計測・分析 公開

サードパーティCookie(クッキー)とは?廃止はどうなったか、ECの計測への影響

Chromeの廃止計画は2025年にどう決着したのか。Safariではいま何が制限されているのか。ECの計測が欠ける本当の原因と、先に直すべきことまで。

この記事で分かることサードパーティCookieは、見ているサイトとは別のドメインが発行するCookieです。GoogleはChromeでの廃止を2024年7月に見直し、2025年4月に今の仕組みを続けると決め、同年10月には代わりに開発していたPrivacy Sandboxの広告向け技術の多くを終了すると発表しました。一方、Safariは2020年から全面的にブロックしています。GA4の _ga はファーストパーティCookieなので、廃止の話の直接の影響は小さいものの、SafariではJavaScriptで書くCookieの期限が最長7日に縮められます。ECの計測を実際に欠けさせているのは、購入完了ページが開かれない注文、広告ブロッカー、Safariの期限の短縮、同意の拒否のほうです。

「サードパーティCookieが廃止されるので、計測が大変なことになる」。数年前から何度も聞いてきた話ですが、2025年に状況が大きく変わりました。GoogleはChromeでの廃止を取りやめ、代わりに用意していた技術の多くも終了すると発表しています。

それでも、ECの計測データは欠けています。原因は、購入完了ページが開かれない注文や広告ブロッカー、SafariのCookieの期限など、Cookieの廃止とは別のところにあります。

この記事では、サードパーティCookieとは何か、廃止の計画がどう決着したか、ブラウザごとの現状、GA4と広告への影響を整理したうえで、ECの計測を実際に欠けさせているものを説明します。対象は、自社ECを運営していて、GA4や広告の数字を見て判断している方です。情報は2026年10月時点のGoogle・Apple・Mozilla・Microsoftの公式情報に沿っています。

サードパーティCookie(クッキー)とは?ファーストパーティCookieとの違い

サードパーティCookieは、いま見ているサイトとは別のドメインが発行するCookieです。見ているサイト自身のドメインが発行するものは、ファーストパーティCookieと呼びます。

Cookieは、サイトがブラウザに保存させる小さな文字列です。ログインの状態やカートの中身、訪問者を見分けるIDなどを入れます。ファーストパーティかサードパーティかは、Cookieの中身ではなく、どのドメイン(example.com のような、サイトの住所にあたる部分)が発行したかで決まります。

ファーストパーティCookieとサードパーティCookieの違いの図。見ているサイト example.com と、同じ広告のタグを置いた別のサイトには、それぞれのサイトだけが読めるファーストパーティCookie(GA4の _ga など)がある。ads.example.net が発行するサードパーティCookieは両方のサイトで読めるので、サイトをまたいで同じ人を見分けられる。Safariは2020年から全面的にブロックし、Firefoxはサイトごとに分けて保存している
サードパーティCookieが複数のサイトで読まれる仕組み(2026年10月時点。WebKit・Mozillaの公式情報をもとに作成。画像を押すと拡大できます)

表にすると、次のとおりです。

ファーストパーティCookieサードパーティCookie
発行するドメイン見ているサイトと同じ(example.com を見ていて example.com が発行)見ているサイトと別(example.com を見ていて ads.example.net が発行)
主な発行元サイト自身、サイトに置いたGA4などのタグ広告配信のサーバー、埋め込みの動画・SNSのボタン、別ドメインの計測タグ
読めるサイトそのサイトだけ同じタグが置かれた複数のサイト
主な用途ログイン、カート、GA4のユーザーの識別サイトをまたいだ追跡、リターゲティング(一度サイトに来た人に広告を出すこと)、ビュースルー(広告を見たがクリックしなかった人のその後の購入)の計測
ブラウザの制限期限の短縮(Safari)などSafari・Firefoxは既定でブロックまたは分離。Chromeは今のところ有効

GA4のタグは、Googleのスクリプトを読み込みますが、Cookieは見ているサイトのドメインに書きます。そのためGA4の _ga はファーストパーティCookieです。広告のタグも同じで、Googleのヘルプでは、コンバージョン リンカーが広告のクリック情報を _gcl_aw などの名前で、見ているサイトのドメインのファーストパーティCookieに保存すると説明しています。Metaのドキュメントも、ピクセルはファーストパーティCookieを使い、サイトのドメインに _fbp を保存し、クリックIDは _fbc に保存すると説明しています。

サイトをまたいで同じ人を見分けられることが、サードパーティCookieが規制の対象になってきた理由です。ある人がどのサイトで何を見たかを、広告の事業者がつなげられるためです。

似た言葉との違い

  • サードパーティデータ:他社から買う、または提供されるデータのことで、Cookieとは別の話です。自社が直接集めたデータとの違いはファーストパーティデータの記事で説明しています
  • CHIPS(Partitioned属性):サードパーティCookieを、表示しているサイトごとに分けて保存させる仕組みです。埋め込みのチャットや決済など、サイトをまたいだ追跡が目的ではない用途のためのものです。Googleは、他のブラウザも対応しているとして、Privacy Sandboxの終了後も続けるとしています
  • クッキーレス:Cookieに頼らない計測や広告の総称です。決まった技術の名前ではありません

サードパーティCookieの廃止はどうなった?

ChromeのサードパーティCookieは、廃止されないことになりました。Googleは2020年に廃止を表明し、延期を重ねたあと、2024年7月に方針を見直し、2025年4月に今の仕組みを続けると発表しました。

ChromeのサードパーティCookieの廃止計画の年表。2020年1月に2年以内にサポートをやめる意向を表明、2021年6月に2023年後半へ延期、2022年7月に2024年後半へ延期、2023年12月にChromeユーザーの1%で制限するテスト(2024年1月から)を発表、2024年4月に2024年中には終えられないと発表、2024年7月に廃止の代わりにユーザーが選べる新しい仕組みを提案、2025年4月に今の仕組みを続け新しい選択画面も出さないと発表、2025年10月にPrivacy Sandboxの技術の多くを終了すると発表。ChromeのサードパーティCookieは存続し、Topicsなど広告向けの技術は終了、CHIPS・FedCMなどは続く
ChromeのサードパーティCookieの廃止計画の経緯(2026年10月時点。Google・Privacy Sandboxの公式ブログをもとに作成。画像を押すと拡大できます)

表にすると、次のとおりです。

時期Googleの発表
2020年1月14日Chromeで2年以内にサードパーティCookieのサポートをやめる意向を表明
2021年6月24日延期。2023年半ばから3か月かけて廃止し、2023年後半に終える計画に
2023年12月14日2024年1月4日から、世界のChromeユーザーの1%でサードパーティCookieを既定で制限するテストを始め、2024年後半に全員で廃止する計画と発表(英国の競争・市場庁の懸念の解消が条件)
2024年4月23日2024年中には終えられないと発表。英国の競争・市場庁との合意を前提に、翌年の早い時期に始める見込みとした
2024年7月22日廃止の代わりに、ユーザーが情報を得たうえで選べる新しい仕組みを提案
2025年4月22日今の選択の仕組み(Chromeの設定で管理)を続け、新しい単独の選択画面も出さないと発表
2025年10月17日Privacy Sandboxの技術の多くを、採用が少なかったとして終了すると発表。同じ日に、英国の競争・市場庁がGoogleの約束(コミットメント)を解除

2022年7月にも、廃止の時期を2024年後半に延ばす発表がありました。

英国の競争・市場庁は、Googleが自社に有利な形でサードパーティCookieをなくすことを競争上の問題として見ていました。解除の背景として、GoogleがサードパーティCookieを廃止しないと決めたことを挙げています。

Privacy Sandboxで残ったもの、消えたもの

Privacy Sandboxは、サードパーティCookieの代わりとしてGoogleが開発してきた技術群です。2025年10月の発表で、広告向けを中心とした技術の多くは終了し、Cookieの扱いを安全にする技術は残ることになりました。

区分対象2026年10月時点の状況
ChromeのサードパーティCookie—存続。ユーザーが設定で選ぶ方式のまま。シークレットモードでは既定でブロック
終了する(広告向けなど)Topics、Protected Audience、Attribution Reporting、Private Aggregation、Shared Storage、Related Website Sets、IP Protection など公式の状況ページ(2026年8月14日更新)で、Topicsなどは「廃止して削除する」、IP Protectionなどは「提供を取りやめる」。削除の日付やChromeのバージョンは示されていない
続けるCHIPS、FedCM、Private State Tokens、Storage Access API、ストレージの区画化他のブラウザも採用している、または今後も支える技術として継続

計測の面で影響が大きいのは、Attribution Reporting(Cookieを使わずに広告の成果を測るAPI)の終了です。Googleは、ブラウザをまたいで使える成果の計測の標準づくりを、W3C(Webの標準を決める団体)の作業部会で続けるとしています。

「クッキーレス」に向けた準備は無駄だったのか

廃止の取りやめで、準備がすべて不要になったわけではありません。SafariではすでにサードパーティCookieが使えず、ファーストパーティCookieにも期限の上限があります。当社が見ている日本のECでは、スマートフォンからの訪問のうちiPhoneの割合が高く、Cookieに頼った計測が欠ける状況は、廃止の話の前から続いています。

『クッキー規制を乗り越える! 新しいデジタルマーケティングの本』は、クリーンルーム、共通ID、コンテキスト広告、Privacy Sandboxなどの代替技術は、分析・識別・配信のどこを解くかがそれぞれ違い、まとめてCookieの完全な代わりとは扱えないと整理しています。そのうえで、追跡を続けられればよいという考え方そのものを見直すことを勧めています。なお、この本は2024年1月の刊行で、Chromeの廃止とPrivacy Sandboxの普及を前提にした記述があり、その部分は現状と合いません。Privacy Sandboxの広告向け技術も、2025年10月に終了が決まっています。

当社は、2025年の決着で変わったのは「Chromeの広告の仕組みが急に変わる心配」が消えたことで、ECの計測で手を付けるべきことの順番は変わっていない、と見ています。

ブラウザ別のサードパーティCookieの扱い(2026年10月時点)

2026年10月時点で、サードパーティCookieを既定で広く使えるのは、主要なブラウザではChromeと、追跡用と判定したドメインだけを遮断するEdgeです。SafariとFirefoxは何年も前から既定で制限しています。

ブラウザサードパーティCookie(既定)ファーストパーティCookieへの制限始まった時期
Chrome有効。ユーザーは設定でブロックできる。シークレットモードではブロック期限は最長400日—
Safari(ITP)全面的にブロックJavaScriptで書いたCookieは最長7日。条件により24時間全面ブロックは2020年3月
FirefoxTotal Cookie Protectionで、サイトごとに分けて保存(サイトをまたいで読めない)。既知の追跡用Cookieはブロック—追跡防止の既定化は2019年9月、Total Cookie Protectionの既定化は2022年6月
Edge追跡用と分類されたドメイン以外は有効。追跡防止の既定は「バランス」で、広告・SNSなどの既知の追跡ドメインのCookieやストレージを遮断する。アクセス解析のカテゴリは遮断しない——

Chromeの400日は、GoogleのGA4のヘルプにある、再訪しない場合のCookieの期限の上限です。

SafariのITPで決まっていること

SafariのITP(Intelligent Tracking Prevention)は、サードパーティCookieを全面的にブロックし、JavaScriptで書いたファーストパーティCookieの期限を最長7日(条件により24時間)に縮めます。ECの計測で影響が大きいのは、期限の短縮のほうです。WebKit(Safariのエンジン)の公式ブログで公表されている内容は次のとおりです。

内容公表された時期
JavaScript(document.cookie)で書いた期限付きのCookieは、期限が最長7日になる2019年2月(ITP 2.1)
追跡ができると判定されたドメインから移動してきて、着地したURLにパラメータ(?以降)か#以降が付いている場合、そのページでJavaScriptで書いたCookieは1日(24時間)になる2019年4月(ITP 2.2)
サードパーティCookieを既定で全面的にブロック。Safariを使った日で数えて7日間、そのサイトで操作がなければ、スクリプトで書けるストレージ(localStorageなど)を消す2020年3月
CNAME(サブドメインを別の会社のサーバーに向ける設定)を使った第三者のサーバーが応答で発行したCookieも、期限が7日になる2020年11月

このほか、サイトと違うIPアドレスの第三者のサーバーが発行したCookieにも7日の上限をかける変更が、2022年10月にWebKitに入っています(WebKitのバグ管理の記録で確認。公式ブログでの説明はありません)。サーバーからCookieを発行して期限を延ばす方法と、効く条件はサーバーサイドGTMの記事で説明しています。

ULTRO NOTES|計測・分析サーバーサイドGTMとは?仕組み・費用と、Shopifyで拾えない購入サーバーサイドGTM(sGTM)は、ブラウザのデータを自社サーバーで受けて送り直す仕組みです。Cloud Run・Stapeの費用、ITP対策が効く条件、Shopifyでの注意点、ブラウザでタグが動かなかった購入は拾えないことまで説明します。

24時間になる条件で「追跡ができると判定されたドメイン」がどこかは、WebKitは名前を挙げていません。当社は、大手の広告媒体からクリックID(広告をクリックしたときにURLに付く gclid や fbclid などの文字列)の付いたURLで着地する場合が典型と見ています。UTMパラメータだけを付けたリンクがこの条件に当たるかは、遷移元のドメインしだいです。UTMの付け方はUTMパラメータの記事で説明しています。

ULTRO NOTES|計測・分析UTMパラメータの付け方|生成ツールとGA4での確認方法、命名ルール表UTMパラメータは utm_source・utm_medium・utm_campaign の3つを小文字で付けます。パラメータ付きURLの生成ツール、ECで使える命名ルール表、GA4で値を確認する方法、自動タグ設定との優先順位までまとめます。

Safariについて、公式には確認できないこと

Safariの追跡防止は、記事によって説明がまちまちです。公式に確認できる範囲は次のとおりです。

  • iOS 17のリンクの追跡防止:Appleは2023年6月に、メッセージとメールで共有したリンク、Safariのプライベートブラウズで開いたリンクから、追跡用の情報を取り除くと発表しました。どのパラメータを取り除くかの一覧は、Appleは公表していません
  • iOS 26の指紋採取対策:Appleは2025年6月に、高度なフィンガープリント防止を、すべてのブラウズで既定にすると発表しました。具体的にどのスクリプトに何を制限するかは、公式の発表には書かれていません
  • 次のSafariの変更:開発中のバージョンについて、ソースコードを読んだ第三者の分析が出ていますが、Appleの公式発表はありません

GA4への影響は?_gaはファーストパーティCookie

GA4はファーストパーティCookieで動いているので、サードパーティCookieの廃止の話の直接の影響は小さいです。Googleのヘルプ「ウェブサイトでの Cookie の使用」は、GA4のJavaScriptタグはファーストパーティCookieを使って、ユニークユーザーと、1人のユーザーによるユニークセッションを区別すると説明しています。

Cookie既定の期限用途
_ga2年間ユーザーを区別する
_ga_<コンテナID>2年間セッションの状態を保つ

ただし同じヘルプに、ブラウザがファーストパーティCookieの期限を制限すること、再訪しない場合の上限がChromeは400日、Safariは7日であることも書かれています。

Safariで7日を過ぎて戻ってきた人は、_ga が消えているので、GA4では新しいユーザーとして数えられます。当社の見方では、次のようなずれが出ます。

  • 新規ユーザーが多めに出る:検討に日数がかかる商材ほど、同じ人が「新しいユーザー」として何度も数えられます
  • 初回の流入元が分からなくなる:7日より前に広告で来た人が、8日目に検索から戻って購入すると、GA4の「最初のユーザーの〜」の項目は検索になります
  • リピートの指標がずれる:Safariの利用者の再訪率や、ユーザーあたりの購入回数が低く出ます

ユーザーとセッションの数え方はGA4のセッションとユーザー数の記事を、どの流入に成果を付けるかのルールはアトリビューションの記事を見てください。GA4で最初に確かめておく設定はGA4の使い方の記事にあります。

ULTRO NOTES|計測・分析GA4のセッションとユーザー数|合計が合わない理由と切れる条件GA4のセッションは操作のない時間が30分を超えると切れます。日別の和や表の行の和が合計と合わないのは、重複を除いて数えることとHyperLogLog++による推定、しきい値のためです。4つのユーザー数の違いと、月曜始まりの週の見方まで。ULTRO NOTES|計測・分析アトリビューションとは?GA4・広告・Shopifyで数字が合わない理由アトリビューションは、購入までに触れた広告やチャネルのうち、どれの成果とするかを決めるルールです。GA4・Google 広告・Meta広告・Shopifyで既定のルールがどう違うか、同じ購入が別々に数えられる仕組み、ECでどの数字を何に使うかをまとめます。ULTRO NOTES|計測・分析GA4の使い方|ECで最初に見るレポートと、設定を直す順番GA4の使い方を、ECサイトで先に押さえる主要な指標8つ、最初に見るレポート4つと、最初に直しておく設定に絞ってまとめます。売上の概要、トラフィック獲得、e コマース購入数、ランディング ページの見方、ユーザー獲得との違い、データの保持・内部トラフィック・キーイベント・サービス間のリンクの設定、Shopifyとのつなぎ方まで。

広告(Google広告・Meta広告)への影響と打ち手

広告の計測は、Chromeではこれまでどおり動きますが、Safariでは以前から欠けています。対策は、Cookieが消えても成果を結びつけられる経路を足すことです。

前の節で触れたとおり、Google広告の _gcl_aw もMetaの _fbp も、見ているサイトのドメインに書くファーストパーティCookieです。そのため、ChromeがサードパーティCookieを残しても、SafariのITPの7日・24時間の期限はそのまま効きます。

影響を受けるもの何が起きるか打ち手
クリックからの購入の計測Safariでは、クリックIDを入れたCookieが7日、条件により24時間で消え、それより後の購入が広告の成果として数えられないGoogle広告:拡張コンバージョン。Meta広告:コンバージョンAPI
ビュースルーの計測、サイトをまたいだ計測サードパーティCookieを使うものは、Safari・Firefoxで取れない媒体の推計に任せる部分が増える。数字の扱いを決めておく
リターゲティングのリストSafari・Firefoxの訪問者がリストに入りにくい顧客リストを使う。詳しくは下のリンク先
同意しなかった人同意バナーを出している場合、その人のデータは送られない同意モード。詳しくは下のリンク先

Google広告の拡張コンバージョンは、購入時のメールアドレスや電話番号を正規化し、SHA256でハッシュ化(元に戻せない形に変換)して送り、広告に接したときにログインしていたGoogleアカウントと照合する機能です。Cookieが消えていても、照合できれば成果として数えられます。設定は拡張コンバージョンの記事で手順まで説明しています。

ULTRO NOTES|計測・分析拡張コンバージョンとは?Google広告での仕組みとShopifyでの設定、2026年の変更点拡張コンバージョンは、購入者のメールアドレスなどをハッシュ化してGoogleに送り、Cookieで広告とつながらなかったコンバージョンを補う機能です。gclidとの関係、Googleタグ・GTM・ShopifyのGoogle & YouTubeアプリでの設定、2026年に始まった設定の統合、補えないものをまとめます。

Meta広告のコンバージョンAPIは、成果をサーバーからMetaに送る仕組みです。Metaは、ピクセルと併用する「冗長な設定」を勧めていて、その場合はピクセルの eventID とコンバージョンAPIの event_id、イベント名を一致させて重複を除きます。重複が除かれるのは、最初のイベントが届いてから48時間以内に届いたものだけです。仕組みはコンバージョンAPIの記事、Shopifyでの入れ方はShopifyでMetaのCAPIを使う3つの方法を見てください。ピクセルで作るオーディエンスの考え方はMetaピクセルとオーディエンスの記事で説明しています。

ULTRO NOTES|計測・分析コンバージョンAPIとは?ピクセルとの違いとShopifyでの設定コンバージョンAPI(CAPI)は、購入などのデータをサーバーからMetaに送る仕組みです。Metaピクセルとの違い、併用したときの重複除外の条件、設定方法の比較、Shopifyの公式アプリでの設定と、二重計測の確認点をまとめます。ULTRO NOTES|計測・分析ShopifyでMetaのCAPI(コンバージョンAPI)を使う3つの方法|公式アプリ・Gateway・自前の送信ShopifyでMetaのコンバージョンAPI(CAPI)を使う方法は、公式アプリ、CAPI Gateway、自前の送信の3つ。ほとんどのストアは無料の公式アプリで足ります。費用・手間・拾える購入の違いと、重複排除・イベントマッチ品質・注文数との差の確かめ方まで。ULTRO NOTES|広告運用Metaピクセルとは?Shopifyでの設置と、カスタム・類似オーディエンスの作り方Metaピクセルは、サイトでの行動をMetaに送るコードで、広告の計測、配信の最適化、オーディエンス作りに使います。Shopifyでの設置と確認、ピクセルや顧客リストから作るカスタムオーディエンス、類似オーディエンスの作り方、Advantage+ オーディエンスで「提案」扱いになった2025年以降の使い方までまとめます。

同意モードは、同意の状態をGoogleのタグに伝える仕組みで、欧州経済領域・英国・スイスの利用者には事実上必要です。日本だけに販売しているストアで既定を「拒否」にすると、かえって計測が欠けます。日本だけに販売していて同意バナーを出していないなら、同意モードより先に、次の節以降のことを進めて構いません。基本と高度の違い、Shopifyでの設定はCookie同意バナーの記事で説明しています。

ULTRO NOTES|計測・分析Cookie同意バナーは必要?ECの判断基準とGA4の同意モードCookie同意バナーが必要かどうかは、どの国のお客様に販売しているかで変わります。日本向けの自社ECに関係する法律、同意バナーを出したときにGA4の数字がどう変わるか、同意モードの基本と高度の違い、Shopifyでの設定をまとめます。

Googleは2025年5月2日に、タグの読み込みを自社ドメイン経由にする「Googleタグ ゲートウェイ」を翌週から順次提供すると発表し、設定した広告主ではシグナルが11%増えたとしています。ただしこれはGoogleの社内データで、2025年4月9日〜16日の7日移動中央値です。比べたのはタグのスクリプトが読み込まれた回数で、コンバージョンの数ではありません。

リターゲティングのリストが小さくなる件と、顧客リストを使った代わりの方法は、リターゲティング広告の記事にあります。

ULTRO NOTES|広告運用リターゲティング広告とは?仕組みとECでの設定、Cookie規制のいまリターゲティング広告は、サイトを訪れた人にもう一度広告を出す手法です。仕組み、ECでのリストの分け方、Google 広告とMeta広告での設定、P-MAXでの扱い、Chromeの方針撤回後のCookie規制の現状をまとめます。

日本のCookie規制では、何が求められている?

日本でECの計測に関係するのは、電気通信事業法の外部送信規律と、個人情報保護法の個人関連情報の2つです。どちらも、自社のサイトでCookieを使うこと自体に同意を義務付けてはいません。

法律施行内容自社商品のECへの当てはめ
電気通信事業法の外部送信規律2023年6月16日利用者の情報を外部に送らせるときに、通知・公表、同意、オプトアウトのいずれかを行う総務省は、自社商品などのオンライン販売は対象外と説明。ニュースサイトやまとめサイトなど、各種情報をオンラインで提供するページは対象になる
個人情報保護法の個人関連情報2022年4月1日Cookieなどの識別子は、個人情報に当たらない場合、通常「個人関連情報」。提供先が個人データとして取得することが想定される第三者提供では、本人の同意が取れていることの確認が必要提供先(広告媒体など)が、受け取ったCookie IDなどを自社の会員情報と結びつけることが想定される場合に関係する

個人情報保護法は2026年7月に改正法が公布され、Cookie IDなどを含む個人関連情報の不適正な利用と不正な取得を禁じる規律が入りました。施行は原則として公布から2年以内で、Cookieの利用に同意を義務付ける内容ではありません。条文の読み方とShopifyでのバナーの設定は、Cookie同意バナーの記事で説明しています。当社は法律の専門家ではないので、個別の判断は顧問の弁護士などに確認してください。

ECの計測漏れの本当の原因は?購入完了ページ・広告ブロッカー・Safari・同意

ECの計測を実際に欠けさせているのは、購入完了ページが開かれない注文、広告ブロッカー、SafariのCookieの期限、同意の拒否の4つです。出典で言えることと、言えないこと(当社の推測)を分けて整理します。

広告をクリックしてストアに来てから、購入が元の広告や流入元と結びついて記録されるまでの3つの関門の図。関門1はブラウザでタグが読み込まれることで、広告ブロッカーで止められたり、同意を拒否した人のデータが送られなかったりする。関門2は購入までCookieが残ることで、SafariではJavaScriptで書いたCookieは最長7日、パラメータ付きの流入では24時間で、消えると元の広告と結びつかず、GA4では新しいユーザーになる。関門3は購入完了ページが開かれることで、外部決済から戻らない、読み込む前に閉じる、AI・SNSアプリの中で完結すると、タグが動かない。関門3で欠けた注文は送られておらず、Cookieの期限を延ばしても拡張コンバージョンを入れても補えない
ECの計測が欠ける3つの関門(2026年10月時点。WebKit・Shopify・Googleの公式情報をもとに作成。画像を押すと拡大できます)

出典で言えることと言えないことを表にすると、次のとおりです。

要因出典で言えること言えないこと・当社の推測
購入完了ページが開かれないShopifyのドキュメントでは、購入完了のイベント(checkout_completed)はふつう購入完了ページで、アップセルがあれば最初のアップセルのページで1回だけ発生し、そのページが読み込まれなければ発生しない何%の注文で起きるかの業界の統計は見つからなかった。ULTROの支援先のストアで注文番号を照合したところ、GA4に入っていない注文が約2割あった(決済方法などの内訳は店舗によって違う)
広告ブロッカーGWIのデータを引いたBacklinkoの記事(二次情報)では、世界のインターネット利用者の29.5%(2025年第2四半期)が広告ブロッカーを使うことがあり、日本は利用率が2割未満の国の1つとされる(日本の値の時期は記載なし)。Edgeの既定の追跡防止も、広告系の既知のドメインのCookieを遮断する一次資料では確かめられていない。利用率はそのまま計測漏れの率ではない。GA4のタグがどれだけ止められているかの公的な数字はない
SafariのCookieの期限JavaScriptで書いたCookieは最長7日、パラメータ付きの流入では24時間(WebKit)。GA4のCookieもSafariでは7日が上限(Google)欠ける量は、Safariの利用者の割合と、検討にかかる日数しだい。当社の見ているストアではiPhoneからの訪問の割合が高く、影響は小さくないと見ている
同意の拒否同意しなかった人のデータは送られない。高度な同意モードでは、Cookieを使わない信号を送り、条件を満たせば推計で補う(Google)日本の拒否率の信頼できる統計は見つからなかった。日本向けで同意バナーを出していないストアなら、この要因は小さい

いちばん上の、購入完了ページが開かれない注文は、Cookieとは関係なく、タグが動く機会そのものが無い問題です。外部の決済サービスから戻らずに閉じた、完了ページを読み込む前に通信が切れた、AIアシスタントやSNSアプリの中で購入が完結した、といった注文では、ブラウザのタグが一度も動きません。Cookieの期限を延ばしても、拡張コンバージョンを入れても、そもそも送られていないものは補えません。

GA4でこの分を埋めるには、注文のデータを起点に、ブラウザを通さずサーバーから送る必要があります。GA4では、そのためのGoogleの仕組みであるMeasurement Protocolを使います。仕組みと送る期限はMeasurement Protocolとはで説明しています。当社は、これをShopifyアプリ「GapFill」にしました。自社の製品なので、その前提で読んでください。既存のタグ設定はそのままで、GA4で漏れた購入データを、サーバーサイドで補完します。どこでどれくらい漏れているかを確かめる計測漏れレポートは無料です。

ULTROのShopifyアプリGapFill|GA4で漏れた購入データを、サーバーサイドで補完既存のタグ設定はそのまま。計測漏れレポートは無料です。GapFillを見る →ULTRO NOTES|計測・分析GA4のMeasurement Protocolとは?サーバーから送る方法と48・72時間のルールMeasurement Protocolは、サーバーからGA4に直接イベントを送るGoogleの仕組みです。ECでの使いどころ、purchaseと返金の送り方、48時間・72時間などの期限、検証とDebugView、Data Manager APIとの違いまで。

漏れの原因の一覧と、注文番号で1件ずつ突き合わせる手順は、ShopifyでGA4の購入が計測漏れする原因と埋め方の「自分のストアで計測漏れを確かめる手順」の節にあります。

ULTRO NOTES|計測・分析ShopifyでGA4の購入が計測漏れする原因と埋め方ShopifyとGA4の購入数・売上が合わない、購入が計測されないときの原因と確かめ方を説明します。注文番号での突き合わせ手順、タグの見直し・サーバーサイドGTM・Measurement Protocolの比較、当社が作ったアプリ「GapFill」での埋め方まで。

サードパーティCookieの話を受けて、ECは何から始めるか

手を付ける順番は次の5つです。最初の2つで自分のストアで何が欠けているかを確かめて直し、3と4で欠けている経路を足し、5で数字の比べ方をそろえます。

  1. 注文とGA4を突き合わせる:Shopifyの注文番号とGA4のトランザクションID(GA4に送られる注文番号)を1件ずつ照合し、GA4に無い注文が決済方法や販売チャネルに偏っていないかを見ます
  2. タグの設定を確かめる:購入のイベントが1回だけ送られているか、二重になっていないかを確かめます。Shopifyでの入れ方はShopifyとGA4の連携方法に、二重のときの直し方はGA4の購入が二重に入るときに、タグが動いているかの確かめ方はGoogleタグアシスタントの記事にあります。Shopifyのカスタムピクセルで入れている場合の注意はカスタムピクセルの記事を見てください
  3. 広告にCookieに頼らない経路を足す:Google広告は拡張コンバージョン、Meta広告はコンバージョンAPIを、イベントIDでの重複排除まで含めて設定します
  4. タグが動かない注文を補う:1で、決済や販売チャネルに偏った漏れが残っていれば、注文からMeasurement Protocolで送る方法を検討します。手作業での照合が手間なら、GapFillの無料の計測漏れレポートでも確かめられます
  5. 条件を変えた日を記録する:同意バナーを入れた日、計測の方法を変えた日を残し、その前後の数字をそのまま比べないようにします

5について、『クッキー規制を乗り越える! 新しいデジタルマーケティングの本』は、施策ごとに、事業の実績、管理画面の数字、計測の条件、計測できていない範囲を分けて記録し、計測の条件が変わった期間を単純に比べないことを勧めています。拡張コンバージョンやサーバーからの送信を入れると、広告やGA4の数字は増えますが、それは売上が増えたのではなく、見える範囲が広がった分です。

「(not set)」や「direct」が多いのも、Cookieが消えたり参照元が引き継がれなかったりしたときに起きやすい症状です。原因の見分け方はGA4の(not set)・directが多い原因で説明しています。

ULTRO NOTES|計測・分析GA4の(not set)とは?原因と直し方、Unassigned・directとの違いGA4の(not set)は、ディメンションの値がGA4に届いていないことを表す表示です。Unassigned・directとの違い、参照元・ランディングページなどディメンション別の原因、Shopifyで出やすいケース、探索での確かめ方まで。

参考にした情報

よくある質問

サードパーティCookieとは何ですか?

いま見ているサイトとは別のドメインが発行するCookieです。広告や計測のタグ、埋め込みの動画やSNSのボタンなどが発行します。同じドメインのCookieが複数のサイトで読まれるので、サイトをまたいで同じ人を見分けることに使われてきました。見ているサイト自身が発行するものはファーストパーティCookieと呼びます。

サードパーティCookieは廃止されたのですか?

Chromeでは廃止されていません。Googleは2024年7月に廃止の方針を見直し、2025年4月に今の仕組みを続け、新しい選択画面も出さないと発表しました。ただしSafariは2020年から、Firefoxは2019年から既定で制限していて、Chromeでもシークレットモードではブロックされます。

プライバシーサンドボックスはどうなりましたか?

2025年10月17日に、Googleは採用が少なかったとして、Topics、Protected Audience、Attribution Reportingなど広告向けの技術の多くを終了すると発表しました。CHIPS、FedCM、Private State Tokensは続けます。2026年8月時点の公式の状況ページでも、終了する技術の削除の日付は示されていません。

GA4はサードパーティCookieの廃止で使えなくなりますか?

なりません。Googleのヘルプでは、GA4のタグはファーストパーティCookieでユーザーとセッションを見分けると説明しています。影響が出るのはSafariで、再訪しない場合のCookieの期限は最長7日です。7日を過ぎて戻ってきた人は、新しいユーザーとして数えられます。

SafariのITPとは何ですか?

Safariに組み込まれた追跡防止の仕組みです。サードパーティCookieを全面的にブロックするほか、JavaScriptで書いたCookieの期限を最長7日に縮め、追跡ができると判定されたドメインからパラメータ付きのURLで来た場合は24時間にします。どれもWebKitの公式ブログで公表されています。

日本のECサイトは、Cookieの利用に同意を取る必要がありますか?

総務省は、自社の商品をウェブサイトで販売する小売業者には、電気通信事業法の外部送信規律は適用されないと説明しています。個人情報保護法では、Cookieなどの識別子は、個人情報に当たらない場合、通常「個人関連情報」に当たります。提供先がそれを個人データとして取得することが想定される第三者提供では、本人の同意が取れていることの確認が必要です。詳しくはCookie同意バナーの記事で説明しています。個別の判断は弁護士などの専門家に確認してください。

まとめ
  • サードパーティCookieは、見ているサイトとは別のドメインが発行するCookie。GA4の _ga はファーストパーティCookie
  • Chromeは廃止を取りやめ(2025年4月)、Privacy Sandboxの広告向け技術の多くは終了へ(2025年10月)。CHIPSやFedCMは残る
  • Safariは2020年から全面ブロック。JavaScriptで書くCookieは最長7日、パラメータ付きの流入では24時間
  • 広告はCookieに頼らない経路を足す。Google広告は拡張コンバージョン、Meta広告はコンバージョンAPIとイベントIDでの重複排除
  • ECの計測漏れで効いているのは、購入完了ページが開かれない注文、広告ブロッカー、Safariの期限、同意の拒否。Cookieの廃止の話とは別に確かめる

この記事を書いた人永田 龍史

株式会社ULTRO 代表取締役

Shopify Partner。Shopifyストアの構築・保守・広告運用・CRMを一気通貫で担当。個人として運用した広告費は累計40億円超。計測設計から逆算して、利益が伸びる仕組みを作っています。Google 広告の認定資格(検索・ディスプレイ・動画・ショッピング・アプリ・P-MAX・測定)と Google アナリティクス認定資格を保有。

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GA4の購入、どれだけ計測漏れしていますか?

Shopifyの注文とGA4の購入を照合して、漏れた購入データをサーバーサイドで補完するアプリ「GapFill」を作りました。既存のタグ設定はそのままで、計測漏れレポートは無料です。原因と確かめ方はこちらの記事にまとめています。

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