してもらえるかを決めておくと揉めません。
- Shopifyの運用代行は、作業の代行・更新と保守の代行・売上を伸ばす運用の3種類に分かれる。費用も、誰が何を決めるかも違う
- 費用は、更新中心で月5万〜15万円、分析と施策まで含むと月15万〜30万円、広告やCRMまで含むと月30万円以上の帯が多い
- 料金は、任せる範囲と稼働量で決まる。成果報酬は、何の売上を数えるのかを必ず確認する
- 選ぶときは、決めるのは誰か、提案だけか実装までか、数字の見方とレポートの形、権限の持ち方、解約の条件を見る
- ストアや広告のアカウントは自社の名義で持ち、代行会社には権限を渡す。解約のときは権限を外すだけで済む
この記事を書いた人永田 龍史
株式会社ULTRO 代表取締役Shopify Partner。Shopifyストアの構築・保守・広告運用・CRMを一気通貫で担当。個人として運用した広告費は累計40億円超。計測設計から逆算して、利益が伸びる仕組みを作っています。Google 広告の認定資格(検索・ディスプレイ・動画・ショッピング・アプリ・P-MAX・測定)と Google アナリティクス認定資格を保有。
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